ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

フリオ&ブッツァーティ。

2018-05-13 08:18:53 | 
ふと、図書館で手にした「黄色い雨」という本を借りて読んでみました。
スペイン人のフリオ・リャマサーレスという人が書いた
小説ですが素晴らしかったです。
死人の視線から廃墟となっていく村を描く。
途中で、え? 死んだ人が書いていたのか、、と気付かされます。

本の最後の解説に、ブッツァーティという
イタリア人も同じような世界を描く小説家で
カフカ的で面白いと書いてあったので、
「タタール人の砂漠」「七人の使者」を読みました。

「タタール人の砂漠」は、もうほとんど機能していない砦で
来もしない敵に対して、見張りを何十年も続けるという話。

「七人の使者」は短編集ですが、特に面白かったのは
「七階」という小説。

ある病気で、ある病院に入院することになった主人公。
その病院は、病気の重度によって
階が分かれていて、七階がもっとも軽度で
一階が死の淵にある重病人のフロア。
最初は七階に入院するも、徐々に階が下がっていく話。

七階に入院していた時は、看護師から「新しい母娘が入院して
病床が足りなくなったので、下の六階へ行って」と頼まれるが、
次第に「治療するには、もっと腕のいい医者のいる
下の階の方が安心でしょう」とかなんとか説き伏せられて、下の階へ。
そして、いろんな理由を言われて、最後は1階まで行ってしまう。

久しぶりに、面白かったです。

コメント (1)
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