CompTIA Network+とは(4)

2008-03-25 23:57:55 | Network+
今日からオフィスのミーティングルームでは、CompTIA Convergence+のCountry Review(現場実務者の皆様による日本語訳の精査)が実施されています。Convergence+は、6月あたりの日本語配信スタートを予定しています。機会を見てブログでもご案内を致しますので、楽しみにしていてくださいね。
また、先週21日にビジネス・コミュニケーション・スキル診断(BCSA)のベータテストが終了致しました。期末の忙しい中150名強の皆様が実際に受けて頂き、多くのコメントを残していただきました。ご協力誠に有難うございました。テスト結果とコメントを参考に最終精査に移り、GW前後にはお披露目ができれば、と思っています。こちらも進捗を随時ご報告致します。

さて、前回まではCompTIA Network+の特徴を出題範囲から探っていきましたが、今日はNetwork+を取得することで具体的にどのような効果があるのか、ご案内したいと思います。
“Measuring the value of CompTIA Certification”という米国本部での取得者の皆様に対する調査結果によりますと、常勤で対応できるPC(ネットワーク上にある)のサポート台数が、Network+の取得率の高い組織では264台、低い組織では181台という結果が出ています。多くのネットワークトラブルなどを迅速に対応できるということです。また、月別の平均仕事量に対し、取得率の高い組織では1.89人、取得率の低い組織では2.77人を費やす結果が出ていまして、生産性の向上に効果があることが分かります。生産性が上がり、費やす人が少なくなりますので、人件費の削減につながり、面白いことに離職率の改善にも効果がある結果がでています。仕事の充実が影響していることがうかがえる内容だと思います。
この調査結果は、こちらでご案内していますので、よろしければご参照下さい。

また、こちらでは、米国のHal-Comというサービスプロバイダの調査の要約ですが、Network+を初めとする認定資格の取得による費用対効果をご案内しています。トレーニングや受験は先行投資になりますが、離職率や顧客回転率、生産性だけでなく、純利益として結果が表れています。

上記の元ネタの当局ホームページ「リサーチ&コラム」には、色々な調査結果やインタビューが掲載されていますので、よろしければ一度ご覧下さい。

CompTIA Network+とは(3)

2008-03-18 23:18:16 | Network+
先週の土曜日、三浦マラソン後2週間ぶりに走ったのですが、壊した左膝をかばって走っていたのか、今度は右膝を壊してしまいました。調べたところ、どうも「ランナー膝」という症状らしく、シューズや筋力、膝の柔軟性など様々な原因が重なって起こる痛みのようです。まずはシューズと思い、早速あるスポーツ用品店に行きましたら、対応頂いた店員さんがランナー膝の経験者で、店員さんが今使っているものと同じシューズを薦めて頂き、またストレッチやアイシングの仕方など丁寧に教えて頂きました。「顧客の環境を理解し、改善提案」してくれました。迷いなくこの店員さんから買いましたよ。

さて前回は、CompTIA Network+はお客様の環境が基準となり、ネットワークに関する様々な知識の「根拠」が問われることをご案内しました。前回はケーブルを例に挙げましたが、もっと分かりやすいのがサーバーOSです。UNIXやLinux、Windows、MacOS、そしてNetwareまで、様々なお客様の環境を想定し、それらの基本的性能や、ある局面での設定、トラブルシューティングなどが問われます。様々なOSの混在環境は存在しますし、業界的に好まれるOSもあります。様々なお客様の環境を考慮した定義と考えます。

Network+の2つ目の特徴としては、実践的であること。もちろん他のCompTIA認定資格も実践的なのですが、Network+は出題範囲でそれが明確に分かります。出題範囲の1ページ目に各分野の出題比率が出ていますが、「第3章 ネットワークの実行」「第4章 ネットワークサポート」で60%を占めます。つまり、半分以上が知識問題ではなく、構築、運用現場を想定しての出題ということが分かります。
第3章、第4章で顕著に「ある××シナリオを想定した場合の・・・について」という文言が増えます。これは「ネットワークの構築や運用などのある局面が問題として設定され、そのベストプラクティスを答えましょう」という意味で、経験が問われてくるところです。様々な局面が出題されますが、培った知識や行動の根拠がブレなければ、ベストプラクティスが導ける、という観点で出題されると、捉えてください。

当局のホームページで、Network+を満点で合格された富士ゼロックス東京の神埼さんがインタビューで登場しています。神崎さんは、サービス業務を10年以上経験されていらっしゃり、会社の必須資格の選定のためNetwork+を評価受験されたそうです。テキストで知識の整理をされたくらいで、受験の為の勉強をせずに得た結果だそうです。Network+は、実務3年までには持つべきスキルと評価頂き、現在サービス職の中堅層の皆様を対象とした必須資格として選定を頂いています。

CompTIA Network+とは(2)

2008-03-11 23:37:26 | Network+
21日まで、ビジネス・コミュニケーション・スキル診断(BCSA)のベータテストを行っています。先月の事前申込で約300名の皆様にご参加頂き、テストを受けて頂いています。
CompTIA認定資格でも本配信の前にベータテストがあります。目的は合否ラインの確定や問題の正当性の分析などですが、BCSAのベータテストも問題の正当性の分析が目的です。ですので、まだ正式な問題として決まっているわけではなく、ベータテストを通過してはじめて、認められます。
テスト終了後アンケートも取っているのですが、いくつかの共通する見解を頂いています。問題の正答率や細かなデータを参考に、改めて精査、場合によってはアンケートのご意見をもとに再作成などを行うのですが、テスト途中である現在のデータを見ても、頂いている見解の根拠となるデータが驚くほど明確に出てきています。
作問委員の皆様は全員でも11名ですが、11名の目線で気づかなくても、300名の皆様の目線で気づくものがあります。信頼ある問題づくりにこのベータテストの存在は大きいと改めて実感しています。
テスト問題以外の見解も頂いていますが、できるだけ本診断に反映できるよう検討致します。

さて、Network+の続きです。前回は、「お客様の環境が基準」というところで終わっていました。
CompTIA認定資格は、様々なお客様の環境を把握し、最適な環境へ導く能力が問われます。ですので、お客様の環境で想定されるものについては、一通り知識を問われてきます。出題範囲をご覧頂きたいのですが、例えば第1章の「メディアとトポロジー」をご覧下さい。ケーブル1つとりましても10Base-TからGBase、光ケーブルなどの用途や特徴が問われます。10Baseなんて今更・・、という方もいらっしゃると思いますが、あくまで「お客様の環境が基準」です。レガシー環境ではまだまだ10Baseは活躍してますし、例えばレガシーとの融合を考えていく場合、その環境を理解してこそ、“お客様にとっての”最適な環境につなげられる訳です。また、ルータやスイッチなど様々なネットワークコンポーネントや、技術の用途や特徴を聞いてきます。これら“用途や特徴”を聞くのには、お客様の環境を理解する上でのネットワークに関する様々な知識の「根拠」を聞く目的があります。
CompTIA認定資格をご利用頂いている理由のひとつに、この知識の「根拠」を第3者機関が評価する点を挙げていただく事があります。技術進歩が早いITの世界では、見落としがちになる基礎となるところと思います。度々ご案内していますが、当資格は、当局員が作成するのではなく、第一線で働く皆様により作成されています。基礎のない家がもろいように、この点はまずは押さえておきたいということではないでしょうか。
次回も出題範囲から、Network+の特徴をご案内します。

CompTIA Network+とは(1)

2008-03-04 10:44:42 | Network+
この間の日曜日、三浦マラソンを走ってきました。初めてのハーフマラソンで、色々な事態に見舞われましたが、何とか完走できました。16km地点までは1km5分~5分半のペースでとても気持ちよく走れました。が、その後急に両足がケイレンを始め、歩幅を狭めてキックも少なめに走っていたら、今度は膝を壊しまして・・。残り4kmはとても痛々しい走り方をしていたと思います。タイムは、ネットタイム(自分がスタートラインを過ぎてからのタイム)で2時間1分。前半の貯金を残り4kmで一気に使い果たし、2時間を切ることができませんでした。
トレーニングでも1時間半走までだったので、16km以降は未知の体験。しっかりと走れる体を作ってから、チャレンジすることを思い知らされました。
でも、多くの皆さんと走ること、時折余裕があるとき(ずっとは無理でした)に見た景色の気持ち良さに、また走りたい!という気分でいます。14km付近にトンネルを通るのですが、トンネル内で響きあうランナーの足音が忘れられません(このときは元気でした)。

さて、前回の予告どおり、CompTIA Network+をこれから紹介していこうと思います。Network+は、世界でも日本でもA+に次いで受験頂いている資格です。1999年からスタートし、18万人以上の認定者がいらっしゃいます。
日本ではA+とNetwork+をセットで、新人教育や現場教育でご利用頂くことがほとんどで、クライアント、ネットワーク環境は各業務で共通とされ、その後、Server+やSecurity+といった、より職務に近い資格の取得に向かうステップが見受けられます。
CompTIA認定資格は、“一人前”としての指標を各社が集まって作成されますが、Network+はネットワークの導入・構築、サービスを9ヶ月程度経験する方が持つべきスキルを評価するものとして作成されています。Network+の必要性を掲げ、作成に関する発言権を持つ試験作成委員会には、CiscoさんやIBMさん、MicrosoftさんやRicohさんなどが参加されています。
ベンダー資格でもネットワーク系の資格は多くありますが、「お客様の環境が基準となって最適なネットワーク環境を提供、サービスできる能力を問う」という意味では、Network+が唯一の資格といえると思います。
次回は「お客様の環境が基準」という点が分かる、出題範囲での特徴をご案内します。