第44回全国社会人サッカー選手権関西大会1回戦2日目の日程が橋本市運動公園多目的グラウンドで行われた。第2試合で我らが奈良クラブが初戦に挑み、見事に格上のアイン食品(今季関西リーグ2位)を2-1で下し、2回戦進出。新潟での全国大会に王手をかけた。
なお、第1試合で行われたアルテリーヴォ和歌山と日本写真印刷の一戦は3-2で和歌山が勝利した。
第44回全国社会人サッカー選手権関西大会1回戦Bブロック
●アイン食品 1-2 奈良クラブ○
得点:12分嶋、28分松野正
@橋本市運動公園多目的グラウンド

<奈良クラブメンバー>
GK31松石
DF21中村、5杉田(78分=2中川)、4秋本、11松野智
MF16河合(60分=7石田)、24東(66分=19土井)、26矢部、13金城
FW9嶋、10松野正
誰かが倒れてもおかしくないほどの炎天下の橋本で、ジャイアントキリングは起きた。今季関西サッカーリーグでバンディオンセ加古川に次ぐ2位のアイン食品に、奈良県リーグの奈良クラブが勝利。奈良県勢の全社関西での勝利は初。ささやかながら関西社会人サッカーの歴史を揺るがした。
この日は、CBに杉田、秋本。右に中村、左に松野智を起用。そしてチームの根幹である矢部、東のダブルボランチが復活した。右SHには河合、左SHには金城、2トップは嶋と松野正だ。控えメンバーには合流直後の石田が入り、DF上西、上林を除いて考えられるベストメンバーがこの大一番に揃う形となった。
ここで詳細は割愛するが、アイン食品はほぼリーグ最終節バンディオンセ加古川戦と同じメンバー。前線は辻村、井上の強力2トップに中盤の底にはゲームメイカーの佐藤良、10番の南茂もスタメン出場。警戒していた選手は全て出場している。おそらく80分(40分ハーフ)、守備一辺倒の時間を強いられることが濃厚だった。
試合が始まるとやはりアインがポゼッションを握った。しかし、奈良クラブは守備陣が良く頑張る。CBの杉田、秋本を中心にシュートコースを消しにかかり、中盤からの早く高いプレスでボールの出所を押さえにかかった。特に矢部、東のボランチコンビは阿吽の呼吸で、リスクコンダクターとしての東、そしてゲームメイカーとしての矢部と役割分担がはっきりしていた。もちろん矢部も守備にはいつもより忙殺され、なかなか良いリズムは生まれにくいと感じた。
12分に右サイドでボールを持った嶋が狙い澄ましたコントロールショットで先制する。アイン守備陣の意表を突くコースでボールはゴールに吸い込まれた。まさかの先制点。チームには申し訳ないが、この展開だけでも出来すぎな気がした。しかし、この嶋の先制点は、奈良クラブにさらにリトリートの意識を植え付け、タイムアップまでの集中力を保つカンフル剤となった。
28分にはカウンターのお手本とも言える展開から追加点を挙げる。中盤から矢部がボールを左サイドの金城に繋ぐと、対峙したDFをタッチライン際で鮮やかに抜き去った金城はそのままトップギアで左サイドを疾走。クロスを入れると中央で松野正が上手くコントロールし、鮮やかなシュートを決めた。ここ数試合の不調を完全に吹き飛ばす2トップの活躍はチームを上昇気流に乗せた。

矢部次郎(26)、東幸一(24)のボランチコンビはチームの生命線
まさかの2-0。ポジティブな意味で“想定外”だった。関西リーグで最少失点(14試合で13失点)を誇るアインに2点を先行するこの展開。サポーターも浮き足立った。頭を過ぎったのは、この後も同じペースでリズムを保てるかということ。後半足の止まったチームがアインの猛攻を食らい、立て続けに失点を食らうとうことも考えられた。しかし、そんな思いは杞憂に終わる。
後半も奈良クラブは運動量がそこまで落ちなかった。それどころか守備意識の統一が見られ、相手に枠内のシュートを打たせない。特にCB秋本の粘りのディフェンスは出色の出来だった。
DF秋本佳則は奈良育英高校から今季奈良クラブに入団した選手だが、奈良育英ではスタメンを確保できず、Bチームでプレーする毎日だったという。昨年大晦日の前橋育英戦もその姿はおろか、登録メンバーにも名前は入っていない(この時、土井はベンチ入り、金城はスタメン出場)。後に聞けば、春の大会をもって部を辞め、大学進学のために受験勉強に励んだという。「今が一番サッカーをしていて楽しい」と話す彼はYANAGI FIELDでの練習時も照明が落ちるまでボールを蹴っているのだ。そんな彼が対等に格上のチームにその努力と粘りで打ち勝とうとしている。その彼の姿はチームの縮図のようだった。同じように奈良クラブがチーム全員のその粘りと意地とプライドを80分間見せつけてくれたのだ。

終始集中した守備を見せたDF秋本佳則(4)
後半1点を返されるも、徹底した粘りの守備で80分間を走りきった奈良クラブが勝利。ジャイアントキリングは達成された。これで次戦は8月3日(日)橿原公苑陸上競技場で2回戦(FC加古川戦)を戦える。新潟で11月に行われる全国行きに“王手”をかけた。数こそ少ないが、充実したメンバー、そして充実した精神面で、この大会で死力を尽くし、できるところまで登りつめる。奈良クラブは間違いなく面白くなってきた。

この日右SBで出場したDF中村祥朗(21)が攻め上がる

かつて横浜FCでもプレーしたFW石田雅人(7)もこの日初出場

最高の仕事をした殊勲の2トップ 嶋(9)と松野正(10)
なお、第1試合を戦ったアルテリーヴォ和歌山は元G大阪玉置の活躍もあり、先制されながらも3-2で勝利。次戦強敵バンディオンセ加古川を迎えることになる。

和歌山の勝利に貢献した元G大阪のMF玉置慎也
なお、第1試合で行われたアルテリーヴォ和歌山と日本写真印刷の一戦は3-2で和歌山が勝利した。
第44回全国社会人サッカー選手権関西大会1回戦Bブロック
●アイン食品 1-2 奈良クラブ○
得点:12分嶋、28分松野正
@橋本市運動公園多目的グラウンド

<奈良クラブメンバー>
GK31松石
DF21中村、5杉田(78分=2中川)、4秋本、11松野智
MF16河合(60分=7石田)、24東(66分=19土井)、26矢部、13金城
FW9嶋、10松野正
誰かが倒れてもおかしくないほどの炎天下の橋本で、ジャイアントキリングは起きた。今季関西サッカーリーグでバンディオンセ加古川に次ぐ2位のアイン食品に、奈良県リーグの奈良クラブが勝利。奈良県勢の全社関西での勝利は初。ささやかながら関西社会人サッカーの歴史を揺るがした。
この日は、CBに杉田、秋本。右に中村、左に松野智を起用。そしてチームの根幹である矢部、東のダブルボランチが復活した。右SHには河合、左SHには金城、2トップは嶋と松野正だ。控えメンバーには合流直後の石田が入り、DF上西、上林を除いて考えられるベストメンバーがこの大一番に揃う形となった。
ここで詳細は割愛するが、アイン食品はほぼリーグ最終節バンディオンセ加古川戦と同じメンバー。前線は辻村、井上の強力2トップに中盤の底にはゲームメイカーの佐藤良、10番の南茂もスタメン出場。警戒していた選手は全て出場している。おそらく80分(40分ハーフ)、守備一辺倒の時間を強いられることが濃厚だった。
試合が始まるとやはりアインがポゼッションを握った。しかし、奈良クラブは守備陣が良く頑張る。CBの杉田、秋本を中心にシュートコースを消しにかかり、中盤からの早く高いプレスでボールの出所を押さえにかかった。特に矢部、東のボランチコンビは阿吽の呼吸で、リスクコンダクターとしての東、そしてゲームメイカーとしての矢部と役割分担がはっきりしていた。もちろん矢部も守備にはいつもより忙殺され、なかなか良いリズムは生まれにくいと感じた。
12分に右サイドでボールを持った嶋が狙い澄ましたコントロールショットで先制する。アイン守備陣の意表を突くコースでボールはゴールに吸い込まれた。まさかの先制点。チームには申し訳ないが、この展開だけでも出来すぎな気がした。しかし、この嶋の先制点は、奈良クラブにさらにリトリートの意識を植え付け、タイムアップまでの集中力を保つカンフル剤となった。
28分にはカウンターのお手本とも言える展開から追加点を挙げる。中盤から矢部がボールを左サイドの金城に繋ぐと、対峙したDFをタッチライン際で鮮やかに抜き去った金城はそのままトップギアで左サイドを疾走。クロスを入れると中央で松野正が上手くコントロールし、鮮やかなシュートを決めた。ここ数試合の不調を完全に吹き飛ばす2トップの活躍はチームを上昇気流に乗せた。

矢部次郎(26)、東幸一(24)のボランチコンビはチームの生命線
まさかの2-0。ポジティブな意味で“想定外”だった。関西リーグで最少失点(14試合で13失点)を誇るアインに2点を先行するこの展開。サポーターも浮き足立った。頭を過ぎったのは、この後も同じペースでリズムを保てるかということ。後半足の止まったチームがアインの猛攻を食らい、立て続けに失点を食らうとうことも考えられた。しかし、そんな思いは杞憂に終わる。
後半も奈良クラブは運動量がそこまで落ちなかった。それどころか守備意識の統一が見られ、相手に枠内のシュートを打たせない。特にCB秋本の粘りのディフェンスは出色の出来だった。
DF秋本佳則は奈良育英高校から今季奈良クラブに入団した選手だが、奈良育英ではスタメンを確保できず、Bチームでプレーする毎日だったという。昨年大晦日の前橋育英戦もその姿はおろか、登録メンバーにも名前は入っていない(この時、土井はベンチ入り、金城はスタメン出場)。後に聞けば、春の大会をもって部を辞め、大学進学のために受験勉強に励んだという。「今が一番サッカーをしていて楽しい」と話す彼はYANAGI FIELDでの練習時も照明が落ちるまでボールを蹴っているのだ。そんな彼が対等に格上のチームにその努力と粘りで打ち勝とうとしている。その彼の姿はチームの縮図のようだった。同じように奈良クラブがチーム全員のその粘りと意地とプライドを80分間見せつけてくれたのだ。

終始集中した守備を見せたDF秋本佳則(4)
後半1点を返されるも、徹底した粘りの守備で80分間を走りきった奈良クラブが勝利。ジャイアントキリングは達成された。これで次戦は8月3日(日)橿原公苑陸上競技場で2回戦(FC加古川戦)を戦える。新潟で11月に行われる全国行きに“王手”をかけた。数こそ少ないが、充実したメンバー、そして充実した精神面で、この大会で死力を尽くし、できるところまで登りつめる。奈良クラブは間違いなく面白くなってきた。

この日右SBで出場したDF中村祥朗(21)が攻め上がる

かつて横浜FCでもプレーしたFW石田雅人(7)もこの日初出場

最高の仕事をした殊勲の2トップ 嶋(9)と松野正(10)
なお、第1試合を戦ったアルテリーヴォ和歌山は元G大阪玉置の活躍もあり、先制されながらも3-2で勝利。次戦強敵バンディオンセ加古川を迎えることになる。

和歌山の勝利に貢献した元G大阪のMF玉置慎也
おめでとうございます。このまま全国まで駆け上がり、旋風を巻き起こしてください。
不安だらけのどこかと違い、楽しみですね。
まだ結果が出るのは先かなと思いましたが。
補強選手も多いですし、まだまだ、全員でチームとしてプレーする時間は十分ではなかったと思います。奈良ドリームチームは元々有名な選手も、ここで伸びてきた選手含めて、抜群に良い素材が集まっている事を証明出来たんでは無いでしょうか。
器用な選手も多いですし、県リーグと違ってピッチコンディションが良い事で普段より難しい事が出来たんでしょうか。(それは相手にとっても同じですが。)
それにしても、集まれる人数、練習に割ける時間、戦っている環境など何もかも違う中で本当に良く勝ったなと思います。間違い無く奈良の力を結集したチームですね。おめでとうございます!!
嶋くんならきっとやってくれると信じていました。
もうあっぱれの大金星ですねw
次の試合が8/3で橿原公苑での試合、必ず応援に
参戦させていただきます!
久しぶりに暑いところでの試合になりますが
また久々に奈良クラブのサポーターと脚さんに
出会えるのを一週間後楽しみにしています
僕的に考えてみたら6/29の新町での試合が中止
になったのはこの8/3橿原公苑で試合があるから
中止になったんでしょうかねw
まぁそれにしても本当に暑い中、選手&サポーターの
方々にはお疲れ様でしたと言いたいです!
本当にありがとう! 奈良クラブ!
コメントありがとうございます。
旋風を巻き起こせるかどうか、まだ1試合目が終わったところなので分かりませんが、とにかく引き続き死力を尽くすのみです。
>すしさん
コメントありがとうございます。
試合ではいつもぶっつけ本番なほど練習という練習は全員でできていません。
それを考えると確かに凄いことですが、慢心もできません。
この結果も喜ぶのはその日までで、日曜日の試合に気持ちを切り替えなければと思っています。
格上に勝ったのに同等のチームに負けていては意味ないですからね。
ピッチコンディションに関しては、県リーグでも会場として使用している天然芝とさほど変わりません。
そういう意味では、YANAGI FIELDでの練習の成果が出ているのかなと思いますね。
>しっぽさん
コメントありがとうございます。
嶋は必ず点を取ると約束してくれていました。2トップ2人でかなりシュート練習をこなしたようですね。
引き続きすぐ試合が続くので、期待したいです。
>yuuくん
コメントありがとう。
橿原での試合は是非来て下さい。
トーナメントなんで負けると次は無いですからね。
気持ちを切り替えてFC加古川戦に挑みましょう。
ここのところのもやもやしたのを晴らしてくれた感じですね。
ただ滋賀FCもそうですけど次勝たないと道まだ半ばですからお互いチームを盛り立てて行きましょう!
そして新潟で…会いましょう~
選手や環境の充実はもちろんですが、矢部選手たち全員が『練習はうそをつかない』と信じてやることで、たいていの事はできますよ。
子供たちにもいつも言ってます。
『努力は裏切らない!』
奈良クラブに関わる全ての人たちが、同じ将来のイメージを描けていれば、おもしろいことになりますよ!
嬉しい悩み…スタメン選び…そこまで、来たぁ~~~~~~~~っ!
コメントありがとうございます。
次の三洋洲本戦頑張って下さい。
奈良、和歌山、滋賀と関西J無し県で揃って全国に行ければいいですね。
>Riseさん
コメントありがとうございます。
ここのところもやもやしすぎてましたからねw
ただ、おっしゃるように次勝たないと意味がないので、気を引き締めていかないといけません。
>おやじさん
コメントありがとうございます。
本当に昨日の選手たちには感動しましたし、このチームは爆発的な潜在力を持っているなと思いましたね。
まあ、まだ次戦がありますし、気を緩めれません。2戦続けて勝てていないリーグの流れもしっかり10日から建て直していきたいところです。
>コブ・チャン・サンさん
コメントありがとうございます。
熱中症になりながらも大旗振りお疲れさんです。
上林は訂正済みです(^_^;)
しかし、マジでベストメンバーはどんな布陣か分からなくなってきましたね。
秋本ナイスアピール!