今日、例のブランドバッグのクリーニングの件で電話があった。
『もしもし。本日工場に届きましたカバンの、ココアの染みの件ですが・・』
『あ!ハイハイ!』
『一応、目立たなくすることはできると思いますが、完全にココアが取れるかどうか
やってみないとわかりませんけど、よろしいでしょうか?』
こないだ出したクリーニング店ではなく、さらにその先のブランド品専門の
クリーニング工場の人からだった。
手をつける前に事前に確認するんだな。
多分、失敗したときのための逃げ道確保と思われる。
『あ・・そうですかぁ
目立たなくなればいいですから、お願いします。』
この場合、シロウトのあてれんはそう言うしかなかった。
『そのココア、実は無料のココアだったんです
それがこぼしちゃって、急に8000円のココアになっちゃったんです
だからできるだけ目立たなくしてください
』
染みの理由を話したところで、出来栄えに差が生じるはずもないが、
電話の向こうの工場の人に、少しでも心情をくんでもらいたくて
そんな理由まで話してしまった。
『私の人生の中で、8000円のクリーニング代は過去最高なんです
』
『そうですよね
』
工場の人も心なしか同情してくれたように感じた。
『それで、皮の部分なんですが、補色しますか?』と聞かれたが
そんな余計なことされたら、さらに料金が上がってしまうではないか
幸いそのバッグは布製で、皮の部分はほんの一部分だけだったので
『しなくていいです!!』
と断った。
『了解しました。では料金が補色なしということで6500円になりまして・・』
そもそも8000円が補色アリの料金だったらしく、(っていうか実際は8500円だった)
補色ナシだとちょっと安くなるのだ。
あてれんは6500円と聞いて少し落ち着いた。
『ホントですかぁ!ありがとうございます!』
『で・・、今、キャンペーン中でして、さらに20%引きになりますので』
『えぇぇ
ホントに
わーい
』
最終金額を聞く前からマックスで喜びを伝えるあてれん。
『えーっと・・5200円になります。』
8000円だと思っていたクリーニング代が、ナント5200円にまで下がった
5200円っつったって、クリーニング代にしては高すぎるけど
それでもなんだかメッチャ得した気分になったあてれんは
『いや~
ありがとうございます!助かります!
ぜんぜん急ぎませんので、できる限り目立たないように頑張ってくださいね
』
と、最後はプロを相手に励ましていたのである。
自分は本当にツイテイルと思う。
8000円は覚悟していたことなのに、5200円になるなんて・・・。
そもそも無料のココアさえ飲まなければ発生しなかったお金だということを
すっかり忘れ、逆に差額の2800円を拾ったかのような幸せな気分で
今日一日を終えようとしているあてれんであります。
ポジティブもここまでくると病気かな。