環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

もう1つのスウェーデンに学べ 「地方財政の進路選ぶ地図」

2008-12-27 13:05:12 | 政治/行政/地方分権
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック          持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック

アーカイブ(公開論文集)
 

 

2009年1月18日の学習会のご案内 
ここをクリック



 
私は2006年2月に 『スウェーデンに学ぶ持続可能な社会-安心と安全の国づくりとは何か』(朝日新聞社 朝日選書 792) を上梓しました。そして、この本の「おわりに」で、次のように書きました。


「スウェーデンをまねしろ!」というのが本書のメッセージではありません。21世紀のグローバルな市場経済の荒海を、先頭を切って進む「スウェーデン号」の「行く先」と「操船術」を真剣に検証してほしいというのが、本書を書いた第1の目的です。国際社会の動きにたえず振り回されている感がある日本の「21世紀前半のビジョンづくり」のために――。スウェーデン号は精巧なコンパス(科学者の合意)と強力なエンジン(政治家主導の政府)を搭載した新造船で、最新の海図(自然科学的知見)をたよりに、みごとな操船術(社会科学的知見と実現のための政策)を駆使して、最終目的地である「緑の福祉国家」をめざします。

1996年9月17日、乗員・乗客884万人を乗せたスウェーデン号は、「21世紀の安心と安全と希望」を求めて周到な準備のもとに目的地である「緑の福祉国家」へ向けて出港し、現在、順調に航行を続けています。 航行中予期せぬ難問に遭遇し、場合によってはグローバル化の荒波に呑み込まれ、沈没してしまうかもしれませんが、順調に行けば、目的地に到着するのは2025年頃とされています。

人類の歴史のなかで私たちが初めて直面する「少子・高齢化問題」や「環境問題」への対応に、「共通のコンパスと最新の海図」がないまま、国民が国の将来を憂い、不安と焦燥感からそれぞれの立場で「できることから始める」のはたいへん危険です。よかれと思ってやったことが、全体として、経済学者がいう「合成の誤謬」を招きかねないからです。


この「あとがき」の中で、航行中予期せぬ難問に遭遇し、場合によってはグローバル化の荒波に呑み込まれて、沈没してしまうかもしれませんがと書きました。現在進行中の「米国発の金融危機に端を発したグローバル経済の危機」 (マスメディアでは“100年に一度の経済危機”とか“未曾有の経済危機”などと、最大級の表現が使われています)は、まさにここで言う「予期せぬ難問」と言ってよいでしょう。

「精巧なコンパスと最新の海図」を装備し、強力なエンジンを搭載した新造船「スウェーデン号」がこの大難関をどのように乗り切るか、そのみごとな操船術によって、目標値である「緑の福祉国家」に到達できるだろうとは思いますが、底知れぬ「津波」のエネルギーの前に不安も多いにあります。


昨日の日本経済新聞が22~26ページにわたって全面広告の形で「自治体公会計ディスクロージャー広告特集」を組んでいます。26ページには「08年度公会計改革首長部会・研究部会報告」と題して「自治体アニュアルリポートのあり方を議論」という記事があります。この公会計改革研究会の座長は東京大学教授の神野直彦さんです。



この記事の22ページに、神野直彦さんの「地方財政の進路選ぶ地図 スウェーデンに学べ」があります。スウェーデンは地方自治の分野でも世界のリーダーです。


神野さんがおっしゃる「スウェーデンに学べ」とは私の理解では、スウェーデンの21世紀前半のビジョンである「緑の福祉国家」の社会的側面の進化を意味しています。このことについては、明日、説明を加えたいと考えています。 

関連記事

「エコロジカルに持続可能な社会」(緑の福祉国家)の3つの側面(2008-12-23)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿