展示が終わった後、気味の悪い疲労感が襲ってきた。
今は大分精神は回復したものの、後を追ってきたように身体の様子も波打ってる。
病気ですとかそういうんじゃない。いつもと違うな変だなって程度。
こーゆーところに出てきたか、って程度だ。
たった一人で世界に立つのは想像以上に寂しくて
自分がどこにいるか目を離した隙に見失ってしまう。
当別町の自宅で制作し、箱をかりて外に向けて発表すると
ああ、あたしはここに立っているぞと実感していても
重心は足元にあるんじゃなくて、胸にあるはずの「気持ち」だったりするのだなと
夜寝る前なんかに、考えてみたりした。
私にはその重心となるはずの心が余りにも頼りない。
重心であるはずの心が、そんなに重くない。
人と対峙してさらされる絵と同じように
晒されている自分自身が ギャラリーの中で自動乾燥機のようにグルグルして
とにかく「これじゃあマズイ」と思った。
でも何が不味くてどうしないとマズイのか
理屈じゃなく身体が分かってくれない。
きっとこの人懐っこさは、天性のそれなんだろう
それを制御するには
絵を守るためには 自分自身を守るためには
そして絵を観てくれる人たちを大切にしていくために
私はどう変わらなくてはいけなんだろう。
自分に自信を持つなんて
持ちかけては手から落としていく繰り返しだ
腹を立てるべきところ、許してはいけないところ
他人、客との距離
プロの領域とはなんだ
そんなことがハッキリと今回の展示では肌身で感じ
多くを受け取ったが為に
そして絵から人、恋愛、生活、社会とすべてトランプみたいにパタパタと展開していく。
あまりにそれが大きすぎて整理できず
今こんなに疲れているんだろうと、解釈してるんだけど
こんなに絵を見せたことで苦しいのは
絵を描いているから
心が折れないのは
絵を描き続けてきたから
自分自身を知ると、ひとつ強くなれるらしい。
強くなれたら
一歩前の世界に出られるから
想像以上に外の世界はひろいので
辛かったり色々あっても
人生はやっぱり死ぬまでやめられないなぁと思えるから私は絶対幸せだ。
私は絵描きであって、イラストレーターじゃない!と
展示終了後は強く思った。イラストとアートの違いはあっても差はない。
どちらも素晴らしいんだよ。
好きで描いた絵が評価される。それはイラストじゃないからだ。
イラスト関連雑誌を広げて感じた違和感は
私の絵がそれと違うからだったからだ。
実際はイラストの仕事もしているわけで
それはそれとして楽しい。
違いが分かって
自分の重心さえはっきりしていれば
枠で囲むことなく
なんだってできるんだよね。