□作品オフィシャルサイト 「42 ~世界を変えた男~」
□監督・脚本 ブライアン・ヘルゲランド
□キャスト チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー
クリストファー・メローニ、アンドレ・ホランド、ルーカス・ブラック
ライアン・メリマン
■鑑賞日 11月3日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
白でも黒でも黄色でも、実力での勝ち取った栄光は、
もちろん自らの力もさることながら、
近しいところに最も良き理解者と優れた陰の力がプラスに働くものである。
史上初の黒人メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)
の半生を、ブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)のゼネラル・
マネージャー、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)との交流を軸に描いたドラマ。
1947年、リッキーは周囲の反対を押し切り、ジャッキー・ロビンソンとメジャー契約を
結んだ。 2人はファンやマスコミ、チームメイトからも誹謗中傷を浴びせられるが、
自制心を貫き通し、プレーに徹するロンビンソンの姿勢に、次第に周囲の人々の心も
ひとつになっていく。
ただでさえ、明白に人種差別が残る時代に、エンターテイメントな世界にいきなり放り込まれ、
チームも敵チームも、そして観客も反感をあらわにしている。 当然の如く、予測された
誹謗中傷の雨嵐の中、挫折しないように、彼を全面的にバックアップし、人間形成のうえでも、
大きな力と深い愛情でを見守り続けた実在のリッキーを演じるハリソン・フォードの渋い
演技に共感を得た。 そのGMの地位から、独断的にロビンソンと契約し、起用し続けた
彼の、ロビンソンに対し、先見の明があったことはいつわりのないところだ。
味方ですらロビンソンの存在を認めず、いつも一匹狼的な彼だったが、グラウンドの上では、
野球の才能を遺憾なく発揮し、相手方からのデッドボールや激しいヤジに辟易しながらも、
真摯なロビンソンの姿とその野球への実力こそが、誰しも、彼を認めざるを得なくなる。
後半、チームメイトがかける「一緒にシャワーを浴びよう」という言葉が印象的だった。
ロビンソン役を演じたチャドウィック・ボーズマンは、今まであまり印象のない黒人俳優
だったが、この作品のあとにあのジェームス・ブラウンの伝記映画に出演が決まったとか。
スポ根ものには涙もつきものだが、様々な苦難や葛藤を乗り越えて、一流のアスリートに
なり、なおその後にも人間的・社会的にも世に大きな貢献したロビンソンの生き様に、
感銘しないわけにはいかなかった。
この作品の監督(脚本)は、古くは『L.A.コンフィデンシャル』、『サブウェイ123 激突』、
『マイ・ボディガード』(この2作、主演はデンゼル・ワシントンだ)等の脚本家、
ブライアン・ヘルゲランドがメガホンをとった。
ロビンソンではないですが、GMのリッキーを、同じメジャーリーグでオークランド・
アレチックスのGMの姿を描いたブラピ主演の『マネーボール』と少し比べちゃいました。
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