あすかパパの色んな話

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【MLB】ユーティリティプレイヤー・川崎宗則がマウンドに立つ日

2012年04月21日 06時36分50秒 | コラム

イチローもうらやむ『ピッチャー・川崎宗則』が誕生する可能性も?

メジャーが開幕して10試合ほど消化し、徐々に各チームの戦力バランスが見えてきました。各球団のロースターを見渡すと、マイナーからメジャーの切符を獲得した選手の多くが、シアトル・マリナーズの川崎宗則選手と同じく、『ユーティリティプレイヤー』という立場です。それだけ、彼らの重要性は高まっているのでしょう。

 開幕から8月末まで、各球団は25人のロースターで戦わなければなりません。そのうち、近年は分業制や球数制限もあって投手に12人ほど割り当てられるので、野手のベンチ入りはさらに絞り込まれます。しかも日本と違い、メジャーの試合は勝負の決着がつくまで終わりません。よって監督としては、ひとりで複数のポジションを守れるユーティリティプレイヤーの存在が絶対に欠かせないのです。

 現在、川崎選手もユーティリティプレイヤーとして、チームにいい刺激を与えているようですが、かつて同じマリナーズには、「これぞユーティリティプレイヤー!」という選手がいました。それは、マーク・マクレモアという選手で、1986年から2004年までメジャーに19年間在籍していました。マイナー時代は二塁手で、巨人の名ショートだった広岡達朗さんが、マクレモアの守備を見て絶賛したのを覚えています。

 残念ながらマクレモアはなかなかレギュラーに定着できず、チームを転々としました。しかし2000年、マリナーズでようやくレギュラーの座を射止めます。ところが翌年、ブレット・ブーンが移籍してきたため、マクレモアは再び控えに回されてしまいました。

 そこで当時、マリナーズを率いていた闘将ルー・ピネラは、あることを閃(ひらめ)きます。マクレモアを本職のセカンド以外にもサードやショートで出場させ、さらには外野のレフト、センター、ライトでも起用し、そして時にはDHでも試合に使ったのです。その結果、マクレモアは定位置を与えられなかったにもかかわらず、125試合に出場して409打数で117安打を放ち、なんと39盗塁をマーク。ユーティリティプレイヤーながら、立派なレギュラークラス級の活躍を見せたのでした。

そんな活躍もあって、その年のマリナーズはメジャータイ記録のシーズン116勝を記録。ぶっちぎりで地区優勝を果たしました。それ以来、マクレモアは『スーパーサブ』と呼ばれるようになったのです。メジャーリーグで『スーパーサブ』という表現が使われたのは、マクレモアが元祖ではないでしょうか。マクレモア本人も「本来、ユーティリティプレイヤーは週に1~2試合しか出場機会がない。しかし、僕は毎試合のようにプレイするので、立派なレギュラーだ」と語るとおり、彼がユーティリティプレイヤーの新しい概念を生み出したとも言えるでしょう。

 もちろん、川崎選手にはレギュラーの座を獲ってほしいのですが、マクレモアのようなユーティリティプレイヤーとしてチームを支える選手になる道もあるわけです。ユーティリティプレイヤーとしての価値の高さは、メジャーと日本ではまったく違います。例えばチームが大量リードされたとき、ピッチャーとして緊急登板することも、彼らの役割のひとつなんです。

 これは、明らかな負け試合に本職のピッチャーを投げさせるには、あまりにももったいないという考えで、ベンチ入りが限られているメジャーならではの発想です。逆に、延長無制限のためにピッチャーを使いきってしまった場合、苦肉の策として野手がマウンドに上がることもあります。メジャーでは年に何度か、そういうシーンがあるので、個人的にはひそかに『川崎選手が日本人野手として初めてマウンドに立つのでは?』と期待しています。何事にも積極的に取り組む川崎選手の性格なら、それもアリなのかなと。

 スター選手をマウンドに上がらせることは、まずありません。万が一、ひじや肩を壊してしまったら大変ですから。過去にホセ・カンセコが志願して登板し、ひじをケガして残りシーズンを棒に振ったことがありました。イチロー選手も以前、ピッチャーをやりたいという話をしていましたが、さすがにそれは難しいでしょう。もし、川崎選手がマウンドに上がれば、イチロー選手は非常に羨ましく思うのではないでしょうか。ともあれ、川崎選手が今後、どのようにチームに貢献していくのか、ぜひお見逃しなく。(スポルディーバ Web)



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