建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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第27回なくせじん肺キャラバン東京終結行動!

2016年10月21日 17時47分14秒 | 活動報告

第27回なくせじん肺全国キャラバン東京終結行動が10月17、18日に行われました。長崎実行委員会からは、じん肺・アスベスト根絶三菱長船の会、三菱長船じん肺患者会、じん肺弁護団、建交労九州支部長崎分会、トンネルじん肺根絶原告団、西日本石炭じん肺請求団、三菱長船第3陣原告団の代表27人が参加しました。

一行は、全国から参加した200人を超える行動参加者とともに12時に厚生労働省・環境省前に集まりました。あいにくの雨の中でしたが、参加者はじん肺被害の救済と根絶を求め、全国実行委員会の主催者、各原告団、支援の代表が厚労省に訴えました。長崎からは、9月26日に福岡高裁で日鉄鉱業に勝訴した西日本石炭じん肺田川訴訟の遺族原告Tさんが、全国の皆さんに支援のお礼とじん肺根絶まで頑張る決意を述べ、激励を受けました。

その後、衆議院第2議員会館では「東京終結・院内集会」が開始されました。国会議員や秘書のみなさんも集会に駆け付け、連帯と激励のあいさつをされました。長崎からの参加者は、田川紀子さんと西日本請求団の山口等団長、三菱長船第3陣の尾崎豊団長、中里事務局長が発言しました。

二日目は、日鉄鉱業社長宅前、日鉄鉱業本社前、での行動から始まりました。社長には会えませんでしたが、横断幕を掲げて行動を行うことができました。

品川の三菱重工本社に行きましたが、キャラバン実行委員会の要請は受け取らないということでした。参加者は、横断幕を掲げハンドマイクで早期解決を訴えました。

最後に、国会請願デモ行進が日比谷公園から国会まで行われました。国会議員面会所では日本共産党と社民党の国会議員の方々がデモ隊を待っていて、長崎で集めた署名を渡すことができました。

 

 

 

 


三島一幸先生を招いての「じん肺・アスベスト学習会」報告!

2016年10月21日 07時32分50秒 | 活動報告

 

27回なくせじん肺全国キャラバン長崎実行委員会の最後の取り組みは、1013日午後6時半から長崎市立図書館多目的ホールで開催した「じん肺・アスベスト学習会」でした。長崎実行委員会の16団体から80人が参加しました。

 同実行委員会の代表世話人の戸田清環境科学部教授が開会あいさつを行いました。戸田氏は「講師の三島先生は、一回り若い自分と同じ申年生まれで同じ月」と講師の紹介を行いました。 

引き続き長崎県労連の大場雅信議長が支援団体を代表して連帯あいさつを行いました。大場議長は「じん肺をはじめとするすべての職業病の根絶は、労働組合の最重要の取り組み」と述べました。 

続いて、中里研哉事務局長が今回のキャラバンについて、「皆さんのご支援で大成功を収めることができた」「わずか40日ほどで6,000筆を超えるじん肺根絶署名が集まった」「特に大半を集約した平和運動センター、長崎地区、佐世保地区労に感謝したい」と報告しました。

 

いよいよ、健友会上戸町病院三島一幸院長(上の写真)の講演に入りました。三島院長は、地元長崎の小学校、中学校、長崎南高、長崎大学医学部を卒業して長崎民医連に就職して医師として仕事をしていると自己紹介、そして、なぜ呼吸器内科を始めるようになったかのエピソードを語りました。その中でじん肺診察に携わっていた元キャラバン実行委員会の代表世話人であった山下兼彦医師(下の写真)や上尾真一医師から影響を受けたと述べられました。

「じん肺・アスベスト関連疾患」と題した講演は、じん肺がなぜ起きるかというお話から、珪肺、石綿肺、溶接工肺など吸引した鉱物によってそれぞれのじん肺名があること、じん肺アスベスト関連疾患であるにも関わらず見落とされてしまう疾患に「間質性肺炎」「COPD」「肺がん」「悪性中皮腫」などがあり、十分注意する必要性を訴えられました。特に「間質性肺炎は『職業上や生活上での粉じんの慢性的な吸入』で起きるのは『じん肺症』と呼ばれます」と分かりやすく説明されました。

原因などがわからない間質性肺炎は「特発性間質性肺炎」と呼ばれるが、じん肺のような原因のはっきりしている間質性肺炎は、じん肺そのものであると繰り返されました。

COPDとじん肺の関係では、「(当時の喫煙習慣が高い時代の背景から)粉じん暴露者のほとんどが喫煙歴があり粉じん暴露との因果関係が認められにくい」「粉じんの種類によっては繊維化が軽度で局所気腫形成を特徴とするものがあるが、結果としてじん肺の粒状影が消失する」と述べられました。

最後に、悪性中皮腫患者さんの症例を報告されました。患者は、最初アスベスト曝露歴の十分な聞き取りができなかったものの検査技師の長年の経験から複数の検査会社へ細胞診の検査を依頼し、ついに悪性中皮腫の確定診断でき、労災認定に結びつきました。

三島先生の分かりやすい講演に参加者も「大変良かった」と感想を述べていました。

事務局長からは、1123日に開催される「過労死シンポジウム」の案内があり、たくさんの参加で成功させようと呼びかけました。

 

 


第27回なくせじん肺キャラバン長崎県要請行動!

2016年10月21日 06時06分29秒 | トンネルじん肺

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長崎実行委員会による長崎県要請は、1013日に取り組まれ、実行委員会側から横山巖代表世話人以下30名が参加しました。

要請の冒頭、中里事務局長が、今年度の要請行動の中で、長崎市では石綿含有住居の石綿除去の為に1千万円を上限とした補助金制度が開始されたことなど、前進面が見られることを述べました。

しかし、要請に対する県の回答は、発注者責任も知らぬ顔とばかりの内容が続き、じん肺根絶を求める首長賛同署名についても「国に要請する立場にない」と一蹴ときたもので、参加者のフラストレーションも頂点に。中里事務局長と村里事務局次長から「じん肺根絶に対する知事の姿勢を問うている」「県の担当者として、じん肺患者数が全国でも23番目に多いということをどう考えているのか」と追及がありました。

しかし、それでも、「各企業がしっかり対策をして以降のじん肺患者は減っているのでは?」と根拠も示さない県の回答に終わり、参加者一同暗澹たる思いになりました。トンネルじん肺の根絶についても、県は8時間労働による積算・発注をしていると言うのみで、実際の労働がどうなっているかの把握はできていませんでした。

そうした県に対して、村里事務局次長が、かつての造船現場の同僚が、石綿被害によって発症から短期間でなくなるなど、写真も示しながらじん肺の苦しさを説明しました。横山代表世話人(じん肺弁護団)が、じん肺・石綿被害については「労災ではない」と造船工業会が言い放ったエピソードも紹介しながら、「企業任せにするのは危険だ。行政として積極的な行動が求められている」と締めくくりました。