ギリシャ神話あれこれ:アルゴーの冒険(続々々々々々々々々)

 
 やがてアルゴー船は、セイレンたちと遭遇する。

 セイレンは翼を持つ魔性の人魚。岩礁に姿を現わし、美しい歌声で船乗りたちを惑わして難破させ、その生肉を食らう。彼女たちの住むアンテモッサ島には、歌声に魅了されて殺された船乗りたちの白骨が山積みになっているという。
 
 さて、アルゴー船が近づくと、セイレンたちは美しい歌を歌い始めた。思わず、ボーッと聞き惚れる一同。
 と、船に同乗していた竪琴の名手オルフェウスが、セイレンに対抗して、琴を奏でて歌い出す。オルフェウスの歌声はセイレンよりも美しく、このためアルゴー船の一行は、無事セイレンに惑わされずに済んだ。……ブテスを除いて。

 ブテスだけは、セイレンの歌に誘われて海に飛び込み、泳いで島へと向かってしまった。が、アフロディテ神が彼を哀れみ、リリュバイオンへと連れ戻したという(ついでにその後、ブテスと恋に落ちたとか)。
 歌い負けたセイレンたちは、アルゴー船を見送った後、海に身を投げて死んでしまう(が、後にオデュッセウスも、セイレンたちと遭遇しているんだけど?)。

 次にアルゴー船が差しかかったのは、カリュブディスとスキュラ、そして火と煙を吹き上げて揺らぐ岩礁、というの難所。

 メッシナ海峡の北端の岸には、カリュブディスという怪物がいて、海水を海水を吸い込んでは吐き出し、山のような大渦を巻を巻き起こして、船を難破させていた。
 反対岸にはスキュラという怪物がいて、こちらは腰から下に6つの犬の頭と12本の足を持つ。その昔、美しいニンフだったのだが、魔女キルケの呪いで、こんな奇怪な異形の姿に変えられて以来、船が近くを通りかかるたびに襲いかかって、船乗りを6人ずつ食い殺す怪物となったという。

 To be continued...

 画像は、ドレイパー「黄金の羊毛」。
  ハーバート・ドレイパー(Herbert Draper, 1863-1920, British)

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