初心者のクラシック

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「神童」アマデウス・モーツァルト(第16話)

2006年12月21日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「神童」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(第16話)です。

≪作曲家の肖像≫
モーツァルト:後期6大交響曲集
カザルス(パブロ), マールボロ音楽祭管弦楽団, モーツァルト, プエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団
ソニーミュージックエンタテインメント

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【Wolfgang Amadeus Mozart】

父親を失いながらも、音楽活動を続けるモーツァルト。今日はその続きからです。

(第16話)【下り坂】
 1888年5月、ようやくウィーンでも歌劇「ドン・ジョバンニ」が初演されますが、ウィーンではプラハほど熱狂的には評価されなかったようです。皇帝の言葉を借りると「素晴らしいオペラだが・・・、我々ウィーンのやわな人間の歯には向かない料理だろう・・・。」ダ・ポンテから、このような皇帝の評価を伝え聴くと、モーツァルトも負けじと「だったら、よく噛んでもらうよ…」と答えたという。

 しかし、皇帝の言葉を裏付けるようかのにウィーンでのモーツァルト人気は奮わず、かつて王族や貴族で賑わっていたモーツァルト主催の「予約演奏会」も閑古鳥が鳴く状態になり、その他の演奏依頼もめっきりなくなり、楽譜を出版しようとしても買い手が付かない有様になってしまうのでした。

 そして、6月になると、いよいよもって金欠に陥ったモーツァルトはウィーンの商人でもあり、音楽愛好家でもあったミヒャエル・プフベルクに始めて借金を申し込む手紙を書くのでした。

 ・・・、しかし仕事が少なくなったとは言え、昨年までは名作歌劇を作曲し、大ヒットを飛ばして荒稼ぎをしていたハズのモーツァルトがこうもあっさりと、借金生活に入ってしまうのでしょうか?
 
 一説によると、妻コンスタンツェに経済観念が全く無かったとか、言われたりする事もあるようですが、モーツァルト自身も一度贅沢の味を覚えると、なかなか元の生活には戻れない。という事もあったんでしょう。

 それに、現在なら…プラハ並みのミリオンセラーの大ヒットを飛ばせば、CDや楽譜が売れて印税がガッポリと作曲者のふところに入り大儲け!となるのでしょうが、当時は当然CDは勿論、録音技術すら発明されておらず、CDの話は論外です。

 ならば、楽譜は・・・というと、そもそも現在では当然のごとくある「著作権」という概念すら怪しい時代ですし、第一、楽譜を出版してもそれを演奏するオーケストラの数そのものが少なく、そうなると出版した楽譜を購入する顧客層も王室・貴族と限定されていたため、出版社もある程度売れる見込みのある楽譜しか出版する事が無かったようです。

 そんな訳で、おそらく宮廷作曲家としての年俸もすぐに使い果たしてしまったんでしょう。すると仕事が無くなれば、収入も自動的に止まり、プフベルクに借金を申し込む羽目になってしまたのでした。

 しかも、最初に手紙を送ってから、1ヶ月の間につづけて3度も借金申込の手紙を送っていたようですから、もはや尋常ではありません。しかし決して本業の作曲をおろそかにしていた訳ではありません。

 このこの頃には、交響曲第39番・第40番・第41番「ジュピター」等、今日でも屈指の名曲とされる作品を次々に生み出します。しかし、これらを発表する「予約演奏会」にも予約は入らず、返す宛てがことごとく外れてしまうモーツァルトは借金返済の変わりに作曲した楽譜を送る事もあったという程ですから、どうにも行かなかったようです。



ウィーンでの人気がだんだん無くなってくると、ついには借金までしてしまうモーツァルト。なんだかマズイ事になってきましたが、このつづきはまた明日。


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