井東 泉さんは、「ぶるうまりん俳句会」の会員であると同時に、ガラス工芸作家としてのキャリアをもつ。数年前に平塚市から大磯町に引っ越されて以来、月一回大磯町立図書館で行われる「ぶるうまりん」の句会にも熱心に参加されている。
<体内の水傾けてガラス切る>の拙作をもつ私(須藤 徹)も、昔からガラス素材の作品に、おおいに関心を寄せており、その意味で今回の個展は、ひじょうにタイムリーであった。井東 泉さんのガラス作品は、俳句と同様、高原を吹き抜ける「風」を思わせるような繊細さが横溢していた。
作品展のタイトル<Turn Over>は「転換」という意味だ。「ガラスの気持ち」に「転換」した中に、井東 泉さんの作家的個性が、ぞんぶんに輝いた一瞬だった。
東京吸血鬼眠らない闇 井東 泉
秋刀魚焼き声つぶれてもカルバドス 同
(「ぶるうまりん」3号より)