『ウォール・ストリート』

 

□作品オフィシャルサイト　「ウォール・ストリート」
□監督　オリヴァー・ストーン
□脚本　アラン・ローブ
□キャスト　マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、キャリー・マリガン、ジョシュ・ブローリン、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ、イーライ・ウォラック

■鑑賞日　２月１１日（金）
■劇場　チネチッタ
■cyazの満足度　★★★（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　　結局のところ、頑丈で冷徹なマネーゲッターは、単に自身の初孫に負けたのか(笑)

　当時観たときはかなり衝撃的だった『ウォール街』。
　あれから約２３年・・・。
　マネー・ゲームの裏表を『ウォール街』で描いてくれたオリバー・ストーンだったが、
　８年の刑期を終えて出て来た教えてくれたゲッコー演じるマイケル・ダグラスだけは、
　私生活でも病を回復して復帰しただけに妙に元気で妙に男の色気があったものの、
　その展開たるや２３年経っても斬新さは期待できなかった。
　数々の問題を提起してきたオリバー・ストーンも、２３年の時の流れを超越することはできなかったのかな(笑)

　様々な人間の金に絡む私利私欲が、ビジネス・パートナーやそれぞれの家族の繋がりの手ぐすを、
　緩めたり引っ張りたりしながらも、そこにある深層心理を抉り出してくるのかと思いきや、
　最後はなんでもないその辺にいるおじいちゃんと一緒。　子は鎹的オチで終わってしまう、
　なんとも締まりないエンディング。
　しかも、映像とそれを盛り上げるための音作りがアンバランス。

　笑えたのはゲッコーとチャーリー・シーンの短いワンカット。　思わず「おお～」と声が出た

　まあシャイア・ラブーフやキャリー・マリガンらの若手もこういう映画の中ではさすがにキレ味がアなかったし、
　ましてや妊娠を機にした二人の関係は、もう少しその心理描写をしっかりと描いてほしかったなぁ。

　　余談になるが、松田優作を偲ぶＴＶ番組を観ていたときに、ちょうど『ブラックレイン』のオーディション風景が映り、
　マイケル・ダグラスが優作とすれ違うシーンがあったが、やはりあの頃のマイケル・ダグラスの目は
　獲物に向かうハンターの目をしていたことが印象深い。
　この映画のダグラスは優しい目をしていた。