京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「ちゃんちゃら」/朝井まかて

2014-06-20 | Book

「ちゃんちゃら」/朝井まかて(講談社) 

 

フーテンの小寅こと(笑)ちゃらを拾って庭師に育てて悔いれた植辰の親方・辰蔵。
辰蔵の一人娘で男所帯を切り回すお百合に、腕の良い福助、風来坊のようだが
石組に見事な腕を発揮する玄林と、植辰ファミリーはいつも賑やかで和気藹々。
だが、その江戸に突然、古法に則った作庭指南を謳う嵯峨流正法=白楊なる者が
現れ、植辰の仕事には困難が続出。 さらに白楊は何か辰蔵に含むところがあるのか、
植辰は苦境に追いつめられます。 嵯峨流正法を名乗る白楊とは一体何者なのか?

朝井さんの作品は何作か読んでいますが、この「ちゃんちゃら」の主人公ちゃらは、
風来坊ながら、辰蔵の元でまるで庭師の原石として磨かれていく。
それはちゃらの庭師としての才能開花と、合わせて人間としての成長が
面白可笑しく描かれていきます。 登場人物はそれぞれに特徴があり、
特にちゃらとお百合のやり取りが絶妙です(笑)
朝井さんの小説に登場する男女関係はいつもほのぼの感がありますねぇ~

ただ、途中から登場した白楊との因縁の対決あたりから、全体のトーンが暗くなり、
少しばかり重く感じてしまいますが、ちゃらが自分の主義主張をまげず、
身を投げ出して白楊に向っていく姿は感動ものです。
ただ意外な人物の裏切りも、大きな変化をこの小説にもたらしています。
それでも 流されて行方知れずになってしまったちゃらも最後には感動の
再会の雨を降らせてくれます。 ちゃららしいと言えばそれまでですが(笑)
そして途中に、「すかたん」も登場させたりするところが、
朝井さん、実にオシャレです(笑) 


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