『アメノナカノ青空』

残された時間、僕は君に何をしてあげられるだろう

■監督・脚本　イ・オニ
■キャスト　イム・スジョン、キム・レウォン、イ・ミンク

□オフィシャルサイト　　『アメノナカノ青空』

　生きるのがちょっぴり苦手な少女ミナ（イム・スジョン）。　ある日、彼女が住むマンションの下の階に、ちょっといい加減で図々しいけれど、人なつっこい笑顔が憎めないカメラマン、ヨンジェ（キム・レウォン）が引っ越して来る。　運命の出会いをする二人。　だがそれは、ヨンジェだけが知っている“仕組まれた出会い”。
ヨンジェにとっては気軽な恋のはずだった。　だが、運命の波がミナを飲み込もうとしたとき、ヨンジェは初めて彼女を深く愛している自分に気づく…。


　おススメ度　⇒★★★ （５★満点、☆は０．５）
　cyazの満足度⇒★★★☆


　久しぶりに平日の渋谷の朝一で映画を観ることにができました。　しかもファースト・オン・～とかで、￥１,０００　やったね　
　この映画は前々から観たいと思っていた映画です。　渋谷のシネクイントは本当に久しぶりな気がします。　地元のシネコンで最近はインディペンデント系の作品も上映するようになり、なかなか恵比寿や渋谷や新宿の単館系映画館には足を運ぶ機会も少なくなりました。　何故かセンター街に流れるこれから出社する皆さんと一緒に闊歩するのはちょっとした優越感がありました（笑）
　劇場の掲示板にはこの映画を観た人たちのメッセージが貼られていて、少しそのメッセージを読んでいると、

　「途中でオチがわかったけど、でも涙が止まらなかった・・・。　１７才」

というのが目にとまり、年齢と丸文字からするときっと女子高生だと思います。　確かにオチのわかる映画はありますが、それでも泣ける映画はやはりいい映画なのかなぁ～と思いながら、少し温かいものをそれらのメッセージから感じながら、この映画を観ました。
　水曜日ということでレディースデイの影響かもしれませんが（あるいはファースト・オン・～を知って）、女性がほとんどでした。　そして年齢層も高めでした（笑）

　優しい映画です　ほんとに

もし、僕が映画評論家だとか、コピーライターのように、この映画に寄せる言葉を作るとしたら、

　　
　　君が待ち遠しくて仕方がない雨の日の
　　横断歩道の途中で
　　君は僕の前から去ってしまった
　　あっと言う間の出来事に
　　現実を受け入れられないまま
　　僕は今日も
　　あの日と同じ事故が起こらないように
　　僕と同じ悲しみの日々を経験する人が出ないように
　　この横断歩道に立って
　　交通整理をしている
　　誰のためでもなく
　　彼女との最後の場所が
　　僕の一番居心地のいい場所だから

　　ミナへ
　　君の命の炎は
　　僕の心の中で
　　そして
　　ミスク（母）の心の中で
　　ずっと生き続けているよ
　　ミナに
　　僅かばかりの残された時間しかないと知って
　　僕は君に何をしてあげられるのだろう
　　もしかしたら
　　何もしてあげられずに
　　少しばかりの想い出のカケラしか
　　あげられなかったかもしれない・・・
　　でも
　　現実の世界で僕という親友ができて
　　きっと君は
　　また違う世界で友達ができるだろう
　　その友達に言ってくれるかな
　　もう彼に
　　横断歩道でみんなを守らないでいいからと
　　ミナが
　　僕と
　　ミスク（母）と
　　そして、みんなを守ってあげるからと


　監督は女性ですが、優しい視点でこの映画を撮ってくれたと思います。　荒削りな部分はあるにしろ、飾りのない温かい心は伝わって来ました。
　映画の中で使われていた傘は、もしかしたらＭｏＭＡのアンブレラかな（笑）？

　　　「ＭｏＭＡ　スカイアンブレラ」