Mr.コンティのRising JAPAN

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なでしこ戴冠 !! 素晴らしき日本女性よ五輪も金で二冠達成だ!!  Japan 2-2 ( PK 3-1 ) USA 17 July

2011-07-24 | FIFA Women's World Cup
なでしこが世界女王の座に就いて1週間が経った。日本列島はなでしこフィーバー。3月に襲った大震災と津波以降閉塞感から解放されない日本に素晴らしいニュースを齎してくれている。彼女達の快挙に勇気付けられたと語る被災者の方々の声も…
佐々木監督が“日本からの声援が力になった。”と試合語っておられたが力を貰ったのはテレビを見ている側だと思う。
日本時間18日早朝からの生中継が終わり、何故かとてつもない疲労感と虚脱感と安堵感に包まれこの試合のDVDを再び見る事が出来たのは約1週間経ってからだった。そして今日もテレビはなでしこ達を映し続けている…..

スウェーデンを降して決勝戦進出を決めた翌日に行われた準決勝戦のもう1試合でアメリカがフランスを降し決勝戦の日米対決が決まった。 あぁ…アメリカか…1次リーグ最終戦でスウェーデンに敗れた為決勝戦までアメリカとは当たなくて済むと思ったけど(その前にドイツとの対戦があったが。)やっぱりアメリカが来たか…と思った。北京五輪では1次リーグと準決勝戦で2連敗。それでなくても過去24回対戦して未勝利。アメリカこそ世界の女子サッカーを牽引していた国。五輪は2連覇中。ワールドカップは1991年と1999年大会に優勝しており前回、前々回は3位。だからそろそろ優勝する“順番”かな..と思っていた。
ただ今大会は北中米地区予選でカナダ、メキシコに次いで3位となり欧州大陸予選5位のイタリアとの大陸間プレーオフを制してようやく6大会連続のワールドカップ出場を決めた。 1次リーグでもスウェーデンに敗れる等今一の評価だった。準々決勝のブラジル戦ではリードを許し延長ロスタイムで Abby Wambach のゴールで追い付きPK戦の末勝利を収め準決勝のフランス戦でも結果は 3-1 であったが試合内容はフランスの方が良いゲーム運びであった。
日本はドイツを破っているのでこのアメリカ戦は過去の日米対決よりはチャンスありと胸算用していいた。

試合中継のあった日本時間の7月18日は海の日で祝日だったがもし祝日でなくても私は会社をやすんでまでこの試合をテレビ観戦したと思う。 
注目のスタメン。日本は川澄、安藤の2トップでスウェーデン戦と同じスタメン。アメリカはフランス戦スタメンだった Amy Rodrigez ではなく Megan Rapino を起用し2列目右に置いた。おそらく 163cm のRodrigez よりも Rapino の上背170cmを生かしたかったのだろう。アメリカはCBの Rachel Buehler 164cm, 大ベテランChristie Rampone が168cm とスウェーデン、ドイツと比較すると“小柄”であるが前線の FW Wambach 181cm をはじめ上述した Rapino, Lauren Cheney 173cm そしてボランチ Carli Lloyd 172cm、Shannou Boxx 173cm と中盤より前に長身選手を並べた布陣。 
北京五輪準決勝の日本戦にはGK Solo, DF Rampone, MF Boxx, O’Reilly, Lloyd, FW Cheney ら 6選手が出場していた。
Wambach は北京五輪直前のブラジルとの親善試合で脚を骨折し北京五輪はプレー出来なかったが Wambach 抜きでも優勝したのか…と思った。



なでしこは澤をはじめ安藤、大野、宮間、阪口、近賀そして岩清水が北京五輪準決勝戦出場経験者。他に永里そして丸山が交替出場をしており海堀は控えGkだった。
監督も Pia Sundhage , 佐々木則夫 共に同じ監督が引き続き指揮をとっており、お互いに手の内を知っている….と思った。

試合前のセレモニーが終わっていよいよキックオフ。こういう試合まで我が代表が残っているなんてと感慨にふけりそうになた。
なでしこのキックオフで始まった決勝戦は開始早々に Rapinoのロングフィードに走り込んだ Cheney が岩清水を振り切りシュートに持ち込んだのを火ぶたにアメリカの猛攻が始まる。そのシュートはCKとなりそこから Wambach がヘッドで狙う。1分39秒には Boxx がドリブルシュート。 7分56秒、右サイド Boxx から Rapino に渡り近賀と競りながら Wambach に送られ岩清水と競りながらミドルを放つがバーの上に越えてくれた。8分56秒には Cheney, Lloyd と渡りまたも Wambach が熊谷がマークに入る前にミドルを撃つ。11分38秒, 16分37秒には連続して Rapinoe に危ないシュートを撃たれる。後に撃たれたシュートはポストに当たった。 アメリカは Rapinoe ( 左 ) O’Reilly ( 右 ) がそれぞれワイドに開きボランチの Lloyd, Boxx が前にどんどん出て来る。そしてDFラインの押し上げも早く前後をコンパクトに保ち常に数的優位を創る。
セットプレー、特にCKでは 181cm のWambach にボールが飛ぶと 171cm の熊谷をはじめ3人くらいで止めにかからねばならない。
なでしこは横パスは繋がるが縦パスが入らない。そしてマイボールになるとそこに数人のアメリカ選手がすぐに寄って来る。特に澤に対するマークは厳しい。 28分4秒、近賀から安藤に通そうとしたパスがカットされカウンター攻撃に移られ一旦は岩清水が Cheney を止めたがこぼれ球を Wambach に拾われ放たれたシュートは海堀を破った。しかし弾道はクロスバーを直撃してくれた。
劣勢のなでしこは21分30秒に大野がミドルを放ったのが最初のシュートらしいシュート。だが立ち上がりからのアメリカの攻撃を何とか凌ぎ続け30分には右サイドでルーズボールを拾った大野が川澄に送り安藤に絶妙のスルーパスを送るがここはGK Hope Solo がキャッチ。 Solo は36分48秒に阪口から DF の背後に回った安藤に送ったミドルパスを判断良く前に出て掴む等さすが代表歴101試合というところを見せた。
この日のアメリカのスタメンンの中で代表歴が100試合を越えたは GK Solo の他に FW Wambach ( 163 試合 ) MF O’Reilly ( 149 試合 ) ボランチ Lloyd ( 117 試合 ) Boxx ( 151 試合 ) そしてCBの Ramponic 主将が何と241試合とベテラン揃い。
しかし立ち上がりからの猛攻にの関わらずこれまで負けた事の無かったなでしこ相手にゴールを奪えず逆に35分を過ぎてからなでしこの方がボールを回すようになったという経過に終了前には Kriger が澤を , Cheney が岩清水を連続してファールで倒すなどかなりフラストレーションが溜まった様だった。    
なでしこは前半ロスタイムに近賀がこの試合初めてオーバーラップを見せる等無得点に終わったが後半は何とか期待出来そうな前半の終わり方だった。

後半に入りアメリカベンチは Cheney を下げて準決勝のフランス戦でダメ押しの3点目を決めた Alex Morgan を投入し1トップの Wambach の後方、トップ下に置いた。 Morgan はこれで今大会コロンビア戦を除く全ての試合に途中出場を果たした事になった。その Morgan は47分に早速仕事をする。右サイド O’Reilly がスローインを Wambach に当てて返して貰い鮫島をかわして入れたクロスに Morgan がネアーサイドに走り込みシュートを放つとポストを直撃する。こぼれ球に Wanbach が突進するがその前に澤がクリアー。 後半開始早々の危ないシーンだった。51分澤と競りながらボランチの Lloyd が放ったドリブルシュートがサイドネットを直撃。その直後には大野のドリブルをストップした Rapinoe が前線に送ると Wambach が熊谷と競りながらシュートに持ち込むがゴールインには至らない。
アメリカは攻守の切り替えが早く後半に入り Krieger ( 右 ) と Le Peilbet ( 左 ) の両サイドバックが高い位置を取り始めた。なでしこも近賀が上がって来る様になったのだけど….
63分にはまたも Wambach が CB Buehler のクロスにヘッドで合わせる。ここは海堀が後方に上手く飛んでクリアーしたが何とかWambach は止められないか…と思う。
劣勢のなでしこは66分安藤、大野に替えて永里、丸山を投入し2トップに置く。そして川澄を2列目右に置く。 前線で永里を起点にする為だろう…と思ったが、遂にアメリカが均衡を破ってしまう。
永里がアメリカゴール前にドリブルで持ち込むが複数のアメリカ選手達に取り囲まれ奪われる。そして Rapinoe が前線に大きくフィードするとバウンドを利用して Morgan が上手く熊谷の前を遮りながら左斜め前に走り込みフリーで放ったミドルが海堀の守るゴールの右下のネットに吸い込まれ攻勢を続けていたアメリカが先制ゴールを挙げた。後半から出来ていいたとはいえ元短距離選手だった Morgan の俊足にやられた。 Morgan は長髪でなかなか可愛らしいと思っていたけどここは要らん事をしてくれたなぁ…と思った。 



先制ゴールを喫したなでしこは澤が高い位置を取る。そして両サイドバック(右、近賀。左、鮫島) が上がって来る。前に出なければならなくなっていたのだ。 そしていつ3人目、恐らく岩渕であろう、が投入されるのだろう…と思った。
早い時間に同点にしないと試合巧者のアメリカは自軍ゴール前に幾つも鍵をかけて来る。早いうちに…と思っていると81分、川澄からボールを受けた永里が右サイドを上がり低い弾道のクロスをアメリカゴール前に送る。そこに Buehler と丸山が縺れ込みボールがこぼれる。一旦は先に立ちあがった Buehler が蹴り出すとそこに戻った Kriger に当たり走り込んだ宮間の前に。宮間は落ち着いて左足のアウトステップで Solo の守るゴールに押し込みなでしこが遂に同点に追い付いた。 
相手PA内での素晴らしい粘りであった。 



残り試合は10分程度。両チームとも延長戦は避けたかっただろう。お互いに次の1点を目指す。アメリカは Wambach を前線に残しロングボールを放り込む。なでしこはサイド攻撃が顕著に。 89分には近賀が右サイドを抉りライナーのクロスを入れるが僅かに走り込んだ丸山に合わない。リプレーを見ると Kriger がユニフォームを引っ張っている。 
アメリカもロスタイムに入り波状攻撃を見せるがなでしこも必死の守り。そして2分あったロスタイムも過ぎ試合は延長戦に突入した。 

延長に入ると有利なのはなでしこだと思った。準決勝戦から間隔が1日長くしかも準決勝戦もフランクフルトで試合をしており移動も無い。先にリードすれば….と期待するが現実は甘くは無い。
開始からアメリカがエンジンを入れ直したかのごとくロングボールを多用して攻勢に出る。攻撃の中心となっているのは Wambach と Morgan 。94分54秒には Wambach からのボールを受けた Morgan が岩清水、熊谷のマークを受けながらもシュートに持ち込み99分7秒には Lloyd からのボールを受けた O’Reilly がドリブルで上がり鮫島、澤のマークを引きつけ中の Lloyd に送るが熊谷がタイトにマークに着いてシュートを撃たせない。ただなでしこ達も脚が止まって来たか中盤でドリブルに入られてもなかなか当たりに行けなくなって来た。
そして104分なでしこPA内に侵入を許すが外にクリアーする。だがそのボールを拾われ再び左サイドから Morgan にクロスを上げれれるとフリーで構えていた Wambach か頭で押し込み再びアメリカにリードをもたらした。



それまで上手くマークに着いていた熊谷だったが、そのマークを外す為に後ろにポジションをずらした Wambach の位置取りが良かった。 残り試合は15分強。この時点で多くの合衆国国民がアメリカの優勝が決まったと思っただろう。



延長後半に入るとアメリカは脚の早い Morgan を1トップにして Wambach は2列目に下がった。そして前線から当たらずゆっくりと左右一杯にボールを回す様になった。 何とか追い付きたいなでしこは108分54秒澤からボールを受けた川澄が上がりそこから丸山に繋ぎシュートを撃つがクロスバーを越える。 
111分35秒、左サイド宮間が上げたクロスに川澄と澤が飛び込むが当たらない。だが Lloyd と Buehler が交錯して右サイドにボールがこぼれたところを近賀が拾って逆サイドの永里に折り返す。永里はフリーだったけど放ったヘッドは外れてしまった。
残り時間が10分を切った。なでしこベンチはいつ岩渕を入れるのだろう。あのマラドーナの様なドリブルでアメリカゴールに…これしかもう残されていないのに…と思うが….
113分アメリカベンチは Rapinoe を下げて Tobin Heath を投入する。岩渕はまだ入らないのだろうか….
114分38秒中盤の澤からロングフィードがアメリカゴール前に送られる。そこに近賀が走り込むバウンドを利用して GK Solo をかわすが少し弾み過ぎたか最後のステップが追い付かずベテラン Rampone 主将にクリアーされる。 先ほどの永里のヘッドにしろこのシーンにしろ…これでなでしこの運も尽きたか…と私は半ばあきらめに入った。
そしてピッチサイドにはようやく岩渕が現れた。 マラド~ナ とつぶやくが、ちょっと遅いンとちゃうか…とも思う。
だがここからドラマが始まった。ピッチ上では Solo と Boxx が倒れて動けない。さっきのプレーで交錯したらしい。治療の間宮間、阪口、澤がなにやら話している。そこに Wambach が近寄って来る。おそらく治療の為にもう少し待ってくれ…と声をかけたのだろう…そして116分ようやく宮間がCKをセットする。そしてニァーサイドに低い弾道で蹴ったボールがどう躍り上ったかそのままアメリカゴールに突き刺さった。



まさに起死回生。夢の様な同点ゴールだったけど決めたのは誰だろう?アメリカの選手に当たったか?と一瞬思ったが決めたのは澤だった。 CKに向かって走り込み慌ててマークに入った Buehler よりも一瞬早く出した右脚に当たって角度が変わってそのままゴールネットを揺さぶったのだった。 Solo は同じくマークに入った Lloyd とHeath が一瞬ブラインドになったのではないだろうか?? でもあんな角度からゴールを決めるなんてどんな技術を持っているんだろう?そしてこういう時間帯に。こういう場面で、こういう舞台で…と後に何十回とテレビで映し出されるシーンを見る度にそう思う様になった。
118分34秒、遂に岩渕が丸山に替って投入される。 よし、マラドーナ、ドリブル突破で3点目だ…と呟くがその直後アメリカは攻撃に転じて右サイドからのクロスに Wambach が岩清水を背負いながらダイレクトでシュートを放つが僅かにクロスバーを越えてくれて胸をなでおろす。120分を過ぎあとロスタイムは…と思い始めた時に中盤から Lloyd が前線にフィード。そこに Morgan がフリーで中央から走り込む。あぁやられる…と思うと岩清水が必死のタックルを入れて止める。そしてホイッスルが鳴る。あぁいやな位置で..と思うとドイツ人の Steinhaus 主審は何と岩清水に一発レッドを提示してしまう。おい嘘やろ?ボールやろ?と声をだしてしまう。



恐らく最後のワンプレーであろう。そこに Boxx, Kloyd, Rampone が集まる。 Steinhaus 主審は壁を下げさせる。 何とか凌いでくれよ..と思う中ゴール前に入った Wambach の足元にボールは入るが何とかクリアー。だがその前にオフサイドがあったらしく122分23秒 延長後半の終了のホイッスルが鳴り響いた……

PK 戦に入る前に円陣を組むなでしこ達。佐々木監督の表情をみると微笑んでいる。選手達も。こりゃぁ行けるぞこのPK…と期待をした。 そしてここからは海堀が主役だった。



アメリカ1人目 Boxx のPKを左に飛んで脚でストップすると2人目の Lloyd は上に大きく外す。3人目の Heath は右に倒れ込んでまたもストップ。 なでしこは最初の宮間がゆっくりと右下に決めると GK Solo は一歩も動けない。思わず“エンド~”と声が出る。2人目永里のPKは右に飛んだSolo に止められたが3人目阪口は左隅に蹴り込む。Solo は動きを読んでいたのでちょっとアブなかったが…そして続くアメリカ4人目 Wambach は失敗すれば終わりなのだけどほぼ中央にライナーで蹴り込み執念を見せる。そしてなでしこ4人目の熊谷は前に出て威嚇する Solo を無視してやや右にライナーで蹴り込んで激戦に終止符を打った。

テレビ画面に映っている映像が本物だろうか…としばらく信じられなかった。 
表彰式に主役になっているなでしこ達を見て、これまでワールドカップでは他国が優勝した時の表彰式しか見た事がなかったが今は我が日本代表が表彰されているのだ…と思うと女子サッカーの積み重ねて来た事を思い出した。
1990年アジア大会ではベスト8止まりの男子に対してメダルを獲得し1991年男子より先にワールドカップの出場権を勝ち取り北京五輪では準決勝に進出。昨年のアジア大会では金メダル。なのにマスコミや“サッカージャーナリスト”達は彼女を知らない。
なでしこリーグの存在すら知らせない。 
北京五輪での女子ソフトボール金メダルに続いて今度は女子サッカーがアメリカの牙城を切り崩した。

何と素晴らしき日本女性…

連日のなでしこ報道が続くが9月には中国でロンドン五輪予選が開催される。また中国かよ???? アジアからの出場枠は僅かに2カ国のみ。 是非とも出場権を手に入れ五輪金メダルを勝ち取り2冠達成を実現して欲しい。

そして今の思いは…. 早くなでしこリーグを観に行きたい…….




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