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皆さんへのお願い:10月30日から始めたこの連続講座「スウェーデンの脱原発政策の歩み」(私の理解では「エネルギー体系修正のための政策」という表現のほうが適切だと思う)がカバーする範囲は、1960年代から1990年頃までです。その頃を振り返りながら読んでください。その後のスウェーデンのエネルギー政策は「緑の福祉国家22~30:エネルギー体系の転換」を参照してください。
スウェーデンのエネルギー政策に対する日本の関心あるいは一般の理解は「脱原発」に集中していると言っても過言ではないでしょう。この傾向は日本だけでなく、欧米のジャーナリズムも大同小異です。ですから、日本のジャーナリズムや欧米のジャーナリズムの提供する「断片的な情報」ばかり見ていますと、スウェーデンのエネルギー政策は、即、 「脱原発政策」となってしまうのです。
ですから、スウェーデンのエネルギー政策を正面から真面目に分析しようとするならば、国内や欧米のジャーナリズムが伝える断片的な情報だけでなく、スウェーデンから入手した資料をもとにスウェーデン社会の背景を考慮に入れてスウェーデンのエネルギー政策に関する議論を展開する必要があります。
スウェーデンのエネルギー政策は単に「脱原発政策」ではありません。このことは1988年の「エネルギー政策ガイドライン」、1990年の「2015年の環境に適合するエネルギー体系のシナリオ」、19991年の「エネルギー政策」を見れば明らかです。
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仮に、スウェーデンのエネルギー政策が単に「脱原発政策」であるなら、現在、数%に過ぎない火力発電を日本並みに(日本の火力発電の総発電電力量に占める割合はおよそ60%です)高めればよいはずです。
この場合に、スウェーデンが必要とする石炭や天然ガスなどの化石燃料をスウェーデンに輸出したい国はかなりあるでしょうし、必要な公害防止技術を輸出したい国もあるはずです。つまり、スウェーデンのエネルギー政策が「脱原発政策」であって、「とにかく原発を廃棄したい」というだけのことであれば、その代替策としては世界のほとんどの工業先進国が利用しているにもかかわらず、スウェーデンでは利用されていない火力発電の建設を進めればよいのです。
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