チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

今年、高江のヘリパッド工事は重大な局面を迎える! 攻防は県道の東側に

2014年04月11日 | 沖縄日記 高江

    (今年度、高江のヘリパッド工事は県道の東側、N1、G地区で進められる。)

 

 今年度、北部訓練場のヘリパッド工事はどういう状況になるか整理しておきたい。

1.N4-2地区の工事は未完成---本年7月31日まで工期延期

 昨年度工事が進められたN4-2地区のヘリパッド工事は住民らの監視行動により大幅に遅れ、まだ進入路の路盤工の一部や移入動物進入防止柵等の付帯施設の工事は完了していない。そのため、沖縄防衛局は本年3月31日、工期を7月31日まで延期する契約変更を行った。3月から6月いっぱいはノグチゲラ等の希少生物の繁殖期のため工事はできないから、7月から工事は再開される。大きな問題となった県赤土等流出防止条例違反工事で搬出した赤土の処理も7月以降に行われる。しかし、進入防止柵の資材(支柱パイプ、ワイヤーメッシュ等)はかなりの量となるので、7月末までに完成させるためには、6月末までにメインゲートから資材搬入が行われるだろう。

 昨日の琉球新報にもあったように、N4地区の2ケ所のヘリパッドは、N4-2が完成する本年8月以降に米軍に移管され、オスプレイの運用が始まると思われる。しかし、そもそも6ケ所のヘリパッド建設は北部訓練場の過半の返還の条件だと言われてきた。逆に言うと、完成したヘリパッドから順次米軍に移管するのなら、当然、それに見合う基地の返還が伴わなければならないこととなる。米軍の環境レビューでも、N4地区は北部訓練場のオスプレイ訓練の中心と位置づけられており、住宅からもわずか400mほどしか離れていない。生活環境への影響はきわめて深刻だ。今後は、N4地区でのオスプレイの運用を阻止するための取組が重要となる。

2.N1地区の2ケ所のヘリパッド工事は、まもなく準備作業が始まる

 沖縄防衛局は、本年1月21日、N1地区の2ケ所のヘリパッド工事を北勝建設㈱に発注した(契約金額:1億8900万円、工期:2014.1.22~2015.3.31)。今までのN4地区の工事は県道西側だったが、これからの工事(N1、H、G地区)は県道の東側に移る。県道の東側は北部訓練場の中でも豊かな自然が残された地域だが、N1、H、G地区のヘリパッド工事のために、総面積22,641㎡もの広大な森林が伐採される(従来のN4地区の工事では、3,042㎡の伐採だったからその7倍以上)。

 しかし、防衛局にとってもこのN1地区ヘリパッド工事の施工はそう簡単ではない。県道70号線のN1ゲートから南のN1裏まで続く約3Kmの旧林道(上図の青線部分)が工事用進入路として使われるが、その整備のためには、沖縄森林管理署への「国有林使用承認」の申請(この旧林道の南側約600mは米軍への提供施設ではなく、国有林となっている。)、また、沖縄県への赤土等流出防止条例にともなう申請が必要となる。住民の会は、すでに沖縄森林管理署や県への取組を強めている。

 N1地区の工事も、3月~6月末の間は本格的に始めることはできないが、この工事の特記仕様書は、「監督官事務所を5月1日に設置」とされている。測量や立木伐採等の準備作業等も何時、始まるか分からない状況にある。住民の会は、すでにN1ゲートやN1裏での監視態勢に入っている。

3.本年10月以降、さらにもう1ケ所のヘリパッド工事も始まる---工事車両が高江集落内の生活道路を頻繁に往復!

 4月に入って沖縄防衛局は「H26年度発注予定工事」を発表した。そこには、「北部(H26)着陸帯移設工事」として、今年の10月にもう1ケ所のヘリパッド工事を発注するとされている(工事期間13ケ月、工事費は1億円以上3億円未満)。H地区かG地区のどちらかだが、工事費からみてG地区の工事であろう。このG地区は、最も奥地にあり、ヘリパッドまで約1.3kmの進入路(上図緑線部分)も同時に造成される。特にこのG地区は新たに米軍に提供された宇嘉川河口まで歩行訓練ルート(上図黒点線部分)も整備され、北部訓練場では初めて海と繋がった訓練が行われるところだ。

 N1地区だけではなく、G地区でも工事が始まれば、その工事車両は北のN1ゲートからの旧林道ではなく、新川ダムか高江の集落内の道路を通過することとなる。しかし、新川ダムの堰堤は重量規制があり大型車両は通行できない。したがってほとんどの工事車両は高江の集落内の村道を通過する。この村道は、小中学校や公民館等もあり、子どもたちやお年寄りが行き来する住民の生活道路である。しかも細く曲がりくねった急勾配の道で、工事車両の通過は危険極まりない。

 また、問題は工事車両だけではない。もし、N1、H、G地区のヘリパッドが完成すれば、訓練のための米軍車両が高江の集落内の村道を頻繁に通過することとなる。そもそも県道東側のこんな狭い範囲に何故、4ケ所ものヘリパッドが必要なのか。防衛局の行った「自主アセス」では、これらの4ケ所は全て「米軍の運用上の要望」から決定されたというが、とても認められない。

 

 以上、説明してきたように北部訓練場のヘリパッド工事は、今年、2か所で並行して進められる。また、N4地区でのオスプレイの運用も始まるだろう。闘いはいよいよ正念場を迎える。

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