東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

蛇崩川緑道(1)

2010年06月22日 | 散策

午後東横線中目黒駅下車。

蛇崩川(じゃくずれがわ)は世田谷区弦巻あたりを水源とし、東側へと流れ、目黒区に入り中目黒駅近くで目黒川に合流している。

現在は暗渠化され、その上が蛇崩川緑道となっている。この緑道を合流地点から水源を目指して西側に歩いた。

中目黒駅前の山手通りを右側で横断し、そのまま直進すると、目黒川にかかっている日乃出橋に至る。このすぐ下流側に蛇崩川が目黒川に注ぐ合流地点がある。

橋を渡り右折し、少し歩くと、右の写真のように対岸から合流地点が見えるが、蛇崩川からの流れはほとんどないようである。ここも水不足になっているのであろうか。

引き返し、橋を渡り、左折して進むと、先ほどの合流地点が反対側(蛇崩川側)から見える。

山手通りをふたたび渡り、駅横の公園風のところを進み、道路を渡り、左折し(直進すると自転車置場の方に進んでしまう)、すぐに右折して進むと、小さな公園がある。

公園の中を進み、左の写真のように両側にフェンスのある狭い道を通り抜ける。こういった道があると散歩が楽しい。

この道・公園(あるいは横の自転車置き場への道)、さきほどの駅横はともに、もと蛇崩川であろう。

上記の狭い道をでて、東横線のガード下を通り抜け、左折して進むと、ようやく緑道らしい道が見えてくる。

上記の緑道を少し進むと、右の写真のように緑道が道路脇にできており、まっすぐに延びている。

緑がだいぶ濃く、ようやく緑道らしくなってきた。

写真中央右に見えるように蛇崩川緑道の説明パネルが立っている。

これを見ると、以前は、蛇崩川は先ほどのガード下から先、写真の狭い道付近、目黒川との合流地点まで開渠であったようである。

また、ガード下を通り抜けたあたりに二三橋という橋があったようである。そのような痕跡は見えなかったが。

やがて諏訪山橋に至る。左の写真のように標柱が立っている。

先ほどの説明パネルの立っているあたりから諏訪山橋までの間の北側一帯を諏訪山とよんだらしい。

ここから緑道は、両側に民家やマンションがある道に変わる。車道がないので、以前に歩いた呑川本流緑道その支流緑道とは違った感じとなる。民家やマンションの間の散歩道となるので、杉並の桃園川緑道とちょっと似た感じである。

緑道を通り抜ける風がさわやかで暑くなった身に気持ちよい。

緑道は右の写真のように両脇が植え込みの緑でいっぱいになっている。所々に花も咲いている。

しばらく進むと、「蛇崩川と佐藤佐太郎」という説明パネルが壁に貼りつけられている。

それによると、蛇崩川は、かつては大変な暴れ川で谷も深く、古老の話によると、烏森神社あたりでは千尋(せんじん)の谷だったという。このあたり一帯の旧地名でもあった「蛇崩」の名は、川が蛇のようにうねって流れていたから、とか、両岸を深く浸蝕しそこに土砂が崩れていたからなどの説がある。

昭和48年(1973)に暗渠化工事が完成し、この川が散歩道に変わった。このあたりに住んだ歌人の佐藤佐太郎(明治42年~昭和62年)は、晩年ここをよく散歩し、蛇崩の地にちなんだ作品が残っているという。

烏森神社は上記の諏訪山にある神社と思われる。
(続く)

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