クラクラ音的Blog♪

クラシック音楽中心の勝手気ままなブログです(^^♪

ミョンフンのマラ9♪

2008年02月17日 | 音楽

     
     Chung Myung-Whun(チョン・ミョンフン)


マーラーの9番ということなので行って来ました。


NHK交響楽団 第1614回定期公演 Cプログラム
2月16日(土) 開演 3:00 PM NHKホール
メシアン/忘れられたささげもの
マーラー/交響曲 第9番 ニ長調
指揮 チョン・ミョンフン

15日16日と2日連続で行われた定期演奏会ですが、仕事の関係で2日目の16日を聴く羽目になってしまいました。
初日の演奏会の様子はNHK-FMで生放送してましたね。
途中から聴きましたが、ラストのほうは随分と濃い演奏をするなぁという印象が残りました。
N響のメンバーのブログによると、今回のマーラーでは弦の編成が普段とは大分違ったようです。
第一ヴァイオリン・第二ヴァイオリンとも9プルトという巨大編成とのこと
NHKホールという器を考えてのことか、あるいはミョンフンの考えるマーラーには弦の増幅が不可欠なのか…
自分の耳で確かめるしかありません

ところでチョン・ミョンフンのN響への登場は10年ぶりとのことです。
N響のホームページによると、ミョンフンは2001年から東京フィルハーモニーのシェフをしておりますが、この契約形態が変わったおかげで今回N響を振れるようになったようです。
ミョンフンが東京フィルを振るときはチケットが若干高くなるのはよく知られたことですが、逆に云えばミョンフンのギャラがそれだけ高いということなんでしょうかね
今までの契約では高いギャラを払ってるんだから他のオケを振るのはご法度だったと推測されますけど、さてさて真実はいかに?


16日、渋谷駅のハチ公前からセンター街に入り、HMV渋谷でひとしきりCDを物色してからNHKホールへと向かいました。
寒いせいか土曜日なのにあまり人が出てませんでした。
拍子抜けするほどすいすいとホールに到着です。
するとビックリ、N響の演奏会ではあまり見たことのない光景が目に入ってきました。
「チケット求む!」
確かに話題性の高い演奏会ではありますけどねぇ…


マーラーに先立ち演奏されたメシアンの「忘れられたささげもの」、これは良かったですね。
時間にして10分ちょいの短い曲ですが、オケも指揮棒にピタリとついて好演だったと思います。
技術的に問題があるような曲でもありませんし、終盤の弦は透明感もあって気持のいい演奏でした。


15分の休憩の間に弦の増幅編成のための椅子がぞくぞくと舞台に並べ始められました。
なんと弦の多いこと…
それでもこのあたりではまだ期待値のほうが優っていたんですけどね


いよいよマーラーというあたりからなにやら不吉な予感がしたんですよね
ホール内が妙にざわつくんです
土曜日とか日曜日の演奏会が悪いほうに向かうときの兆候かも
それでなくても平均年齢が高い観客層のN響コンサート、そこに普段クラクラ音楽とは無縁の皆さまがいらっしゃる土日の演奏会。
マーラーの9番の演奏会では静寂は観客の必須マナーなんですけどね

こういうのはけっこうオーケストラにも伝染するみたいですよ。
生とラジオの違いはあるとはいえ、昨日ほどの緊張感が感じられないんです
三楽章までは普通のマーラーという感じでしたね。
いつものごとく多少のミスはあるものの許容範囲ということで、全体的にはいい演奏だと思ってました。
ミョンフンの指揮なので極端に熱くなるのを心配してましたが、譜面を冷静に表現していたように感じられました。
ある一点を除いてはですが

そして最終の四楽章に突入です。
バーンスタイン張りの導入で弦が熱く唸りだしました。
マーラー指定の8プルトを大幅に増員してるわけですから、大きなNHKホールといえども弦がよく響きます
でも、この辺からオイラ的には落ち着かなくなりました

ずーっと感じていたある一点が気になりだして仕方がなかったんです。

弦主体の楽章ということとミョンフンの指示との相乗効果なんでしょうか、明らかに弦が鳴り過ぎという印象です。
それは管楽器や打楽器とのバランスにも現れていました。
通常編成の管打に比べて弦の音が厚すぎるんです。
かつて聴いたことがないバランスのマーラーになってました。
このバランスは正直云ってオイラの許容範囲を逸脱してましたね
存在感のあるコントラバスを土台にしてぶ厚く弦が鳴るので管打がまるで添え物みたいな扱いです。
盛り上げ役としてその存在が認められる管打がフレーズの高揚時に弦に負けていたんでは洒落にもなりませんって

弦の「厚さ」が同時に「熱さ」も持ってしまったがため、曲の終盤に行ってもマーラー指定のersterbend(死に絶えるように)という境地には至らなかったようでした。
まるで太筆書きのような弦から発せられる響きとオイラが欲する細筆から描かれる終盤の繊細さとは少々方向性が違っていたようです
確かに弱音の演奏ではありましたが、熱気が漂う中では静謐な緊張感を共有できるものにはなりませんでした。

どこか弛緩したものがあるようで音楽に没頭し切ってない自分を感じてましたから。
しかも終曲時には、どこぞのKY観客が見事なまでに雰囲気ぶち壊しの拍手をしてくれましたからね


ミョンフンのマーラーは今回が初体験なわけですが、・・・よくわからなかったなぁ




追記

日曜日の昼間なのでのんびりとブログ回りなどをしております。
昨日のミョンフン=N響の演奏会については賛否両論雨霰ですね
マーラーの1楽章で途中退席したなんていうツワモノもいらっしゃったようです。
かく云うオイラの臨席の方も4楽章の途中で他の観客の前をかき分けて退席してましたよ
オイラも最後まではいましたが、ミョンフンが3度目に出てきた時点で帰りました。
N響の演奏上のミスに苛立ちを覚えた方が相当いたみたいです。
今回のミョンフンのマーラーではどういう音楽を作るかに興味の大半が向いていたので、オイラ的には各パートが起こしたさまざまな事故には敢えて目をつむってましたけどね。
聴く人それぞれがいろいろなモノサシを持って臨むんでしょうから、感想もまたいろいろなんでしょう
もちろん熱狂的な拍手を送る方も多数いましたし、あちこちから「ブラヴォー」の声がかかっていましたよ。
ミョンフンとN響の名誉のためにこれはきちんと付け加えておきますね。
あっ、そういえばメシアンだけで帰った方もいたとか

トゥーランドットの三重奏♪

2008年02月11日 | 音楽

     


昨夜の雪は大したことはなく、日中にはほとんどがとけてしまいました。
交通機関への影響もなく、コンサートへも予定通り行けたのではないでしょうか。
日付が変わって三連休の最終日に突入です。


いつものことながら、オーケストラや大手の勧進元、あちこちコンサートホールのホームページを覗いては公演情報の確認などをしておりました。
ありましたねぇ~、おもしろいものが


今年の10月はなんと「トゥーランドット」の三重奏ですよ
よりによって三つのオペラハウスが同じ月に「トゥーランドット」の上演をするんですから

○新国立劇場
○ソフィア国立歌劇場
○キエフ・オペラ(ウクライナ国立歌劇場オペラ)

同じ年に同じオペラの上演があることなどは決して珍しくもありませんが、同じ月に三つもとなると…、こんなの聞いたことあります

「トゥーランドット」は荒川静香さんの金メダル効果がいまだに続いているようで、これがけっこうお客さんが入るらしいんですよね
まあ、どんなにすばらしい上演でもガラガラの観客席ではあまりに寂しいですからね。
売れるときには売るというのが商売の鉄則ですから、あと何年かは毎年「トゥーランドット」が観られるんじゃないでしょうか


では、ずら~っと上演日を並べてみましょうか。
10月
1日(水)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
4日(土)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
4日(土)ソフィア国立歌劇場・・・・東京 東京文化会館
5日(日)ソフィア国立歌劇場・・・・東京 東京文化会館
5日(日)キエフ・オペラ・・・・・・千葉 千葉県文化会館
7日(火)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
10日(金)キエフ・オペラ・・・・・・東京 オーチャードホール
10日(金)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
11日(土)キエフ・オペラ・・・・・・東京 オーチャードホール
12日(日)キエフ・オペラ・・・・・・東京 オーチャードホール
12日(日)ソフィア国立歌劇場・・・・愛知 愛知県芸術劇場
13日(月)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
13日(月)ソフィア国立歌劇場・・・・三重 三重県文化会館
15日(水)新国立劇場・・・・・・・・東京 新国立劇場オペラ劇場
15日(水)ソフィア国立歌劇場・・・・岩手 盛岡市民文化ホール
15日(水)キエフ・オペラ・・・・・・静岡 静岡市民文化会館
18日(土)キエフ・オペラ・・・・・・兵庫 神戸文化ホール
19日(日)ソフィア国立歌劇場・・・・福岡 北九州芸術劇場
20日(月)ソフィア国立歌劇場・・・・山口 シンフォニア岩国
22日(水)ソフィア国立歌劇場・・・・長野 長野県伊那文化会館
24日(金)ソフィア国立歌劇場・・・・香川 サンポートホール高松
25日(土)ソフィア国立歌劇場・・・・兵庫 兵庫県立芸術文化センター
26日(日)ソフィア国立歌劇場・・・・東京 パルテノン多摩

11月
3日(月)キエフ・オペラ・・・・・・埼玉 大宮ソニックシティ
16日(日)キエフ・オペラ・・・・・・神奈川 グリーンホール相模大野


新国立劇場は当然ながら本拠地の新国立劇場オペラ劇場のみですが、ソフィアとキエフが全国回りをするのでものすごい回数になってます

ここ数年の全国日程と合わせると上演していない県のほうが少ないんじゃないかと思えるほどです。
その気になれば調べて集計できますけど…、面倒なのでやんない

演劇の世界ではあちこちに公演することを「旅」と云うらしいですけど、来日オペラハウスこそまさに「旅」そのものですよね。
おそらくは、舞台のセットやオーケストラの楽器をトラックに積んで各上演地に移動するんでしょうから大変なんてもんじゃない。

ソフィアの日程にはなんと、三重→岩手→福岡なんてのがあります
移動するだけでもバテそうな感じです
相当な体力・気力がないととてもじゃないけど無理でしょうね。
そう考えると有り難い事です


日本がお金持のうちは毎年のように来日オペラハウスが来てくれるでしょうからせいぜい今のうちに観ておきましょう
気がついたら、お隣の中国に来るけど日本には来ないなんてことがないとも限りませんからね

メシアン生誕100周年♪

2008年02月06日 | 音楽


オンド・マルトノ (Ondes Martenot)

本年はオリヴィエ=ウジェーヌ=プロスペール=シャルル・メシアン(Olivier-Eugène-Prosper-Charles Messiaen, 1908年12月10日 - 1992年4月27日)の生誕100周年です。

昨年あたりからコンサートやリサイタルがいろいろと行われているようですが、オケ好きのオイラとしては今年に注目です
なんと云ってもあの大規模オーケストラ曲が聴けるんですから

その名も…と云いたいところですが、そう簡単には云えないんです

メシアンはフランス人なので、曲名をフランス語で表記するとこうなります。
La Turangalîla-Symphonie

問題なのはこの日本語表記なんです
○トゥランガリーラ交響曲
○トゥランガリラ交響曲
○トゥーランガリーラ交響曲
○トゥーランガリラ交響曲
ってな具合で微妙にカタカナが違うわけです

カタカナの表記トラブル(?)は昔からあるので珍しいことではありませんが、検索には極めて不便で仕方ありません

CDなどでも作曲者のメシアンから検索すればどうにかなりますが、曲名からだとなかなか行き着かなかったりするので面倒だぞっと


さてと、肝心のコンサートです
年内はNHK交響楽団と東京都交響楽団がそれぞれ定期演奏会で取り上げる予定になっています。

NHK交響楽団
4月11(金)12(土) NHKホール
第1617回定期公演 Cプログラム
指揮|準・メルクル
ピアノ|ピエール・ロラン・エマール
オンド・マルトノ|原田 節



東京都交響楽団
10月14日(火) サントリーホール
第668回定期演奏会 Bシリーズ
指揮*:イラン・ヴォルコフ
ピアノ*:児玉桃
オンド・マルトノ*:原田節


オイラ的には当然両方とも行きたいところではありますが、4月のN響のほうはいま流行のダブルブッキングなので無理そう
なので、残る都響にはなんとしても行かねばなりません

ところで…、気がつきました?
気がつきましたよね

両コンサートとも、オンド・マルトノは原田節さんです。
原田節さんと云えばオンド・マルトノに関しては日本で第一人者だし、その師匠がこの曲の初演の時にピアノを演奏したイヴォンヌ・ロリオ(後のメシアン夫人)の妹でオンド・マルトノ奏者のジャンヌ・ロリオという因縁浅からぬ関係なわけですが…、ややこしいですね

ちなみにオンド・マルトノという楽器ですが、オイラにはとても説明できません。
見た目は上の写真の如くなんですがね
別のサイトでもじっくり読んで見てくださいな

原田節さんのホームページへご案内
オンド・マルトノ(Wikipedia)へご案内

オイラがこの曲を初めて聴いたのは高校生の時ですが、あの年代はこういう電子的な音がしたり、調性がまったくわかんない曲に妙に惹かれるようですね
おかけで、メシンの弟子のカールハインツ・シュトックハウゼンにまでのめりこんでた時期がありましたよ

本来ならここで推奨CDでも取り上げるべきなんでしょうけど、正直その段階までいってません
でもせっかくですから、買うなら原田さんがオンド・マルトノを演奏してるものにしましょう
そうなるとやっぱりシャイー&コンセルトヘボウ管弦楽団と共演したものになるのかな…、などとさりげなくPR

メシアンのコンサートにどれだけの方が殺到するのかわかりませんが、おそらくは満席にはならないような気もするんですが、とうなんでしょうか
派手ではありますけど決してわかりやすい曲ではありませんからねぇ。
それにマーラー級の曲の長さだし

メシアンは非常に幅広く作曲をしています。
大規模なオケ曲から歌曲までなんでもござれの様相です。
ご自分のお好きなジャンルに必ずメシアンの曲があると思いますので是非一度は聴いてみてください。

ダブルブッキング事件勃発!

2008年02月02日 | 音楽

     
      映画『歓喜の歌』


本日、全国ロードショーが始まる映画『歓喜の歌』は、ある地方都市の文化会館で起きたダブルブッキングを面白おかしく描いたものですが、これが現実となるとさすがに笑ってもいられません。


東京都交響楽団Topics(2008.2.1up)

お詫びとお知らせ(第669回定期演奏会の中止について)
本年10月23日(木)に開催予定の第669回定期演奏会『わが祖国』(Aシリーズ・東京文化会館)は、ホールの事情により中止させて頂きます。
皆様に多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
既に本公演を含む会員券・セット券をお求めのお客様には、別途お取り扱いにつきご案内申し上げます。

財団法人 東京都交響楽団
平成20年2月1日



前回、ウィーン国立歌劇場の日程を載せた時に《同日昼夜2公演》の予定をお知らせしましたが、まさかこれがダブルブッキング事件になるとは…、お釈迦様でも……ですよね

東京文化会館で2008年10月23日(木)の15時からウィーン国立歌劇場の平日マチネで、夜の19時からは東京都交響楽団の定期演奏会という予定がどうやら無理そうだと判明したわけです。

この超強行興行を会館サイドが出来ると考えてのものなのか、それともアホなお役人の怠慢業務によるものなのかはよくわかりません。
素人的にも短時間でオペラのセットを片付けるのは大変だろうなとは思ってましたけどね

それにオーケストラにとって本番前の最後の練習、ゲネプロが当日のホールで出来ないなんて非常識なことがあるもんなのかとちょっと訝ってもいました


当日の都響の第669回定期演奏会は、コバケンの指揮でスメタナの『わが祖国』全曲が予定されていました。
2008年度の定期演奏会Aシリーズの中でもインバルに負けず劣らず人気のあったものだと思います。
かく云うオイラも定期演奏会の会員にこそなってはいませんが、この演奏会はチェックしてありました。
残念な気持ちになってる人はけっこういるんじゃないかな


東京文化会館の言い訳はこんな感じみたいです。

当日は、大掛かりな装置が舞台に設けられ、都響のコンサートのためにステージを空けることが、物理的に不可能で、同歌劇場の招請元と都響間の調整が付かなかったという。
同館の使用承認は1年半前に出され、10月23日は都響側が権利を持っていた。
ただ、大規模なオペラ公演などでは3~4年前から長期使用の打診を受け付けているという。
同館は「双方に十分、認識が伝わっていなかった」と、調整ミスを認めている。
(2008年2月1日20時50分 読売新聞)


世界的なオペラハウスと日本を代表するホールとオーケストラでの間での超お粗末なダブルブッキング事件

ファンに大変な迷惑をかけたというのに、お役人特有の灰色決着で誰も責任を取らずに真相は藪の中のままで終わってしまうのでしょうか。