【カトマンズ金子淳】ネパール中部で25日に起きた巨大地震で、ネパール政府の災害担当者は27日、死者が3218人、負傷者も6500人以上に上ったと明らかにした。
AFP通信が伝えた。
インドや中国など周辺国も含めた死者は約3300人となった。
また、地元紙ヒマラヤン・タイムズ(電子版)によると、ネパール政府当局者は死者数が8000人を超える可能性があるとの見方を示しており、死者数はさらに増える見込み。
一方、地震で雪崩が発生し、少なくとも17人が死亡した世界最高峰エベレスト(8848メートル)のベースキャンプ付近など高地では数百人が取り残され、救助を待っているという。
ヒマラヤ山脈のふもとに広がる小国ネパールで、国際空港はカトマンズの「トリブバン国際空港」のみ。
他の空港は国内線の小型機しか発着できない。
トリブバン国際空港は相次ぐ余震で断続的に閉鎖されているうえ、発着を待つ便で混雑。
空港ホームページによると、27日朝も到着便は「キャンセル」や「遅延」が相次いでいる。
このため、各国から民間機でカトマンズを目指す緊急援助隊の中には、経由地で足止めされるなどして現地入りできない隊もある。
世界保健機関(WHO)によると、ネパールは人口1万人当たり、ベッドは50床、医者も2.1人しかいない。
ロイター通信によると、カトマンズ市内の病院は建物の外まで数百人のけが人であふれかえり、治療が追いついていない。
病院の担当者は「地震はこの国の緊急時の病院インフラのもろさを露呈させた」と語った。
また、険しい山々に阻まれ、救出活動は難航している。
震源地に近いゴルカ地区の当局者は、各地で地滑りが発生し、山道で被災地を目指す救援隊が到着できないと語った。
また、国際支援団体の担当者も地滑りの影響で孤立化した村が200~300はあると指摘し、多くの人が生き埋めになっている可能性に言及した。