ギリシャ神話あれこれ:ヘラクレスの最期

 
 さらに故郷へと旅路を行くヘラクレス。が、途中、空腹に耐えかねて、ちょうど畑を鋤き返していた牛を捕まえて、食べてしまった(ヘラクレスには、こういうことがよくある)。
 ところがこの牛は、ドリュオプスの王テイオダマスのものだった。ので、王はヘラクレスの無礼に腹を立て、彼が故郷に帰り着いたところを攻め寄せてきた。

 ヘラクレスは手を焼いたが、結局は勝利し、王を殺して王子ヒュラスを捕虜とする。ヘラクレスは並外れた女好き、そして少年好きの、両刃使いだったので。
 以来彼は、この少年ヒュラスを従者として可愛がり、アルゴーの遠征にも連れて行ったのだが(時期が合わないが)、泉のニンフにさらわれてしまった。

 さて、とうとうヘラクレスは、昔、娘イオレを娶わせるという約束を反故にした、オイカリアへの復讐に出る。多分、王女イオレに未練があったのだろう。彼はオイカリアを攻略、エウリュトス王らを皆殺しにする。
 そして、戦勝品として念願のイオレをゲットする。うしししし。

 デイアネイラは、身内を皆殺しにされて敵将の妾となったイオレに、大いに同情する。が……
 やはりヘラクレスの愛情を引き留めたい。その一心で、かつて馬人ネッソスが渡した、愛に火をつける媚薬だという血を思い出し、その血に塗れた布をヘラクレスの衣装に縫い込んで、彼に渡す。

 画像は、スルバラン「ケンタウロスのネッソスの長衣に焼かれるヘラクレス」。
  フランシスコ・デ・スルバラン(Francisco de Zurbaran, 1598-1664, Spanish)

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