先日、ちょっと台湾は台北まで出かけてきました。
桃園国際空港に降り立ってとりあえずしたことは
鼻をひくひくさせたこと。
季節ごとの匂いがあるように、その国の匂いが必ずあると思ったから。
台湾の匂いは
まさに薬膳、漢方の匂いがした。
旅の目的はB級グルメ。
一日10食は口にした。ええ、少々太って帰ってきましたよ。
B級といってもB級こその高級品を捜し歩いたのである。
フカヒレも食べたけど。18襞のあるショーロンポーにも舌鼓をポンポンうち、
何やらヤバ気な木の実も口にしてゼーゼーし
現地人も今は避けがちの苦茶(ク―スー)に感動したり
屋台へは時間問わずに顔を出してはとにかく食った。
ゆったりとした、癒しの旅だったね。
身体の喜ぶもの、舌の根っこをギュッと絞られるような味や
パンチのあるものをコンスタントに食べ続け
胃も体も疲れるどころか元気になって帰国した。
人も食べ物も優しい国。「わかもと」とは無縁の旅であった。
…あ、それはウソ。念のため飲みました、わかもと(汗)
ちょっと台北から足を延ばして九份(きゅうふん)へも行ったので、
そのことを書こうと思う。
列車に乗って台北から瑞芳まで出て、そこからタクシーを拾う。
九份はもともと金鉱の町。千と千尋の神隠しのモデルにもなったところで
赤ちょうちんのぶら下がるエキゾチシズム満点の坂道だ。
台湾人は親日家である。タクシー運転手に限らず皆驚くほど親切であるが
ここのタクシーのオッサンたちは観光地だからか
度を越して「ポン引き」っぽい感じがしないでもない。
「170元でいくヨ」
下から攻略したかったので、福徳宮でおろしてもらうことにした。
しかし運転が恐ろしいことこの上なし。
この国の交通ルールって一体…。
クラクション鳴らせばいいってものじゃない。
ちょいと広めの歩道くらいの道幅を、大型バス、暴走タクシーに暴走原付が
スピード緩めずすれ違って行くのだ。
こちらの感覚もだんだん麻痺して行く。
危ないといいながらも平然とシートに深く腰掛けていた。
ぶつかったらぶつかったときかぁ…そんな感じ。
わがタクシーは60~70キロほどで唸りを上げて快調に走る。
「オーケー、謝謝、どーもねー」
なんて外を見ると「オーケーじゃないよ、おじさん、ここ違うでしょ」
着いたのは福徳宮じゃなく福山宮。
「えっ…う~ん」地図を改めてみている。彼は焦っている。大いに焦っている。
今更地図を確認しだすオヤジ。
字が小さくて見えなさそうにしてるので、ノートに大きく徳の字を書いて見せるも
「う~ん…」
観光客相手に商売してるくせにわかんないのかよ…。
タクシーはぐる~っとまわって走る。
左側には山の斜面に立つカラフルで可愛らしい家がひしめき立っていた。
まるで自分がいつも描く世界。カーブに振り回されながらジ~ンとする私である。
途中、小さな寺に立ち寄り、商店にも聞きに入った。
運転手は本格的に迷っているらしい。
やり取りを眺めてると「アー!!」と手を打って喜ぶ運転手。
「わかった、分かったわかった」嬉しそうにドアを開け、空を見上げ
私に親指を立ててみせた。
その後ろを…
大型バスが遠慮なく
ガーーーー!と走っていくではありませんか。
開いたドアのギリギリを行く台北観光バス。気づかないで笑ってるおじさん。
おいおいおいおいおいおいおいおいおい
本格的に轢かれちゃうよ!!!
「アリガト、ゴメンネ、アリガト」
初めはポン引きっぽかったけど、最後は善良なおじさんになって別れた。
何件か道を聞いて歩いたため、あちこちを観光することが出来た。
ちなみに帰りのタクシーは150元ですんだ。
あ、九份?よかったよ。雨に降られたけど、
そのおかげでおしくらまんじゅうをしなくてよかったもの。
旅の詳細はきちんとまとめるつもり。
写真を見てわかるように
曇り空さえ、美しいところだ。
わたし、食の味もそうだけど、きれいな曇り空と紫色のネオンの色合いを
きっと忘れない。