今日は午後から所用で出かけるのに自動車を使用しました。
時間帯がちょうどよかったのでNHK-FMを流していたのですが、聴こえてきたのが『ブラームスのヴァイオリン協奏曲』だったんです。
あまりに堂々とした格調高いブラームスに驚いてしまって途中のセブンイレブンに車を停めて最後まで聴き入ってしまったほどです。
独奏がイツァーク・パールマンと聞いて二度びっくりです
このパールマンというヴァイオリニスト、正直いってオイラの苦手なタイプなんです。
テクニックはもうそれそれはメチャクチャ上手いし、ある分野の曲では非常にすばらしい演奏をするのは重々承知してるオイラですけど、ダメなんですよね。
原因となったのはパールマンが弾いたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、オイラには到底がまんできない出来だったからです。
技巧を前面に出す曲や明るく楽しい曲などでは感心するほどの冴えを見せる人ですけど、このベートーヴェンだけは「ここいう演奏はないだろう…」という悪印象をオイラは持ってしまったんですね。
それ以降パールマンには一切見向きもしない日々が今日の今日まで続いたわけです。
そもそもオイラにとってのヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、プラームス、シベリウスがベスト3なわけでその一角を汚された恨みはけっこう根深いものがあったわけですね
世評がどうあろうとも金輪際聴いてやらないぞといった感じで来ましたからね
事実CDショップなどでもこの人のものは通過するだけで手に取ったこともありません。
そんなわけですから今日のFMから流れてきたプラームスには心底驚愕しました。
その証拠に帰宅時にはしっかりと
CDを購入してきましたよ
とにかく雄大なテンポ感を示した指揮者のジュリーニにまず感心しましたね。
プラームスとはいえそこは協奏曲ですからその気になればヴァイオリンの技巧を前面に出すような曲作りも出来るわけですけど、そういう作為は一切なし
稀代のテクニシャンのパールマンがその技を封印して音楽と真正面から取り組んでいます。
ゆっくりしたテンポ設定ではよほどフレージングには気を使わないといけなくなるわけですが、まさに入魂の出来栄えです。
一音一音気を緩めることなくきちんと鳴り響いています。
この『ブラームスのヴァイオリン協奏曲』は名曲中の名曲ですから、当然のことながら録音でも名盤と言われるものが数々あります。
オイラでさえ10枚以上のCDを持ってるほどですから。
傾向としてはやはりドイツ的な響きをもったオケを伴奏にした演奏のほうが結果は良いようですね。
このパールマン盤の成功も、ジュリーニがシカゴ響からどっしりとしたドイツの響きを引き出したしことが最大の要因ではないかと思います。
どちらかというと軽い弓の動きで明るい音楽作りに終始しがちなパールマンがこれほどまでにしっかりしたフレーズを聴かせてくれたのもひとえにジュリーニのお陰でしょうね。
まずはブラヴォーでした
これを契機にパールマンを聴きまくるということにはなりませんが、…なにせあのベートーヴェンは未だに認めてませんから…、印象が少しは改善したことは確かなようです。