チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

海上警備業務での個人情報違法収集問題で防衛局交渉(議事録掲載)---あまりに見苦しい防衛局の開き直り

2016年07月07日 | 沖縄日記・辺野古

 7月7日(木)、海上警備業務での個人情報違法収集問題で県民会議が防衛局交渉を行った。今日の交渉には、個人情報を無断で収集・利用された抗議船船長たちも当事者として参加した。また、交渉に先立って、船長たちはそれぞれ個人情報開示請求も行った。

 この問題の内容、経緯については以下の関係ブログを見てほしい。

・「防衛局の許せない違法行為---抗議市民のリスト作成、行動記録の把握(2016.5.18 ブログ)

・「防衛局は発注の時から、個人情報の違法収集を意図していた」(2016.5.26 ブログ)

・「政府、個人リストの存在は否定したものの、海上警備業務には個人情報収集業務も含まれていたと認める」(2016.6.9 ブログ)

          (沖縄防衛局との交渉には5名の船長らも参加した。)

  (海上警備業務のボートにはODB(沖縄防衛局)との表示がつけられている)

 (交渉に先立って5名の船長たちはそれぞれ個人情報開示請求を行った)

*****************

 この日の交渉で防衛局は次のように答えた。全ての責任を業者になすりつけ、防衛局は何も知らないと開き直っているのだ。

1.「5月14日に受注業者を呼んで報告を受けた。個人名・顔写真のリストは受注業者が独自に作成した。防衛局は関与していない。その時点でリストはすでに破棄したということだったので、防衛局はリストを見ていない。」

2.「防衛局はリストを見ていないので、違法かどうかは判断できない。」

3.「リストを作ったのは受注業者なので、業者には責任がある。」

4.「防衛局が作成を指示したものではないので再調査の予定はない。」

5.「警備業務ではなんらかの個人情報に係るものだ。」

6.「業者から個人名の入った報告を受けていたかどうかは警備の内容に係るので答えられない。」

7.「業者に2度と繰り返さないようにと指示するつもりはない。しかし、すでにリストは削除されており、業者は今後はもう同じようなリストを作成しないだろう。」

 

海上警備業務における個人情報違法収集問題に関する県民会議の防衛局交渉の記録                                                                                                                                                                          2016.7.8 

  〇:県民会議(3名)+船長(5名)
 ●:防衛局(この問題については、調達部調達計画課課長補佐・時田貴博氏が回答) 

(最初に、米軍属による女性殺害事件を受けてその防止策、辺野古新基地問題、海兵隊の撤退問題等について防衛局から説明を受け、やり取りをした後、海上警備業務の問題に入った。)

1.「業者から報告は受けたが、すでにリストは破棄されており、防衛局はリストを見ていない」
〇先日の話し合いで、個人情報の問題について調査し、その結果が出れば我々にきちんと説明するということだった。防衛局の調査の結果について説明してくれ。
●リストは受注業者(ライジング社、マリン社)が独自に作成したという報告を受けた。防衛局から指示したものではない。情報提供も行っていない。防衛局は両社からリストの提供も受けていない。
○業者からはどのような説明を受けたのか?
●この問題についての新聞報道があった日(5月14日)、ライジング社を呼んで報告を受けた。対応したのは、私と前任者の木山の2人だ。
 「リストを作成したのか?」と聞くと、「作成しました」ということだった。ただ、その時点でリストはすでに破棄したということだったので、防衛局はリストを見ていない。
●業者はリスト作成の目的について、「立入りが禁止されている臨時制限区域に入ってくる船舶に呼びかけて注意喚起し、万が一の事故を予防するため」だったと説明した。
〇その目的のためだとしても、何故、個人リストを作成する必要があるのか?
●防衛局はリストを見ていないのでお答えできない。
〇新聞報道を受けて業者を呼んだ時、どういうリストだったのかを聞いたはずだ。
●業者はリストを破棄したというのでそれ以上は聞いていない。

2.「防衛局はリストを見ていないので、違法かどうかは判断できない」
〇今日は名前を特定され、個人情報を無断で使われた船長が5名来ている。今回の問題について当事者である船長らにまず謝罪すべきだ。
●本件のリストは受注業者が独自に作成したと報告を受けている。謝罪せよと言われても----。
〇防衛局はリストを見ていないというが、6月30日の新聞報道でリストの写真が掲載されている。その報道を受けて問題だとは思わなかったのか?
●新聞記事で判断することはできない。防衛局はリストの内容を確認していない。リストの内容が分からないので違法かどうかは判断できない。
〇5月14日にマリン社を呼んで説明を受けた際、リストを見ていなかったというが、それなら6月30日にリストの実物の写真が報道されたときに、受注業者を呼ばなかったか?
●呼んでいません。
〇何故だ?
●防衛局がリスト作成を指示したものではないから。
〇海上警備の船は、沖縄防衛局の表示をつけて海に出ている。委託業務は対外的には防衛局の業務だ。沖縄防衛局の表示をつけた船が違法行為をしているのだ。防衛局は業者が勝手にしていると逃げることはできない。監督責任もある。
●リストの中身を見ていないので違法かどうか判断できない。
 防衛局は個人情報の管理をする役所ではない。
〇今の発言はどういうことか? もう一度説明せよ。
●すいません、今の発言は取消させてください。
〇何故、防衛局としてリストの中身を確認しないのか?
●受注業者は5月14日の時点でリストを廃棄したというので、同社からは情報提供してもらえないので調査はできない。
〇何故、リストを廃棄したのか? 問題があったことを認めたからではないか?
●リストの中身が分からないでのお答えできない。

3.「リストを作ったのは受注業者なので、業者には責任がある」
〇警備業法上、警備会社が何故、このような業務をできるのか? 
●警備業法第2条2項の「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」に該当する。
〇それが何故、個人リストの作成とどう関係するのか?
●私はリストを見ていないので判断できない。
〇それでも新聞でリストの内容は報道されている。どう考えるのか?
●リストの中身は承知していないので答えられない。
〇業者を呼んで確認すればリストの中身はすぐに分かるではないか? 6月30日のリストの写真の報道を見てもなんとも思わなかったのか?
●なんとも思っていません。
〇複数の警備員が証言し、リスト実物の写真も報道された。「リストを見ていないので答えられない」は通用しない。
●報道されたものが本当のリストかどうかも分からない。
〇だったら、すぐに業者を呼んで聞くべきだろう。
●リストを作ったのは受注業者なので、業者には責任がある。
〇どういう責任か?
●中身は分からないでの個人情報についての責任があるかどうかは分からないが、作成者としての責任がある。

4.「防衛局が作成を指示したものではないので再調査の予定はない」
〇6月30日の新聞でリストの実物の写真が掲載されたのだから、再調査せよ。
●我々が作成の指示をしたものではないので---。受注業者がやったことだ。それにリストはすでに廃棄したと聞いている。
〇だから再調査せよと言っている。それに防衛局には監督責任もある。
●防衛局が作成指示したものではないので、こういう話があったことについては受注業者に伝える。

〇何故、受注業者はリストを破棄したのか? 問題があったことを認めたからではないか?
●リストの中身が分からないでのお答えできない。
〇調査もせずにリストの中身が分からないので答えられないなど通用しない。少なくとも、今後、同じことは繰り返さないぐらいは約束せよ。
●リストの中身を見ていないのでそれは答えられない。

5.「警備業務ではなんらかの個人情報に係るものだ」---特記仕様書の記載について
〇防衛局が出した警備業務の特記仕様書の中に、「警備員は個人情報保護法の教育・研修を受講していること」という記載があるのは何故か?
●警備会社にヒヤリングをして作成した仕様書だ。
〇糸数慶子議員への政府答弁書には、この特記仕様書の記載について、「警備業務の実施に伴い取得される個人情報の適正な取扱いを確保するため」とある。警備業務を発注した時点で、防衛局は個人情報を扱うよう指示しているではないか? 海上警備業務で何故、個人情報を取得するケースがあるのか?
●具体的なことは言えないが---。
〇警備業務で個人情報を収集することを前提として発注しているではないか?
●警備業務でなんらかの個人情報に係ることはゼロではない。

〇今回の行為は、警備業法第15条「警備業者及び警備員は、---他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない」に抵触するではないか?
●抵触はしていない。
〇その理由は?
●立入りが禁止されたところに入ろうとする船舶に対して注意喚起して万が一の事故を避けるためのものであるから、警備業法15条には抵触しない。

6.「業者から個人名の入った報告を受けていたかどうかは警備の内容に係るので答えられない」
〇今回の問題は2つある。一つは個人リストの作成。もう一つはそのリストをもとに船長たちの名前を特定してその行動記録を防衛局に送っていたという問題だ。
 業務の特記仕様書には業務日報を防衛局に提出することになっているが、その日報には個人名が入っているか?
●それについては情報公開請求をしてほしい。                       〇何を言うか! 日報を開示請求したが、情報公開法第11条の特例を適用して開示まで1年以上も延期したではないか。
〇業務日報の中に個人名が記載されているのか、日報とは別に個人名の入った行動記録が防衛局に報告されているのか・
●それは警備の内容に係るので答えられない。情報公開請求をしてほしい。
〇業務日報以外に個人名の入った行動記録が防衛局にあがっていたという証言が報道されている。
●警備に関することなので答えられない。
〇何を言うか! 我々当事者にとっては基本的人権を侵害されたのだ。きちんと説明しろ。

7.「二度と繰り返さないようにと業者に指示するつもりはないが、すでにリストは削除されており、今後はもう同じようなリストを作成しないだろう」
〇これからも同じようなことがあり得るのか? 2度と繰り返さないと約束せよ。
●少なくとも受注業者はリストを削除したので、こういったことは今後ないと考えている。
〇防衛局として繰り返さないよう指導すべきだ。
●リストの内容については、すでに破棄されており報告をうけていないので判断できないが、少なくとも受注業者の判断でリストは削除されているので、同じようなリストはもう作成しないだろうと考えている。

 

 

 

 

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