COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

規制のゆるいアジアを狙う国際タバコ産業を描いたドキュメンタリー

2012-07-02 00:25:03 | Weblog

にほんブログ村 環境ブログへ
まえがき
 昨年10月、インドネシアのタバコ問題と日本の原発問題の奇妙な類似性という記事を掲載しました。きっかけは、その約1年前に動画サイトに投稿されて世界中の注目を集めた2歳のインドネシアの少年(アルディ君)との対面を兼ねて、アメリカABC放送の記者がインドネシアを取材に訪れた報道(2011年9月29日、NHK BS1ワールドWaveトゥナイトの枠内で紹介)を視聴したことでした。短時間でしたが、インドネシアの子供達の置かれた状況や、海外タバコ産業が巧みに策を弄して人々の生活に深く浸透し、政治の場にも色濃い影響を及ぼしている状況がよくわかりました。タバコ産業がインドネシアで行ってきたことが、反核アレルギーの強い日本に原子力平和利用を掲げて原発導入が推進された経緯と類似性があるように思われたので記事にした次第でした。

番組について
 7月4日 00:00-00:50(24時間表記)にBS1で放送のBS世界のドキュメンタリー<シリーズ 調査報道>「アジアを狙う国際タバコ産業」(原題:Sex Lies and Cigarettes。制作:2011年アメリカCurrent TV 制作)では、タバコ規制のゆるいインドネシアで国際タバコ産業が展開する販売戦略がより詳しく描かれます。ニューヨークではタバコ1箱が12ドル。広告も制限されタバコの売り上げは減少の一途をたどる中、フィリップモリス社など大手企業はタバコに関する制限が無いインドネシアに照準を合わせ、かつてアメリカで繰り広げたのと同じ手法でタバコ文化を広めようとしています。町には若者向けのタバコ広告があふれ、タバコ企業が主催するラップのコンサートが連日開催されています。ニコチンに常習性があることもまだインドネシアでは認められていません。子ども時代にタバコを覚えさせれば売り上げを確保できるという思惑か、小学校の校門前にタバコを売る屋台が店を開き、小学生が公然とタバコを買い、ふかしています。取材班は、命の危険を感じながら反タバコ運動を行っているNGO関係者と同行し、アメリカでは禁止されている活動がインドネシアで公然と行われている不条理を明らかにします。

あとがき
 資本主義社会で、成長と利潤を目指す企業は、規制の緩やかな地域での活動を活発化します。タバコの健康被害が叫ばれ、販売規制が強化されつつあるアメリカ本国での収益の見通しがおぼつかなくなったタバコ産業が、規制が非常に緩やかなインドネシアを目指すのは企業体として自然のなりゆきとはいえ、社会正義の観点から容認されるものではありません。7月1日、日本では大飯原発3号機が再稼動されましたが、安全性への懸念と使用済み核燃料最終処分法のない状況での原発依存に強い疑義が呈され、国内に新たな原発の建設は難しい状況です。着工が見込める国への原発輸出は、関係企業の成長と利潤追求のためとはいえ、原発の内包する潜在的危険性から目を逸らした動きに見えてなりません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 17日夜のETV特集「核燃料サイ... | トップ | 「ニューロマーケティング~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事