PURPLE DOT(別館)

超個人的備忘ログです。
不定期更新、記憶曖昧、自分にしかわからない記述多々。
ただの参考記録です、ご寛恕ください。

“今日は一日ソウル三昧”公開生放送に行ってみた(NHK)

2006-11-04 23:29:44 | REPORT(G)
(以前どこぞにアップしてた、音楽雑誌のライヴレポ風に書いてみたやつです、ほんとは他のアーティストの皆様のことも書きたかったんですが、時間経ちすぎなのでとりあえず当時のやつをだいたいまるっとあげてみます)


NHK-FM、この日限定の特番「今日は一日ソウル三昧」。
その名の通り、一日中ソウルミュージックをOAするという企画。

番組では構成を3部に分け、その中の2部目で「ライヴ・ザ・ソウルミュージック」と題し、事前に公募していた観客の前で4組のアーティストがライブを行った。
ZOOCO、村上涙香、GATS feat.有坂美香、そしてカリフラワーズ。
今回は村上涙香のステージにスポットを当ててみよう。

村上涙香(るいか)、普段は「ゴスペラーズのリーダー・村上てつや」として活動しているが、ソロでステージに立つ時はこの名前を使うという。
上手から、Key(K-Muto)、G(小倉昌浩)、Dr(鈴木達也)、B(宮下智)、Key(佐藤五魚)、Cho(ZOOCO、AI)というバンド編成。
先に自分の出番を終えたZOOCO(from SOYSOUL)はコーラスに回り、村上涙香を呼び込む。観客は彼のファンが多いのか、村上涙香が現れた瞬間、黄色い声に似た歓声が上がった。
バンドが奏でる、とろんとしたイントロ。村上涙香が、ブレスする。

♪昨夜の香りが残るこの深いシーツの海に抱かれて…

Skoop On Somebodyの「Nice'n Slow」だった。
本家Skoop On Somebodyのボーカル・TAKEと歌い方を比べるならば、TAKEは柔、涙香は剛。そんな感じがした。とにかく力で押し切る歌い方。彼の得意技であるファルセットでさえ、歌の中の「君」に有無を言わせないような強引さがあった。

曲が終わり、挨拶をする涙香。
「皆さん、元気ありますかっ?」
反応を求めると、それに応える観客。更に「ラジオの前の皆さん、元気ありますか!!」と叫ぶ。
少し間を置いて
「聞こえてきたよ~!」
と、満足そうな笑み。うまい。
そしてスタッフへの心配りも忘れない。テレビではなくラジオだから出来る事なのかも知れないが、この人はこういう何気ない事を積み重ねて、スタッフの信頼を得ているのかも知れない、と思った。
涙香はさらにスナップや手拍子、コール&レスポンスを観客に要求する。会場の熱が、少しずつ上がっていくのを感じた。
「…ここで、皆さんに簡単な問いかけをします。
 『ソウルって』って言ったら、皆さんが答える。
 でもね。『ソウルって』って聞いたら
 『マニアック~』って答えるかも知れない(笑)」
一同、大笑い。
そこで涙香は「仕込みます!」と一言。看板のようなものが出てきた。そこに何かが書いてある…そして、その時はきた。

「ソウルって!!」

「素晴らしい~!!!」

ソウルって素晴らしい。
その一言をどうやって言わせようか、1週間くらい悩んだ…とライブ後に涙香は語っていた。
間髪入れずに2曲目へ。涙香自身が大好きなAl Greenの「Let's Stay Together」だ。
すっかり熱くなっている会場を見て、観客を立たせる涙香。立ってみて、改めてその近さに驚かされる。ステージが床上15cmほどの高さしかないのだ。観客との距離も、最前列で1m位だろうか。
物理的な近さに加え、この曲の途中では涙香の艶っぽいアレンジにゾクゾクさせられる。CDのオリジナルにはそんな歌い方はないのだ。どんどん、涙香の深みにはまっていくような気がした。

2曲目も終了し、メンバー紹介などの軽いトーク。その流れで、ZOOCOとのデュエット曲を書いた…という話に。
「結婚式の二次会向けハチャメチャソング!(笑)」
などとおどけつつも、3曲目「二人のラブ・ゾーン」を初披露。
するとAメロから、とにかくびっくり。涙香がファルセットで歌っているのだ。普通のデュエットなら、女声の1オクターブ下を男声…といったメロディー作りをするのだろうが、この曲にはそれがない。
サビに入るところで「Love me do!」と互いに指をさすポーズがあるのはO'jays「Back Stubbers」へのオマージュ?なんて微笑ましくなってしまった。

曲が終わって「次が最後の曲です」と涙香が告げると、会場からは「えぇ~っ」という声が上がった。確かに、ここまであっという間だった。気が付くと、最後となるイントロが流れていた。

♪いつものように帰って行く…

上田正樹の「わがまま」だ…。
東京でこれまで2度開催された「Ruica show」なる涙香名義でのソロライブでも披露され、好評だったらしいこの曲。前の曲での楽しい気持ちが一転、叶わない恋愛を女性目線で描いた曲だ。

♪“愛されたい”と願うより“愛したい”と思ってた…

♪あなたはそのまま生きて欲しい あたしの事はだいじょうぶ…

涙香の声が、言葉が、真っ直ぐ胸に突き刺さってくる。
まるでその一言一句が涙香自身の想いであるかのようで、痛い。
だが、この事こそがSOULっていう事なのかも知れない。
人の心が伝わる事がSOULであるとするならば、それは本当に素晴らしい。

曲が終わり、
「どうもありがとう!村上涙香でした!」
と叫ぶ彼の表情は、キラキラと輝いていた。
コメント
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