第50回口語俳句全国大会が、10月16日島田市の大井神社(宮美殿)で開催された。当日私は同会事務局より依頼された「来賓祝辞」を述べるため、午前10時頃大磯を出発した。私は島田市長らの後を受けてお祝いの言葉を述べた。そのときに私が用意した俳句は次の4句だった(時間の関係上、実際に披露したのは一句のみ)。
草に寝れば空流る雲の音きこゆ 芹田鳳車
心澄ませば林の奥の雫なり 同
あめふる灯が灯があめ 秋山秋紅蓼
波が立つたび/翼の音が/点灯する アラン・ケルヴェルヌ(夏石番矢訳)
その日のメインは、北海道芦別市から来た西川徹郎氏の講演「口語で書く俳句─実存俳句の思想」であった。独特な語り口と内容で約90分。彼とは旧知の間柄で、講演終了後、少し話をする。彼の出す雑誌に、私は何度か原稿依頼を受けた。また、詳細は忘れたが、他の仲間とともに、一晩を過ごしたこともある。故攝津幸彦、西川徹郎、私は、ほぼ同年齢。昔から、ことばを交わさずとも、何か通じ合うものがある。
その日は、大会作品1100句以上を、金子兜太、和田悟朗、阿部完市、寺井谷子、岸本マチ子らとともに、特別選者として私(須藤徹)も15句選句した。その中の作品三句を紹介する。
<須藤徹選>
雨の日の苔しみじみと生きている 神田春子
自分の穴を掘っている 虹の根がいい 明石春潮子
頬に触れる風が母のような麦秋 さいとうか・ぜお
写真は島田駅前のクロガネモチの樹。この木にいっぱい鳥が群がり、まるでたそがれの空を祝福する花火のようだった。
草に寝れば空流る雲の音きこゆ 芹田鳳車
心澄ませば林の奥の雫なり 同
あめふる灯が灯があめ 秋山秋紅蓼
波が立つたび/翼の音が/点灯する アラン・ケルヴェルヌ(夏石番矢訳)
その日のメインは、北海道芦別市から来た西川徹郎氏の講演「口語で書く俳句─実存俳句の思想」であった。独特な語り口と内容で約90分。彼とは旧知の間柄で、講演終了後、少し話をする。彼の出す雑誌に、私は何度か原稿依頼を受けた。また、詳細は忘れたが、他の仲間とともに、一晩を過ごしたこともある。故攝津幸彦、西川徹郎、私は、ほぼ同年齢。昔から、ことばを交わさずとも、何か通じ合うものがある。
その日は、大会作品1100句以上を、金子兜太、和田悟朗、阿部完市、寺井谷子、岸本マチ子らとともに、特別選者として私(須藤徹)も15句選句した。その中の作品三句を紹介する。
<須藤徹選>
雨の日の苔しみじみと生きている 神田春子
自分の穴を掘っている 虹の根がいい 明石春潮子
頬に触れる風が母のような麦秋 さいとうか・ぜお
写真は島田駅前のクロガネモチの樹。この木にいっぱい鳥が群がり、まるでたそがれの空を祝福する花火のようだった。