第一話
『華麗でゴージャス!!
日本の美・歌舞伎界のイケメン御曹司が贈る胸キュン・三角関係!!
そして400年の伝統を背負う父と子
―いつか父を越えてみせる!!』
「歌舞伎。
それは江戸時代に大成し現代へと受け継がれてきた、
日本を代表する伝統芸能でございます。
音楽、舞踊、演技、
この三つの要素が融合した舞台で繰り広げられますのは、
男女の恋や親子の情愛、
また怒りや憎しみの感情が生み出す悲劇など、
いつの世も変わらぬ人間ドラマでございます。
こちらの演目は演じておりますのは
木嶋屋の御曹司、河村恭之助。
築き上げられた伝統を次の時代へと引き継ぐために、
役者たちは日々精進し、互いに切磋琢磨しております。
一部の例外もおりますが、
男らしさと憎みきれない色気を併せ持つ二枚目の役柄を、
この歌舞伎の世界では『ぴんとこな』と申します。
これから始まりますお話は、若き二人の歌舞伎役者が、
ある時は芸を競い合い、またある時は恋のライバルとして
熱く激しく火花を散らす物語。
どうぞ心ゆくまでご堪能下さいませ。」
舞台に立っていた恭之助。
歌舞伎界の御曹司ともあり女性に大人気。
しかし本人はあまりやる気がない。
父も少々ガッカリの様子で・・・
舞台の後、父と廊下でバッタリ会った恭之助は、
友達を待たせてるとさっさとその場から逃げようとする。
その時、一弥が恭之助に声をかけた。
「恭之助さん。 お疲れ様でした。」
「ごめん。 誰だっけ?」
「澤山一弥と申します。」
「あっ、そう。 お疲れ~。」
去って行く恭之助の姿を見つめる一弥。
外へ出ると沢山の女性ファンが恭之助を出待ちしていた。
待っていた春彦は呟く。
「相変わらず凄い人気だな。」
そこに出て来たあやめ。
あやめが自分と同じ高校の制服を着てたので、
制服でアピールかと声をかけ肩を抱く恭之助。
するとあやめがいきなり恭之助を投げ飛ばした。
「最低!! なんなのよ!
あの寝ぼけた猫みたいな鏡獅子は。
大好きな演目だからメチャメチャ楽しみにしてたのに。
必死にバイトしてチケット買ったのに。
あんなの鏡獅子じゃない。
金返せ!! 時間返せ!!
舞台の真ん中立つんだったら本気でやれ!!
客舐めんな、バカ野郎!!」
恭之助は呆然・・・
怒って帰って行くあやめ。
あやめは立ち止まり、写真を取り出す。
子供の頃の写真で、
一緒に写ってるのは歌舞伎役者の格好をした子。
「ヒロくん・・・」
ヒロくんは一弥だった。
一弥は客席から舞台を見つめていた。
そんな一弥に帰るぞと声をかける梢平。
「あんな踊りでファンが大喜びすんだから御曹司様は楽で羨ましいよ。
俺たち養成所上がりは台詞一つもらうのにも必死だってのに。
このちっぽけな劇場でさえあの舞台の真ん中に立てんのは一握り。
ましてやあの歌舞伎座で主役だなんて俺たちには夢のまた夢だ。」
「僕は行きますよ。」
「今まで辿り着いたヤツはいねえよ。」
「でも不可能じゃない。
いつの日か必ず僕は立ってみせる。
夢の舞台の真ん中に。」
その頃、恭之助は春彦と
女性ファンを引き連れてプールに行き遊んでいた。
「そろそろ家帰って今日の反省会しないと
また父さんに怒鳴られんじゃ?」
「そんなの明日でいいよ。 俺 御曹司だぞ。
舞台に出てさえいりゃ出来なんて関係ねえんだから。」
「そういうもん?」
「ああ。 どうせ俺の芸なんて誰も見ちゃいねえし。」
あやめに言われた言葉を思い出すが、結局遊ぶ恭之助。
帰宅すると当然父に怒られる。
舞台が終わったんだからいいだろと恭之助。
「ふざけるな!!
あんな情けない鏡獅子をお客様にお見せして恥ずかしくないのか?
こんな甘ったれた態度がいつまでも通用すると思うほど
お前もバカじゃなかろう。
大体、他に何の取り柄もないお前が
芸を磨かないでどうやって生きて行くつもりだ。」
「他に取り柄がない? そりゃそうだよ。
歌舞伎しかやらされてねえんだから。
好きでこの家に生まれた訳じゃねえし、
跡を継ぎたいって頼んだ覚えもない。
気づいた時にはもうこの道を歩かされてた。
他の選択肢なんてなかった。
大根だ、七光りだって叩かれて、
でもしょうがねえからしたくもねえのに稽古もしてきた。
なんで説教ばっかされなきゃいけねえんだ。
冗談じゃねえよ! 俺がやめてもいいのか?
御曹司がやめたなんてことになったら大変だぞ。 いいのかよ!!」
「バカ者!! 何をいつまでも子供じみたことを言ってるんだ。
お前はいつもそうだ。
向き合うべきことから目をそらし、自分で乗り越えようともせず、
上手くいかなければ人のせいにする。
これ以上、私を失望させるな。」
「出来の悪い息子で悪かったな。
けどこっちだってうんざりなんだ。
名門だかなんだか知らねえけど、
この家と面子守ることしか頭にねえ親父なんかうんざりなんだよ!!」
廊下で聞いていた家政婦のシズは、恭之助に注意する。
恭之助のためを思って言ってるのだと。
「俺じゃなくて歌舞伎だろ。
あの人は昔から家族のことなんてどうでもいいんだから。」
父はお腹が痛むよう。
シズが来て薬を飲むかと聞くがいいと言う。
子供の頃は恭之助も歌舞伎が好きと言い、
熱心に稽古してたのにとシズ。
「子供は背負ったものの大きさなど分かりませんからね。
長い歴史の中で、江戸の昔から
ご先祖が大事に積み上げてきた伝統を、
我々が潰す訳にはいかんのです。
あんなバカ息子一人の我が儘のせいで。」
恭之助の母親が危篤だった時、
父は舞台に穴は開けられない恭之助に母を頼む。
恭之助が一緒にいてと頼んだが、
舞台に穴は開けられないと父は舞台へ向かった。
恭之助と春彦は帰る時にあやめと遭遇。
恭之助はあやめに文句を言うが、
ホントのことだとあやめに色々指摘をされる。
面倒になった恭之助はその場を去ろうとした。
「あなたの芸はそうやって逃げてる芸。
あなたの芸には観る人の胸に響くもんなんて何もなかった。
あれじゃ、木嶋屋の看板が泣くよ。」
「うるせえよ。 なんでお前に
そこまで言われなきゃいけねえんだよ。」
「歌舞伎が大好きだから腹が立つのよ!
あんな鏡獅子ならヒロくんの方が絶対―」
「ヒロくん? なんだそれ。
好きな役者でもいんのかよ。」
「いるよ。 今は無名だけど絶対に凄い歌舞伎役者になるから。
河村くんなんかよりず~っと。」
恭之助が稽古に行くと完二郎がいた。
「来たな、サボリの常習犯。
今回はサボんなよ。 足引っ張ったら承知しねえぞ。」
可愛がられているよう。
すると稽古場に一弥もいた。
松吉も来て稽古が始まるが、ちゃんと稽古していなかった恭之助は
注意を受け何度もやり直しさせられる。
それを見ていた周りの者たちは、
御曹司ってだけで役がもらえていいなとか言いたい放題。
それを聞いていた一弥は「くだらない」と鼻で笑う。
恭之助は散々怒られ稽古が終わった。
一弥は恭之助に声をかけ、役をもらったと挨拶をする。
「確か鏡獅子の時、楽屋で挨拶してくれたよね。」
「はい。 恭之助さんの鏡獅子拝見しました。
でも、とてもガッカリしました。
子供の頃、歌舞伎座の舞台であなたを観たことがあるんです。
子供心に凄いと衝撃を受けたのを今でもよく覚えています。
だけど、今の恭之助さんには、正直何も感じません。
失礼します。」
一弥は松吉にお願いがあると申し出た。
「もう少しだけいい役をつけては頂けませんでしょうか?
無礼なことを言ってるのは充分分かっております。
ですがチャンスを頂きたいんです。 お願いします。」
「確かに君はいいものを持っている。」
「では―」
「分をわきまえなさい。
どんな世界にも秩序というものがある。
先代たちが築き上げてきたものを
我々は守らなければならないんだ。
地道に一歩ずつ努力しなさい。
勿論、それは君に限ったことではない。
名門の名跡を継ぐ者とて同じことだ。
家の名前でお客を呼べるほどこの世界は甘くないからな。」
一弥が外へ出ると優奈が待っていた。
迎えに来たとのこと。
その様子を見ていた恭之助と完二郎。
優奈は轟屋の娘だと完二郎。
「なるほどね。 今日のあいつ見ただろ。
松吉さんにあそこまで言うとは
何がなんでも上り詰めてやるっていう
執念ハンパじゃねえぞ!! お前。」
「それとあの子となんの関係が―」
「バカなのかな? 君はバカなのかな?
いいか、あの子は轟屋の一人娘だ。
轟屋には跡継ぎがいない。」
「そっか。 つまり―」
「彼女と結婚して婿養子に入れば、
養成所出身者の一弥でも轟屋の名跡を継げるって訳だ。」
「あいつが名跡継げたからって、
一流になれるとは限りませんよ。」
「勿論。 怖いのか? 一弥が。」
「怖い? そんな訳ないでしょ。
俺が本気出せばあんなやつ―」
「だったら早く本気出してくんないかな!!
俺もそう気の長い方じゃないんでね。
いつまでも足踏みしてる場合じゃねえぞ、恭之助。
お前だっていずれは歌舞伎座の舞台で主役張りてえんだろ。
みんな命懸けでそこ目指してんだ。 多分あいつもな。」
あやめは千晶とバイト後に食事。
千晶はあやめのファイルの写真を見せてもらう。
ヒロくんを歌舞伎に誘ったのは自分だから、
ずっと応援するって決めていると。
一弥という芸名をつけたのは自分だとあやめ。
そんなに思ってんなら会って話せばいいのにと千晶。
「今はまだ会いに行っちゃいけないの。
ヒロくんは夢に向かってる途中だから、
彼がいつか夢を叶えたら必ず会える日が来る。
だからその日まで私も頑張ろうって。
ヒロくんもきっとそう思ってくれてると思う。」
一弥は家に戻ると優奈の父・咲五郎に怒られる。
「もっといい役を欲しいと言ったそうだな。
出過ぎたマネをしおって。」
「申し訳ありませんでした。」
「でもその向上心が弘樹の強みでもあるわよね。」
「確かにそういう強い気持ちも大事だがな。
まあ焦るな。 いずれ必ずチャンスは来る。
この轟屋の行く末も含めて、
私も出来るだけのことはするつもりだ。」
「ありがとうございます。」
父やあやめ、そして一弥から言われた言葉を
思い出しながら歩いていた恭之助。
そこへ自転車であやめが向かって来る。
ブレーキがきかないようで・・・
恭之助が体であやめを止めるが、二人で倒れてしまう。
あやめが目を開けると、目の前に恭之助の顔が。
恭之助に声をかけるが反応がなく、腕には傷が。
慌てて駆け出して行くあやめ。
そのあやめの姿が目に入った恭之助。
「置き去りかよ。 いつだって結局俺はひとりなんだ。
必死でやっても背を向けられて。
いつだって独りぼっちで。」
ハンカチを額に当ててくれたあやめ。
恭之助は目を覚ます。
あやめは携帯を持ってなくて、公衆電話もなくて、
凄い時間がかかっちゃったと。
救急車を呼びに行ってくれてたよう。
「側ににいてくれ。 ひとりに しないでくれ。 頼む。」
「は、はい。」
あやめを抱きしめる恭之助。
恭之助が気づくと病院だった。
あやめがずっとついててくれた。
帰る時、恭之助はナデシコの押し花のしおりを見つける。
あやめの大事な物のよう。
「ホントにゴメンね。 舞台あるのに。」
「大丈夫だよ。
それにどうせ俺の芸なんか誰も見ちゃいねえし。」
「なんでそんなこと言うの? 何かあった?」
「俺のこと散々バカにしたやつに言われたくねえっつうの。」
「ゴメン。 でもみんなが
河村恭之助を見たくなる気持ちは分かった。
なんでいうか、河村くんには華がある。」
「華?」
「この人が本気で演じたら、
きっと凄いものになるんだろうなって思ったもん。
他の人にはマネ出来ない、河村恭之助にしかない華。」
「まあな。 そりゃなんてったって御曹司ですから。 なんだよ。」
「いや、河村くんって結構単純?」
「悪かったな。」
「河村くんは、必ず歌舞伎界を引っ張って行く人になるよ。」
恭之助はどうやら恋に落ちたよう。
家であやめの名前を叫ぶ恭之助。
父とシズに丸聞こえ。
「彼女ですかね?」
「さあ?」
「坊ちゃん、モテるのに一向に彼女が出来ないのよねえ。
奥手すぎるのもどうですかね。」
「奥手で結構。 今は稽古に集中してもらわないと。
この上、恋愛なんかされた日には益々胃が痛くなる。」
「でも私の勘では、あれは恋に飢えたオオカミの雄叫びです。」
翌日、俄然やる気の恭之助。
春彦に稽古に本腰入れると宣言。
あやめはカツアゲされてる場面に遭遇。
お金を渡そうとしていたのは優奈。
あやめが助けに入り、なんとか事なきを得た。
その頃、河村家を訪ねた一弥。
恭之助の父・世左衛門に稽古をつけてもらうために。
恭之助はあやめを待っていて、偶然を装い声をかける。
歌舞伎のチラシを見せ、もし来たかったらチケット取ってやると。
チラシに一弥の名前を見たあやめは行きたいと言う。
2人で話しながら帰っていたが、
あやめがバイトだからと行こうとした時、
必死で引きとめようとする恭之助は、
自分の家に稽古を見に来るかと誘う。
それに釣られたあやめ。
2人を後ろからずっと見ていた春彦。
「そういうことか。」
稽古を見てもらった一弥は、
忠臣蔵道行の主役である
お軽の芝居を見てもらいたいと願い出た。
それは完二郎がやる役だが、自分の今の力が知りたいと。
恭之助とあやめも家に到着。
稽古場に入ろうとした時、中で稽古をしていた一弥を見たあやめ。
「ヒロくん。」
出て行くあやめを追う恭之助。
一弥は平然としていた。
あやめを追いかけて腕を掴んだ恭之助。
「さっき、ヒロくんって言ったよな。
お前が言ってた好きな役者って一弥のことか?」
「うん。 本郷弘樹くん。
小学校の同級生なんだ。」
「ただの同級生にしちゃ派手なリアクションだな。
まさか初恋の相手とか?」
「まあ・・・」
「あっ、そうなんだ。 えっ、まさかまさか、
ずっと思い続けてるとかじゃねえよな?」
「まさか! ちょっとビックリしちゃっただけ。
小学校の時にね、約束したんだ。
一番の歌舞伎役者になるって。
まあ向こうはもうとっくに忘れてると思うけど。」
「でもお前は追っかけてんだろ?」
応援してるだけだと、やっぱバイト行くと行ってしまうあやめ。
家に戻った恭之助。
一弥も帰った後だった。
「なかなかだったよ。 一弥の芝居は。
お前と同じ年らしいが久し振りに楽しみな役者に出会った。
しかも完二郎がやる役をやってみせるとは大した野心家だ。
あの男ならいずれ大成するかもしれんな。
お前もくれぐれも精進しろよ、恭之助。」
あやめはナデシコの押し花を見つめる。
子供の頃、一番の歌舞伎役者になって
あやめを迎えに行くと言った一弥。
ナデシコの押し花の花は
一弥があやめに渡したものだった。
あやめを訪ねて教室に行った恭之助。
千晶に校門のところにいると言われる。
初恋の相手が会いに来てくれるかもしれないからとのこと。
恭之助はあやめのところへ行く。
そんなに会いたきゃ会いにいけばいいと、
自分が連れて行ってやるとあやめを引っ張って行くが、
あやめに拒否される。
「河村くんみたいに恵まれた人には
私の気持ちなんて分かんないよ!!
きっと欲しいもんなんでも与えられて
本気で悩んだことも苦しんだこともないでしょ!!
だから河村くんの芸は胸に響かないんだよ!!」
肩を落として歩いている恭之助は、
高校生と肩がぶつかってしまい喧嘩になる。
顔を殴られそうになった時、その腕を一弥が掴んだ。
「顔は殴らないでもらえますか。」
掴んだ腕を捻ったまま、このままだと折れるけどどうする?と。
分かったから離せと言い、高校生たちは行ってしまった。
「ざけんなよ! 誰が助けてくれっつったよ!!」
「別に恭之助さんを助けた訳じゃありません。
顔は役者の命です。
恭之助さんにはベストな状態でいていただかないと
言い訳されても困りますから。」
恭之助はなんであやめに会いに行ってやらないと聞く。
「恭之助さん。 人の心配してる場合ですか?
そんな暇があったら稽古した方がいいですよ。
僕との差がこれ以上開かないように。」
「お前のそのバッカみてえな自身はどっからくる訳?」
「努力してきましたから。
闇雲に身の程知らずな発言をするほど
僕はおめでたくはありません。」
あなたが名門の御曹司という立場に
あぐらをかいて怠けている間に、
僕は血の滲むような努力をしてきた。
名前しかないあなたに絶対に負けたくはないんです。」
本気でやる気になった恭之助は春彦に電話。
「春彦、俺、明日から暫く学校休むから。 稽古に集中する。」
「どうしたの? 急に燃えちゃって。」
「絶対に負けたくねえ野郎がいんだよ。」
それぞれ稽古に励む恭之助と一弥。
一弥はランニング中に花屋のナデシコを目にする。
落ち込んでいたあやめを励ます千晶。
なんかなかいいから恭之助にすれば?と。
恭之助に言い過ぎたかもと気にするあやめ。
その時、あやめに花屋からナデシコの花束が届く。
カードが入っていた。
『ずっと君を想ってる ヒロキ』
お礼の電話しないの?と千晶。
しかし連絡先を知らないあやめ。
恭之助なら知ってるんじゃない?と言われ、
恭之助を探しに行くあやめ。
恭之助は稽古中。
だいぶ見られるようになったと言われる。
「お疲れ様でした。」
「一弥。 本番楽しみにしてろよ。
俺が名前だけで役者じゃないってとこ見せてやる。」
「分かりました。」
「それとさ、まあ、わざわざ言うことでもねえけど、
俺、千葉あやめのことが好きになった。
だからあいつに認めてもらえるような男になりたいって思ってる。」
「確かにわざわざ僕に言うことじゃないですね。」
「ああ。 けどお前が
俺には負けねえみたいなこと言ってたからさ、そりゃ無理ってこと。
一番取んのはこの俺だから。」
稽古に励む恭之助。
毎日教室にナデシコの花束が届くあやめ。
毎日送ってくるなら会いにくればいいのにと千晶。
「きっとね、今はまだ会えないけど
待ってて欲しいって意味だと思うんだ。
だから信じて待ってる。」
あやめは春彦のところに行く。
「河村くんって最近学校来てる?
教室行ってもいつもいないし。」
「来てないけど。」
「やっぱり。 何かあったの?」
「お前が悪いんだよ。」
「私?」
「お前が無神経なことばっかズケズケ言うから
学校来んの嫌になったんだよ。」
「えっ?」
「恭ちゃんはああ見えて繊細なんだよ。
自殺でもしたらお前のせいだからな。」
「自殺!?」
春彦はあやめの前から去って行く。
「ちょっとはビビっただろ。 ざま~みろ。」
気になって恭之助の家にやって来たあやめ。
シズが中に入った隙にあやめも入って行く。
そして恭之助が稽古してる姿を見かけ、
そのままずっと見ていたあやめ。
その時、携帯のアラームが鳴り、電話をかける恭之助。
なんとナデシコの花束を頼んでいたのは恭之助だった。
しかも弘樹の名前のメッセージまで。
それを聞いていたあやめは驚く。
稽古を続けていた恭之助のところにシズがやって来て、
同級生が会いに来てると伝える。
「同級生? 家まで来るなんてどうせ変な追っかけだろ。
適当に追い返しといて。」
「いいんですね? 千葉あやめって子ですけど。」
慌てて出て行く恭之助。
学校来てないって聞いたから様子見に来たと、
この間は言いすぎたと謝るあやめ。
「それとお花。」
「花!?」
「ありがとう。」
「えっ、なんの・・・なんのこと!?」
「って、ヒロくんに伝えといてくれる?」
「あ~一弥に。」
「うん。 私は大丈夫だから心配しないでって。」
「分かった。 なんかよく分かんないけど伝えとくよ。」
「私、やっぱり河村くんは凄い人になると思う。 じゃあね。」
「千葉! 明日の公演来いよ。 つ~か、来てくれ。
今度は絶対にガッカリさせないから。」
「うん。 ありがとう。」
公演日。
いつになく緊張気味の恭之助。
その時、完二郎がぎっくり腰になり動けなくなる。
完二郎がやるお軽を誰がやるのかと・・・
そこへ一弥が名乗りを挙げる。
周りは反対する中、世左衛門が賛成した。
「勿論、通常ならありえません。
ですが今はそんなことを言ってる場合ではないでしょう。
お客様のために我々は幕を開けなければならない。
責任は私が取ります。」
場内にもアナウンスが流れる。
無名の役者がやることで苦情も出てきてしまう。
が、もう腹を括るしかない。
恭之助と一弥。
「よろしくお願いします。 命懸けで務めさして頂きます。」
「足引っ張るなよ。 今日は千葉あやめも来てるしな。
この舞台、俺とお前の勝負だ!」
そして幕が上がった。
『この勘平は今までの俺の姿だ。
自分を誤魔化していつも逃げることばかり考えてた。
けど、もう今までの俺とは違う。
こいつにだけは負ける訳にはいかねえんだ!!
このままじゃ終われねえ。
俺は何があってもこの世界で生きて行くことを選んだんだ。』
公演は無事終了した。
恭之助や一弥にも拍手が上がっていた。
あやめも恭之助の演技に見入っていた。
シャワーを浴びる恭之助と一弥。
「さすがは河村恭之助ですね。」
「まっ、悔しいけどお前もすげえよ。 今日は引き分けだ。
でも、これから先は必ず俺が一番になる。」
「その言葉そのままお返しします。
僕みたいな雑草でも頂点を掴めることを必ず証明してみせる。」
「ま、精々頑張れよ。」
「それからこれはわざわざ言うことでもないんですが。」
「あ~?」
「あやめちゃんのことです。
僕が今まで彼女に会いに行かなかったのは理由があります。」
「お前あいつのことなんか忘れたんじゃねえのか?」
「僕はずっと彼女を想い続けて来ました。
それでも会いに行かなかったのは、
歌舞伎の世界で生きるなら
舞台の真ん中に立つまでは会わないと決めていたからです。
でもどんな形にせよ、僕は今日舞台の真ん中に立つことが出来た。
だから・・・だから今、この瞬間からあやめちゃんは僕のものです。」
あやめの元へ走る一弥。
「あやめちゃん!」
「ヒロくん・・・」
笑顔で見つめ合う2人。
その頃、恭之助はシャワールームから動くことが出来なかった。
あまり興味はなかったんだけど、
玉ちゃんをちょっと見てみようと思い見たんだよね。
そしてら予想外に面白かったかも(笑)
ただ、玉ちゃんは主だからいいとして、
その周りをジャニーズで固めすぎ。
そこがちょっと残念なところかな~。
どうせなら周りはジャニーズで固めない方が良かったと思う。
にしても恭之助は良いも悪いもお坊ちゃんだよね(‐∀‐;)
高校生が教室に花束デリバリーはないでしょ。
でも弘樹の名前でカード贈ってるのは切ないね。
その弘樹こと一弥はあやめが好きなんだろうけど、
お嬢様の優奈はどうするんだろうか?
最終的にここも難しい選択になるんだろうね~。
ま、今後の展開を楽しみにしてるよ。
2時間観るのか!と
最初 思ったのですが
うんうん、意外と良かったですよね~
(マカさんも同じで安心した)
>でも弘樹の名前でカード贈ってるのは切ないね。
ですよねー!
高校生がこんな事(笑)するのか?とはいえ
御曹司ですからね。歌舞伎の世界だけに
(芸能ニュースを観ても、、笑)
一般人とは違う気がするので
こんな事もありかと思える
あやめはお嬢さまが不良グループに
金をせびられてる時に助けたので
お嬢さまにとっては恩人。
ヒロ君を好きと知ればどう出るかね?
あまり期待せずに(笑)気楽に観ますー
私も初回2時間だから見るのしんどいな~と思ってたのですが、
意外と面白く見れたのでレビューもあらすじ追いました(笑)
>一般人とは違う気がするので
こんな事もありかと思える
確かにそうかもしれないですね(‐∀‐;)
普通の御曹司とは訳が違いますもんね。
>あやめはお嬢さまが不良グループに
金をせびられてる時に助けたので
お嬢さまにとっては恩人。
ヒロ君を好きと知ればどう出るかね?
そこなんですよね~。
恩人だけどライバル?
あのお嬢様も世間知らずっぽいから、
ちょっと怖いことになりそうな気もしますが・・・
ま、同じくあまり期待せずに見ようと思います。