エリザベート・シュワルツコップ
今月の13日、14日(つまり今日ですが…)のNHK交響楽団の定期演奏会にアンナ・トモワ・シントウが登場しました。
曲は稀代の名曲、R. シュトラウスの「4つの最後の歌」です。
この曲は歌曲にも関わらず、オケ派の人もよく聴くけっこう有名な曲なんですよね
決して明るい感じの曲ではないので、幸せ一杯のルンルン気分の時に聴いても感動は薄いかもしれません
作曲者のR. シュトラウスが最晩年に書いたという意味では、いわば「白鳥の歌」に通じるからでしょうか。
曲調もイタリア・オペラのアリアのように大きな口を開けて劇場一杯に声を響かせるベルカント的な歌とは相当に違います。
ドイツリートの範疇に入れるべき曲でしょうから、本来は小さなホールでじっくりと聴くのがふさわしいと思います。
もっともオケの伴奏ですから小さいのにも限度がありますね
それでも、あの超巨大なNHKホールでこの曲を演奏するというのはオイラ的には正直云って感心しません
トモワ・シントウはオペラ歌手の歴史にその名を残すこと間違いなしの超一流のソプラノ歌手です
しかし御歳?歳とこの巨大ホールの組み合わせでこの曲を歌うというのはちょっと問題なんではないでしょうかね
昨日の定期演奏会の様子はNHK-FMで実況中継されていましたが、・・・声だけしか聴けないラジオの非情さを感じました。
再びその舞台姿が見られるかどうかわからないのをホールに行った観客の皆さんわかってらっしゃいますからね、盛大な拍手で何度も彼女を舞台に呼び戻していました。
その意味ではこの巨大ホールでの興行は大成功と云えるのかも知れません。
でも、それと歌の出来とは別のお話です
詩情性たっぷりの高度な表現が要求されるドイツ歌曲ということで録音に名を残す歌手も超一流のソプラノ歌手ばかりです。
筆頭はやはりエリーザベト・シュワルツコップでしょうか。
ジョージ・セルと組んだEMI盤が有名です。
カラヤンがグンドゥラ・ヤノヴィッツを起用したDG盤も評判ですね。
上述のトモワ・シントウもカラヤンと録音しています。
あとジェシー・ノーマンやルチア・ポップも録音してます。
よほど好きでないと何枚ものCDを買うことはないでしょうけど、それでもシュワルツコップ盤とヤノヴィッツ盤は是非聴いてもらいたいですね。
しみじみと聴かせるリートのすばらしを堪能してしてください