蓮始華(れんしか)

れんか先生からの心のメッセージ

天使のような君へ

2012-10-31 15:45:26 | 日記
 秋空は晴れ渡り、澄んだ朝の空気の中を太陽の光が一直線に地上に降りてきたあの日、君はその光に包まれて逝ってしまったね。
 
私が初めての中学1年生のクラス担任を持ち、そのクラスに君は転入してきた。痩せてすらりと背が高い君は、恥ずかしがりやでちょっと気弱そうに見えたよ。でもすぐに、進んで仕事の手伝いをしてくれる姿に君の優しさと、何よりご両親のしっかりとした躾の素晴らしさを感じた。

 君は私が副顧問をしていた吹奏楽部に入部し、お父さんも吹いていらした同じ楽器、トランペットを吹くことに決まったね。2年生になって部を背負って立つには、もっともっと精神的にも逞しくなって欲しくて、我々顧問一同は、来る吹奏楽連盟のアンサンブルコンテストの金管五重奏のリーダーに任命した。これは君にとって大変光栄でもあった分、すごいプレッシャーにもなっていたと思うよ。でも真面目な君は毎日練習を積み重ね、少しずつ上達していった。私はあの頃、一番君が気がかりで、毎日練習を見に行っていたね。

 日も短くなり、部活動が終わる頃には、もう外も真っ暗で、校門の辺りで無邪気に友だちと遊んでいる君の姿を見たとき、私はふっと「この子は天使みたいな子だなあ。」と感じたのを覚えている。何かとても透明感がある男の子だった。
 
 コンテストの本番を数日後に控えたあの朝の通学路で、君は酒気帯び運転のトラックに後ろから突っ込まれた。その日は朝練が無い日だった。今もね、あの日朝錬をしてあげていればとか、私の通勤用の車があのトラックの前を走っていたらとか、そんな事を5年も繰り返し思うんだ。
 
 お葬式へ向かう君を乗せた黒いワゴン車は中学校の校門をゆっくり通ってくれた。部員たちは一列に並び、暗譜して君に曲を捧げたっけ。それはとても華やかな、そして堂々とした曲だった。皆、涙を堪えながら一生懸命君を送ったよ。
 
 本番前の体育館でやったリハーサルの時、屋根をバタバタと駆け回る音がずっとしていたね。君は本当に出場したかったんだよね。
 
 本番当日、特別参加という形で君のパートをお父さんが吹いてくださった。私は涙で霞んで見えなかったから、君が舞台に立っているようだったよ。
 
 13歳の短すぎる人生。どうぞ、早く生まれ変わってもう一度、一から人生を堪能してください。お願いしますね。

今日は大切な日~生徒の命日です

2012-10-31 07:45:34 | 日記
おはようございます。
夕べの満月は綺麗でしたね~~。

思わず、願い事たくさんかけちゃいました。

巷ではセーターを着て歩く人の姿が当たり前になり、季節の移ろいを感じます。

今日は10月も最後の日。
そして私にとっては、とっても大切な日。
午前中は通院ですが、それからお墓参りに行きます。
私の生徒の命日なのです。
彼の死から立ち直るには、随分と時間がかかりました。もちろんまだまだ時間はかかるし、一生忘れることなんてできません。

今年、ある出版社の「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」コンクールで佳作を頂きました。
佳作といっても入賞した数はとても多いのですが、先日それらが一冊の本になり出版されました。
   鎌倉新書「今は亡きあの人へ伝えたい言葉 3」   定価1600円

今回は東日本大震災の被害者の方の特別賞も設けられています。
読み応えがある本です。
そして、それぞれの方の心が伝わってきて、情景さえも目に浮かんできます。

私も含めて、この機会に大切なあの人へ手紙が書けたことを感謝する手紙がたくさん出版社に寄せられたということでした。
なくなった方への想いを、再度確認できる良い機会を与えてもらえました。

もしよろしければ、アップしますので読んでみてください。

忙しい一日となりそうです。
もし生きていたら大学1年生です。
どんな進路を歩んでいたんだろうって思います。
自転車がすきだったから工学部あたりを狙っていたかなあ~。

今日一日が良き日となりますように!

ほんとは怖い「白雪姫」の母子関係

2012-10-30 08:38:35 | ショートストーリー
おはようございます!雲の切れ間からお日様、にっこりです。でもちょっと肌寒いかな?

以前、本当は怖いグリム童話のお話しを幾つかご紹介させていただきましたが、その中でも「白雪姫」のお話は、実母による娘殺し‥ううう~~おぞましいですねえ~~のお話しです。

まあ、殺人未遂で終わるわけですが、美しい娘にジェラシーを抱く母が、家来に対して
「森の中でこの子を殺して、この箱に心臓を詰めて来い」と命令するわけで、まあ残酷であります。

家来はやっぱり出来ないんですよね~。でブタの内臓を詰めてくるわけですが、こうした実の母子関係には古今東西、決して単純明瞭にはいかない関係の難しさを秘めているように感じます。

自分が母からされて傷ついたことは、決して我が子にはしたくはない‥と思うものの、わが身に染み付いたもの‥性格‥その他諸々はそう簡単に変えられるものではありません。

育ってきた環境がその人の全てですから、やっぱり同じようなことを繰り返してしまう‥

ですから、私は「白雪姫の母」も実は哀れな人なのではないか‥と思うのです。

王宮の中での寵愛を誰が受けるのか‥熾烈な争いの中に身を置き、すっかり人を信じることさえ忘れ去っていった人なのではないでしょうか。

そのことに気が付くこともできずに、まっさかさまに坂道を転がり落ちていく「白雪姫の母」‥
魔術が使えたとしても、魔術は人を陥れるために使ってはなりません。
やはり「黒魔術」は封印しなきゃいけないのです。

純真無垢な「白雪姫」は心ある家来によって助けられました。
親元から離れ、過酷な森の中で七人のこびとたちと暮らすことによって、「生活をする地道さ」を体験していきます。

西欧では7という数は何か特別な意味合いがあるようですが、七通りもの違う性質に触れながら育てば、かなり多様なものの見方が出来る人となるでしょう‥

「白雪姫」にとっては「森」という未知の場所で育ち、多様性に富んだ性質に触れながら育ったことはやはり良かったことなのかもしれません。何しろそこには「愛情」という大切なものもつまっていたのですから。

この「白雪姫」を真面目に深く見つめると、話はつきませんね。

母子関係は実に過酷です。そういう思いをされている方、多いのではないでしょうか?
私もそうでした。
昨日まで実家におりましたが、ああして話せる関係に行き着くまでの長い道のり‥母子関係とはかくも深いものであります。

神あり月・出雲の海

2012-10-29 23:18:23 | ショートストーリー
神が集う出雲の海、10月もあと二日…月が満ちるのは明日でしたね…ごめんなさい、明後日だと勘違いしていました!

去年の12月初旬のある朝にふと思い立ち、サンライズ出雲の残り一室の切符を買い求めてしまった私…。
猫2匹と共に遥か出雲の地を訪れました。

初冬の日本海はまだ優しく私を迎えてくれました。

でもなんとも神々しい景色でしょうか…。

大陸にも近く、渡来人も来たこの地…悠久の歴史に想いを馳せながら、遺跡を巡りました。

もうすぐ季節は一巡します。

私も随分変わりました。あの頃よりは少しだけ前向きになっている気がします。
でも心に残る忘れられない風景です。

神様たちもそろそろもとの居場所にお戻りになる用意を始めていらっしゃる頃でしょうか。

神様もあの出雲の海をご覧になってから帰られるかしら…
私が猫2匹と見たあの海を…
(*^_^*)

「最後の一掛け布団」猫狂奏曲

2012-10-29 07:35:07 | 日記
おはようございます。
昨日は雨の中、猫狂奏曲といった一日。

なんたって「高級羽毛布団」その他、毛布、シーツの洗濯から始まって、もちろん天候が悪いので全く乾かず…

人間「気象予報士」の私もどんどん体調が悪くなり、ほとんど起きていられない状況…

新しい布団を買いに行くことも出来ず、結局母がホットカーペットの上に布団をひいて、毛布の三重掛けで寝てくれ、
その横に二匹の猫たちが侍っていました。

母は寝返りをうつことも出来ないで一晩を過ごしたようです。申し訳ない…

私はまだちょっと体調の悪さを残しつつも、晴れてきたので少しだけ体が軽くなってきた。

本当に大変な二日間でありました。

「最後の一葉」って話がありますが、まさに「最後の掛け布団」です。

これにやられては冬がすごせないわ、と母は嘆いておりました。

今週は10月の最後の週です。

わたしも気分新たに新しいものにチャレンジしていこうと思っています。

秋も深まります。どうぞ風邪などひきませんように!いってらっしゃい!