心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

研修会は現地に何を残せるか

2009-11-29 07:26:22 | 国際協力・一般
カンボジア人が40名、うち精神科医師20名(カンボジアの半数以上だ!)、ソビエト病院精神科外来看護師など、日本を含めてそれ以外ーUSA、カナダ、オーストラリア、シンガポール、韓国などーが30名の参加だった。

参加者に会場で求めた評価では、概して好評だったようだ。

ぼくもご無沙汰してしまっている懐かしい顔・・・顔と会えて、楽しかった。
夜行便での帰国は睡眠不足になってしまって、今回は辛かったけど。

しかし・・・開発途上国で外国人が行う研修会がそういうもの(と、わかったように言う)。
最新の知識が、熱意のある外国人専門家からーしかも日当付き!でー聞けるのだから。

問題は、そうした努力が現地に何を残すのかということ。

現地の社会に生きる「適正技術」とはなにか?
現地を賦活し採用されていく「活動モデル」とはなにか?

そして、今後の協力について会議を持った保健省次官EF教授からは「協力は、お金もだよ」という現実が改めて提示された。
したたかだ・・・

講師として参加していたバンクーバーにある大学の教授SG氏が一緒にやりたいとのことなので、ぼくたちのNGOの活動リストを送った。
さて、どこに、どのように、コミットしたいと言うだろうか?

仲間はほしいけど、お世話するばっかりになるのはゴメンと、すこし腰が引けている・・・

Educational Seminar in Siem Reap

2009-11-26 14:23:49 | エコ・地域・環境
帰国しました・・・
30℃から10℃へ、寒い、でもカラダは熱ってる・・・

カンボジア・シュムリアップで行ってきた研修会はつぎです。

Educational Seminar in Siem Reap for Cambodian Mental Health Professionals

Hosting Organizations : Pacific Rim College of Psychiatrists, Supporters for Mental Health(SUMH), Taisho University,

Supporting Organizations : Transcultural Psycho-social Organization (TPO), Ministry of Health of Cambodia

Date:Nov 23-24 ,2009

The Venue: Prince d'Angkor Hotel & Spa and Taisho Elementary School
Participants:Cambodian Mental Health Professionals( Psychiatrists, Internists, Mental Health Nurses, NGO Staff, etc)

*The number of participants is about forty.
Registration fee:USD 50 for foreign participants, Free for local participants.

Schedule at a Glance
Mon, Nov 23 Ceremony or Symposium Title Presenter Chair and
Commentator

The Venue
12:30-13:30 Opening Ceremony 1
・ Donation to Taisho Elementary
from PRCP and
Taisho Uuniversity
・Visiting Taisho Elementary School
Fumitaka NODA
(PRCP President)
Takayuki OCHIAI
(Taisho Uuniversity, Japan)
MC:Yoshimasa
TEBAYASHI
Taisho
Elementary

Move from Taisho Elementary School to Prince d' Angkor Hotel & Spa
14:00-14:30
Opening ceremony 2 H.E. Prof. Eng Huot,
(Secretary of State)
Tsutomu AOKI
(SUMH President)
Fumitaka NODA
(PRCP President)
MC:Yoshimasa
TEBAYASHI

14:30-15:15 Concepts of Mental Illness Recognition and
Treatment of Depression
Allan TASMAN, M.D.
(University of Louisville
School of Medicine,USA)
15:15-16:00 Mental Health Policy Development
and Implementation in Developing
Countries: Case of Uganda
Tsuyoshi AKIYAMA, M.D.
(Director of Dept of
Psychiatry, Kanto Medical
Center,Japan)
Allan TASMAN/
Tsuyoshi AKIYAMA

16:00-16:15 Coffee Break
Prince d'Angkor
Hotel & Spa

16:15-17:00 Community Development Model of
Psychiatry
Soma GANESAN, M.D.
(Clinical Professor,
Department of Psychiatry,
University of British
Columbia,Canada)
17:00-17:45
Assessment, Evaluation and
Diagnosis
Dementia and Depression in
Elderly
Kua Ee HEOK, M.D.
(National University of
Singapore, Singapore)
Soma GANESAN/
Kua Ee HEOK

17:45-18:15 Diagnosis of Schizophrenia and its
Pharmacological Treatment
Paul LEUNG, M.D.
( Psychiatry Department
UHN 79,USA)
18:15-18:45
Treatment and Follow-up
Sustainable Chronic Care in Village
of Cambodia
Yoshimasa
TEBAYASHI(Nishi-Hachioji
Psychotherapy Room,Japan)
Paul LEUNG/
Yoshimasa
TEBAYASHI

19:00-20:00 Welcome Banquet
(Buffet style party)
Discussion Time Speakers and Participants MC:Yoshimasa
TEBAYASHI

Tue, Nov 24 Ceremony or Symposium Title Presenter Chair and
Commentator
The Venue
7:30-8:15 Psychological Healing in Post
Genocide Cambodia
Chhim SOTHEARA
(Transcultural Psycho-social
Organization)
Fumitaka NODA
(PRCP President)

8:15-9:15 Case Study
Support for the Chronic Mentally Ill
in the Village
Tey pisal
(SUMH Cambodia
Representative)
Tsutomu AOKI/
Chhim SOTHEARA

9:15-9:45 What does PRCP contribute to
Cambodian's mental health
development: future perspective
Min - Soo LEE, M.D.
(Korea University College of
Medicine,Korea)

9:45-10:15 Using Mental Health First Aid in
Primary Care
Helen HERRMA, M.D.
( The University of
Melbourne, Australia)

10:15-10:45
PRCP Contribution to
Cambodian Mental Health:
Future Perspective.
Is Cultural Difference a Barrier to
Mutual Understanding?
Fumitaka Noda, M.D.
(President of PRCP,
Professor of Psychiatry,
Taisho University, Japan)
Min-Soo LEE/
Helen HERRMAN

10:45-10:50 Closing Ceremony Fumitaka NODA
(PRCP President)
MC:Yoshimasa
TEBAYASHI
Prince d'Angkor
Hotel & Spa

凝縮された3日間でした・・・

シエムリアップ到着

2009-11-22 00:33:37 | 国際協力・保健/リハ/心理学分野
8ヶ月ぶりにシエムリアップ到着。

JR中央線の始発4:56発に乗り、寒いバス停で待って高速バス5:45発に乗り継いで成田には2時間で着いた。
NRT-BKKが7時間、そしてSRまで55分。

NGOのローカルスタッフとの待ち合わせは30分の誤解があって、空港出口でちょっと待つことに。
それで、旧知のタクシー会社の客引き担当ラムさんとしばし雑談。
6才になる娘が月20ドルかかるプライベイト小学校に入れたので、英語が自分よりうまいとの自慢を聞く。

ここ3日ほど「冬になった」と言う。
確かに30℃はないみたいで、涼しさを感じる。
と言っても、ハダカでベッドに入れるのはやはり熱帯。

ぼくの顔がにやけている、とは同行者の意見。
うれしいんだろうなあ・・・きっと。

5年前まで4年間いたところなんだから・・・

足元の政権交代に思うこと

2009-11-19 10:27:58 | エコ・地域・環境
来週に行うカンボジアの精神科医師たちの研修原稿を用意していると、自分の足元が気になった。

過去としがらみがない政権交代というなら、こういう大改革政策を日本で実行できないか・・・

周辺国から資源と富を収奪して成り立つ資本主義的な競争社会を乗り越えて、障害のある人も高齢者もみんながそれなりに社会に貢献して生き生きと生きることのできる社会創り。

これは、広井のいう「定常型社会」の具体策であり、すでにイタリアの cooperativo やソーシャルファーム、日本の共同作業所や就労支援施設などの一部で着手されていると思っている。

1.精神科病院の大胆な縮小。
根拠;治療論的にも当然!WHOの施策を見ても趨勢。

2.医療職の職務権限の見直し。
根拠;ナゼ医師は忙しいのか、・・・業務の独占のあり方にムリがある。
たとえば現在の管理業務やリハビリテーション、精神療法などは他職種に任せてはどうか。
養成数だけの問題ではない。

3.医療の地域化を大胆に進める。
根拠;まだまだ入院病床が多すぎないか・・・病床があると入院者が出てくるというフシギ!?
ナゼ看護師は長続きしない人が多いのか・・・入院者が多いから3交代勤務も多くなっていないか。

4.住まいと教育の経費を公的に支える-ほとんどの人が現在の福祉分野の賃金水準で生活できるようにできないか。
根拠;住居費と教育費を除けば、1家族一月10数万円前後で生活できるはず。
ローンや学費にために、休みなく、あくせく稼ぐ生活は健康ではない。

5.高額の年金を得るのではなく、障害を持つ人も持たない人も働ける機会を創出して、それなりの賃金を得るようなシステムを作る。
根拠;一部の人が労働や富を独占することは見直すべきだ。
大量消費に頼った経済構造はサスティナブルではない・・・
日本の賃金水準が国際的に見て高すぎるために製品の国際競争力が落ちている
障害者も高齢者もだれでも、稼げる社会であったほうが、してもらうよりも、自己実現を目指して健康に過ごすことができる。

6.労働日は週4日ほどに。
根拠;賃金を得るための労働と、地域や家族などが再生していくための共同時間があるべきだと思う。

7.3世代同居家族や集合擬似家族を増やすための政策誘導。
根拠;核家族は個々人が自由な反面、ゆとりがなく、共同性を疎外している。

8.市民への教育をパウロ・フレイレの指摘する生活重視に。
根拠;知識しか伝えない、あるいは理解できず応用もできない高等教育を受ける人が増えてもそれが社会の利益になっているだろうか?
学問的な進歩と、今日的な実学を高めることを区分すべきだ。

9.青年海外協力隊JOCVを廃止して、たとえばワーキングホリディ制度に統合する。
根拠;相手に役立たない自分探しに国費を使う必要はないから。
自費で旅行している青年層と較べると、JOCVの待遇はよすぎる。
自由に海外旅行ができる今日であり、設立当時とは意義が異なっている。

10.ODAのうち、効果が疑わしいもの、予算があるからやっているという次元のものが即時に止める。
根拠;外交として、あるいは開発援助として、有効性を査定すること。
とりわけ、プロジェクト終了後に何が残るかについて、しっかり評価していくこと。

そして、社会が無料でサービスを提供するのではなくて、個々人が可能な範囲の負担をし、負担によってサービスを得ることができるという部分については、譲れないところ。
さもないと、公平ではあってもサボタージュや汚職などが横行する旧社会主義国の失敗を繰り返すことになる。
稼げる人には高負担、それなりに稼ぐ人には低負担、そしてミニマム保障はある社会ということでしょうか。
全く稼ぐことができない人をなくする社会ともいえる。

一部の公務員がポストを得て高収入を得るなどというシステムを残すのは問題外で、今は現政権が汗を流しているところ。
たぶん、国際警察(国連部隊を想定しています)以外の、個別に国が持つ軍備の放棄へと進むのでしょう・・・

まだまだ勉強途上の課題・・・
話が大きいし・・・
(続く)

病院看護から地域福祉へ

2009-11-17 08:52:18 | 地域精神保健
病院看護職から、労働時間が増え賃金が下がるのが見えている、地域活動に転進して10年目になる元同僚のーKさんTさんーの実践を祝す記念式があった。

今では、
・共同生活援助事業「福祉ホームA型・グループホーム」
・地域活動支援センターⅠ型
・就労移行支援・就労継続支援B型事象「パン・焼き菓子・弁当・園芸・印刷・カフェレストラン・軽作業請負」
・地域活動支援センターⅢ型「ボールペン組み立て・手工芸・公園清掃・バザー販売」
・小規模通所授産施設「カフェレストラン・インターネット・委託販売」
へと広がっている!

ここの特徴は、地域の人々や病院やクリニックの医療分野から、そして行政からも、支援者をたくさん引き付けていること、
リーダーに先を見つめた夢があり、勉強の努力を惜しまないこと、
そして、利用者とかかわる現場を大事にして手を抜かない人柄だろうと感じた。

3次会まで1時半までも相手してくれて、ありがとう!

60人を越えたというスタッフの中には、
本職のパン職人も福祉の有資格者たちもいるのに、
作業療法士と心理がほしいけど賃金問題で来ないとリーダーは言っていた・・・

毎年1500名を越えるという心理職のなかに、フットワークのいい人は育っていないということなんだね!?

どこか歪な心理養成!をここでも実感。
心理職って、面接室でのセラピーだけが仕事じゃないんだよ!

水槽にサーモスタット、部屋にファンヒーターを入れる

2009-11-04 08:46:14 | 日本で・・・
11月3日、日光に初雪のニュース!
ワクワク・・・

ピューピューと北風が強かった昨日、
スタディツアーが3週後に迫り、来春から「精神科サービスのないアンコール・チュム地域での巡回診療+地域精神保健ケアモデルつくり」新プロジェクト開始予定のNGO理事会、
8人も集まって盛会だった。

現地側の医師確保・当面の薬剤の運び方・日本側の支援体制・往復の4WD車両・次のニュースレターの編集担当などなど、議題は次々・・・
今月末には申請中の助成金の結論が出る予定。

出かける前に、水槽の水交換。
数日間汲み置きしていた水にお湯をすこし注いで暖めてからグッピーを移して、
ポンプで吸出し、ガラス面の藻を取り、千切れて漂っている水草をネットで掬う。

18℃まで水温は低下していた、寒かっただろう・・・
それでこの夏の間外していたサーモスタットを再び入れて24℃に調整。

会議から戻ると部屋は14℃!
あわてて、ファンヒーターを取り出して昨シーズンの残り灯油を入れてスィッチオン。
すこし臭ったので換気しながら部屋を暖めた。
残り灯油は、同じフロアの引越し家族が先日2缶のポリタンクをくれたので、まだまだある。

去年までのネパールの冬では、電気が使えるのは日に4時間程度の計画停電、灯油も手に入りにくくて、ガマンガマンの冬山生活!?だったので、すぐに温まる日本の生活の快適さを実感。
建物の気密性はいいし、エネルギー(を独占してるせいか?!)供給が安定している。

晩秋が初冬になった日。

晩秋の尾瀬沼-山歩き5時間、クルマ7時間

2009-11-02 06:36:37 | トレッキング・釣り・テニス
久しぶりに尾瀬沼へ足を延ばしてみた。
高速で2時間、地道を1時間で大清水に到着。

片品あたりは紅葉真っ盛りすぎあたりか、朝日に輝いて目を見張るほどのすばらしさ!

かつての反対運動で止まった林道を一之瀬まで歩き始める。
このあたりもいいなあ・・・
誰とも会わない・・・クマ避けのつもりで大声を2~3回。

林の中には思いのほか、カラ類がたくさん。
シジュウカラか、ヒガラか?
逆さ歩きのゴジュウカラも。

渓流を離れて登りになり、ジグザグの急登と稜線に出ての木道で、林間にある三平峠に着く。

朝露がまだ乾いていなくて滑りやすい、傾斜のある木道を気をつけて下って・・・沼が見えた!大きい・・・
ヒウチもくっきり!

もう閉鎖されたビジターセンター前のベンチでガスコンロを出して、
早い昼食の、煮込みうどんと、好物のタラコのおにぎり。
陽射しが暖かくてちょっとウトウト・・・

長蔵小屋は相変わらずの落ち着いたたたずまいで、小屋番がなにやら修理中。
11月に入ってめっきり人が少ない。
会ったのは、10人くらいだろうか・・・
韓国語を話す4人グループと会う。
昨晩は竜宮小屋だったんだって。

ゆっくりして帰路に就く。
風が強くなってきた。

クルマで走り始めると急に暗くなって小雨混じりになった。
あの韓国グループ、だいじょうぶだろうか?

入ると決めていた温泉で休憩、ここで会ったのは脱衣場で一人だけ。
タオルを雨よけに頭に載せての露天風呂はオツだ・・・

道路沿いでシメジ・平茸・なめたけを、きのこ汁用に購入。
10割そばを舞茸のてんぷらと食す、美味!

帰りの道路は長い渋滞続きで結局4時間。
ナビで大河ドラマを見る始末だった・・・

渋滞はあったけど、静かな山歩きと、紅葉と野鳥、そして温泉と美味を堪能して、肯定感たっぷりの一日になった。