ストロングスタチンの日本人に対する効果と安全性を調べた『PATROL試験』を過大評価してはならない。と思います。
各100例程度で、観察期間は僅か16週間であり“目の前の”数値の変化を捉える目的に参考として良いものだとは思いますが、より長期にわたって投与された場合にどういう影響が出るかはまさに神のみぞ知るでしょう。
有名なオーストリアの哲学者ウィドゲンシュタインの如く、“論じえないことについては、人は沈黙せねばならない”のです。
もちろん予測はしても構いませんが(でないと考察も書けませんし)、スタディーのコメンテイターもこれでどうこう結論を言うことは出来ないよ、とそこいらは抑えておられます。
この結果を日常の診療のエビデンスとして用いても構わないとは思いますが、問題なのは例えば『糖尿病の人がストロングスタチンを服用するならばHbA1cの上がらなかったピタバスタチンを使用すべき』と結論づけて他人にアドバイスしたりしないか?ということです。
まあ私自身も2011年1月12日のエントリーで参考にはしているのですが。
理由は簡単ですよね。Tableを見て下さい。
HbA1cの変化は僅か0.1%。現代の測定法でも0.2%前後は誤差の可能性があると言われています。もちろん誤差の可能性があっても有意差が出たならそれはもちろん有意差があると結論づけていいのですが、変化した数値自体が小さすぎるし、51施設という多施設です。HPLC法でも免疫比濁法でも良いですが、変化の数値が小さいだけに同じ機械で測定しているのかも気になります。0.3%くらいの差が出ていればあまり問題にはならないと思います。
あとよく見るとロスバスタチンはeGFRを改善している。
糖尿病治療のほんとうの目的はなんでしょうか。
HbA1cを改善させること?
それはまあ間違いではないが、やはり目的は合併症を出さずにQOLの良い生活を送れることでしょう。
そうなるとeGFR値が上昇していて腎機能保護に働いていると“仮定”できるロスバスタチンの方がピタバスタチンより優れているかも知れない。
しかしeGFR低下がもしかしたら『糸球体Hyper Filtrationの改善』をあらわすのであると仮定すれば逆の意味になる。
HbA1cにしてもベースラインに統計学的有意差はないとしてもピタバスタチンの数値は低いので何とも言いがたい。
また大きな数字のふれのない集団でTTESTをすると有意差が出やすいという問題もあります。こういうスタディは統計学的に処理することで結果を出していいという前提がコンセンサスになっていても、です。
要するにこのPATROL試験の結果は『有害事象も、大きな効果な差も日本人において三剤の間で差はない。但し16週間の観察では』というにとどめるべきでしょう。
ところでこのエントリーを書くのにとても参考になったブログがあります。
他所様(よそさま)の個人ブログをリンクさせるのは気が引けますが、とても良いエントリーなのでお勧めしておきます。
冬(スキー)も夏(サーフボード)もワックスの図。
こっちのSEX WAXは1時間もかかる重労働なのはご存知の通り。まあロングボードほどはうんざりしませんケド。
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さて今日は昨日発表した勉強会(シタグリプチン)が結構長引き、その余波?で帰ってからもデータ整理をしていたりで遅寝してしまい、起きたのが14時!
素晴らしい晴天なので慌てて車にピストを放り込み、山に走りに行ってきました。
久しぶりに踏切(固定ギヤ)で峠を登ったので青息吐息。あとでPolar見たらMAX BPM=169て。。。。。
江文峠でニュージーランド人カップルに道を尋ねられるために呼び止められ(ぜいぜいしながら)教えてあげたため、ゆっくりクールダウン出来ず冠動脈攣縮の危険を感じました。
皆様も追い込んでいる自転車乗りを見かけたら、急に話しかけて停まらせないようにしてあげて下さいね(笑)。
各100例程度で、観察期間は僅か16週間であり“目の前の”数値の変化を捉える目的に参考として良いものだとは思いますが、より長期にわたって投与された場合にどういう影響が出るかはまさに神のみぞ知るでしょう。
有名なオーストリアの哲学者ウィドゲンシュタインの如く、“論じえないことについては、人は沈黙せねばならない”のです。
もちろん予測はしても構いませんが(でないと考察も書けませんし)、スタディーのコメンテイターもこれでどうこう結論を言うことは出来ないよ、とそこいらは抑えておられます。
この結果を日常の診療のエビデンスとして用いても構わないとは思いますが、問題なのは例えば『糖尿病の人がストロングスタチンを服用するならばHbA1cの上がらなかったピタバスタチンを使用すべき』と結論づけて他人にアドバイスしたりしないか?ということです。
まあ私自身も2011年1月12日のエントリーで参考にはしているのですが。
理由は簡単ですよね。Tableを見て下さい。
HbA1cの変化は僅か0.1%。現代の測定法でも0.2%前後は誤差の可能性があると言われています。もちろん誤差の可能性があっても有意差が出たならそれはもちろん有意差があると結論づけていいのですが、変化した数値自体が小さすぎるし、51施設という多施設です。HPLC法でも免疫比濁法でも良いですが、変化の数値が小さいだけに同じ機械で測定しているのかも気になります。0.3%くらいの差が出ていればあまり問題にはならないと思います。
あとよく見るとロスバスタチンはeGFRを改善している。
糖尿病治療のほんとうの目的はなんでしょうか。
HbA1cを改善させること?
それはまあ間違いではないが、やはり目的は合併症を出さずにQOLの良い生活を送れることでしょう。
そうなるとeGFR値が上昇していて腎機能保護に働いていると“仮定”できるロスバスタチンの方がピタバスタチンより優れているかも知れない。
しかしeGFR低下がもしかしたら『糸球体Hyper Filtrationの改善』をあらわすのであると仮定すれば逆の意味になる。
HbA1cにしてもベースラインに統計学的有意差はないとしてもピタバスタチンの数値は低いので何とも言いがたい。
また大きな数字のふれのない集団でTTESTをすると有意差が出やすいという問題もあります。こういうスタディは統計学的に処理することで結果を出していいという前提がコンセンサスになっていても、です。
要するにこのPATROL試験の結果は『有害事象も、大きな効果な差も日本人において三剤の間で差はない。但し16週間の観察では』というにとどめるべきでしょう。
ところでこのエントリーを書くのにとても参考になったブログがあります。
他所様(よそさま)の個人ブログをリンクさせるのは気が引けますが、とても良いエントリーなのでお勧めしておきます。
冬(スキー)も夏(サーフボード)もワックスの図。
こっちのSEX WAXは1時間もかかる重労働なのはご存知の通り。まあロングボードほどはうんざりしませんケド。
さて今日は昨日発表した勉強会(シタグリプチン)が結構長引き、その余波?で帰ってからもデータ整理をしていたりで遅寝してしまい、起きたのが14時!
素晴らしい晴天なので慌てて車にピストを放り込み、山に走りに行ってきました。
久しぶりに踏切(固定ギヤ)で峠を登ったので青息吐息。あとでPolar見たらMAX BPM=169て。。。。。
江文峠でニュージーランド人カップルに道を尋ねられるために呼び止められ(ぜいぜいしながら)教えてあげたため、ゆっくりクールダウン出来ず冠動脈攣縮の危険を感じました。
皆様も追い込んでいる自転車乗りを見かけたら、急に話しかけて停まらせないようにしてあげて下さいね(笑)。