なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

ラビットフード

2024年04月23日 | 仕事
は、では、何のためにあるのか?
 これ、結構不思議で、以前栄養分析等調べてみたことがある。分かってきたのは、やはり「家畜として効率よくパパっと成長して肉になったり毛皮になってほしい」が目的だったみたいです、元来。
 この件は、家畜草食獣全般の食餌について中心的な考え方で、例えば牛にも本来必要ない高栄養の濃厚飼料を与えないと乳質や肉質を保てない、そうすると今度は胃消化管の不健康を招く、という矛盾した現象が起きている。まあ、健康を害した時点で屠畜、という解決策(問題だあという話も出てはいますけどね)でオシマイにできるけど、ペットとなると、そうはいきませんわね。

 ラビットフードにはもう一つ大きな問題がある。「歯をろくに使わずに食べ込めてしまう形状」ですね。
 これはドッグフードやキャットフードも同じで、犬や猫はろくに噛まずに飲み込んでいる事が多い。これは別に問題ない、その理由は、犬猫の歯は、「噛み砕く」能力がないから。飲み込んだって、フードは胃の中でうまい具合にふやけて消化しやすくなってくれる。
 しかーし、ウサギは、本来歯を徹底的に使って硬い草を噛み切り、さらに咀嚼して食べる生き物。使いまくるから、歯が生涯伸び続ける仕様になっている。ラビットフードはしかし、前歯でちょこっとつまんでテキトーに噛んでそのままゴックンしてOKなんです。動物はすぐ「楽ちん」に走る性質があるから、この食べ方になじんでしまうのも早い。で、歯が伸び過ぎたり、咬み合わせがずれたり、ろくな結果にならない。
 これを抑制するために木を齧らせましょう、と齧り木なんかも売ってますが、ガジガチ齧って木片を食べ込むと、今度はそれが胃炎の原因になる。ダメじゃ~~~~ん。こういう齧り木って、歯をまんべんなく使うことができないしね、結局歯の異常につながってしまう。
 ってことで、ラビットフードは、与えるにしてもせいぜいおやつ程度にしときましょう。となってしまうんです。
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