徒然ウォッチング

エリアマネージャー日記。Q.O.L.がテーマです。

谷町いまむかし

2006-03-29 | 社会
大阪のタニマチと東京のタニマチはえらいちゃうんやで~。

なんてあたりまえなんですけど、いわゆるパトロンを意味する語源の"タニマチ"は大阪の谷町のほうなんですってね。



昔、お給料を貰えない下っ端の関取衆から、このあたりの幾つかのお医者さんや歯科医さんが治療費をとらなかった事にその地名の由来があると言われています。
ほかにもお食事を振舞われたり、お小遣いを貰ったりと、関取や芸人さんたちエンターテイナーにとっては、とーってもありがたい人たち…が住んでいたというエリアなんですね。

実際大阪の谷町筋は江戸時代はかなりのアップタウンだったそうで、天王寺あたりまで立派なお屋敷がずらり並んでいたとか。
…今はビルが林立する普通の都会…
「ビルが林立」という意味では、東京の谷町も変わりませんが…。

さてその東京の「谷町」は、わが職場より至近、丁度東京全日空ホテルあたりから溜池までの地域を指し、地名としては赤坂一丁目から二丁目あたりを言うようです。
昔、赤坂福榎町といったあたり(赤坂二丁目から赤坂通りに坂を上がる付近のエリア)の隣がそう呼ばれたらしいけど、谷町という地名はいまは現存しておらず、首都高のインターチェンジの名称と「溜池」という交差点の名前に、その由来と名残を探ることが出来るのみです。

共同通信社ビルからアメリカ大使館やホテルオークラのあるあたり、…正確には虎ノ門ですが、このあたりは昔からお屋敷エリアだったみたいで、ここから下のエリア…つまり「霊南坂」の下、(つまりアークヒルズや泉ガーデンのあるあたり)は急な崖になっていて、反対側の福榎町を挟み、崖の下は所謂「谷」でした。溜池交差点はその崖のさらにくぼんだ沼地だったところ、まさしく溜池であったわけで、今でも大雨が降ると水たまりが出来てしまいます。

この谷の北側斜面には昔から無数の墓地があり、このあたりから六本木まではずーっとお墓の町であったようです。(六本木の裏通りは、今でもお墓だらけよね)
住友グループが自社地を中心に再開発した「泉ガーデン」は、ほんの数年前までこの谷を望むお墓のエリアでした。「南坂」という溜池の下から延びる坂の名前も、なんかそんな感じでしょ。
実はここのお墓風景…私、子供の頃の記憶が残っているんです。

…アークヒルズは…その昔何があったか覚えていますか…?

記憶は定かではないのですが、森ビルがこのあたりを再開発する前の風景を、私はぼんやり、けれどもある意味でははっきり覚えています。
「東洋曹達」と崖のコンクリート壁に大きく書かれた真っ黒で怖い感じの文字。子供の頃のある日、私は父の運転する車の後部座席から「あれはなんて読むの?」と聞きました。「とうようソーダ」。漢字なのに「ソーダ」という答えが意外で、このフレーズは耳から強烈に、そして目にはその文字のすぐ下にあるたくさんのお墓と卒塔婆の光景とともに、私の記憶に焼きついたのでした。

全く関係ないのに、私の頭の中で「東洋曹達」とお墓は密接な関係のあるものとして、長い間恐怖イメージで関連付けされてしまっていたようです。(東洋曹達さんごめんなさい。今の東ソーさんですね。(現在は芝のファーストビルに移転。))

さて、昔その東洋曹達東京本社があった敷地こそが今のアークヒルズなのですが、この場所と虎ノ門の地名のはざまに、昔も今も桜がとても綺麗な道があります。今の桜並木は植林されたもので、「桜坂」という名前も新しいものかもしれませんが、このエリアの一番のお花見スポットです。私は桜の季節になると、霞ヶ関方面から事務所に戻るとき、わざわざ神谷町からスゥエーデン大使館の脇を抜け、この桜坂を通ってお花見をたのしむんですよ。

写真はライトアップされた「桜坂」と名残惜しい桜。奥のお店はキハチです。オープンエアのテラス席がいくつかありますが、このシーズンはプラチナシートになります。何度も来ている私ですが、残念ながら桜のシーズンには一度もテラスに陣取れたたことがありません…。

…この雨で桜も終わりですねー。

自由学園

2006-03-25 | 友人知人
友人であり顧問先である会計士の先生からメイルがきました。
なんでも、お知り合いのお子さんが那須の「自由学園」にお子さんを入学させたらしいんですが、学校見学してきてたまげたと。

「都市の論理」の著者、羽仁五郎氏のご長男の映画監督、羽仁進氏が現在この学校の学長さんだってことはご存知の方多いでしょう。
…特殊な教育方針で有名なこの学校のこと、私も聞いたことくらいはありました。
実際にこの方はお子さんを入学させる前に当然学校訪問をなさったとかなんですが、一番驚いたのは衣類も自分で作ったり、牛や豚の育て方はもちろん、さばき方まで実習したりするらしい…
で、もちろんそれを食べる…というところまで一貫でやって、食物連鎖を実習するらしいの。ひゃー。

那須農場HPをみると、この牛のミルクは生徒たちが絞ったもので、これで作ったアイスクリームを通販している。
うーん。

私たちはいま生きている自分たちで作って形成された社会を「普通の社会」だと思っているわけだけど、ここでは原始のいとなみを教わることから始めるわけなんですね。そうすることによって「あたりまえ」と思っていた社会の人為的ひずみや矛盾にも気がつくのかもと。(私はまったく形成された社会のるつぼで安穏としているのでこのあたりかなり鈍くなっていますが)

羽仁進氏は新左翼の革命理論家、そしてカリスマ的存在で、70年代、当時の学生運動を支援し、この分野の著書も多いのですが、意外なことに父である森宗作氏は第四十銀行(その後の第一銀行、のちの第一勧銀いまのみずほ…)の創立者で初代頭取。もともとはっていうと桐生の毛織屋ですからばりばりの資本家の家柄だったんですね。
ところが1926年、そもそもキリスト教系の教育を行っていた自由学園の羽仁説子と結婚、婿入りし、森姓から羽仁姓を名乗るに至ったそうな。
でもまあ今の自由学園にはさすがにそういうイデオロギー的なことがカリキュラムにあるわけではなくて、なんというかスーパーナチュラルと自由創造を学べる学校…なんだそうです。(ちなみにご子息を入学させたという会計士のご友人ご自身は戦艦三笠と伊勢神宮と松下幸之助がお好きなんだそうで、「パターン認識しちゃいけないのだ」と戒められました…)

ところで話変わりますが、モンゴルの遊牧民は、ずーっと家族同様に一緒に遊牧して暮らしてきた羊をある日突然さばいて食料にするのですって。
学校に行ってない子供たちにとっては、いつも一緒だった羊は兄弟であり一番の友達…。
でもそれを食べなきゃだめなんだって。
安楽死なんて勿論無くて、いきなり子供たちに手足を持たせておなかからさばくんだって…。

子供たちはエンエン泣きながらさっきまで一緒に遊んでいた羊を食べるの。
「食べる」ことの尊さを、きっと考えさせられますね。

大人になってしまった今の私には、こうした現実を思考の糧にできるだけの柔軟さはもうないかもしれないけれど、
これから大人になる世代には、是非とも形骸化している社会に対して、常に自ら考えて疑問符を投げかけることができるように、いろいろな経験ができる機会を得られるようにしなくちゃなーと思います…。

でも機会を与えるだけで、決して結論を投げかけてはいけないのね。
色々な世界や習慣や自然のいとなみを見て、知って、自分で考えること、そうしたたくさんのアイコンを比較し、考えることで思考能力が鍛えられるんではないのかしら…。

牛をさばいたりミルクをしぼったりといったスーパーナチュラルだけではなく、休み時間を挟んで10分後にはストックマーケットのバーチャルシミュレーションの授業があったり(ストックに興味は無いんだけど)、ただ仲良くするっていうことだけじゃなくて「擬似口喧嘩ディベート」とかあって、仲直りの方法を模索したり…現実にはないだろうけど、たとえばそんな何かに偏らない授業が受けられる学校に行きたかったなー。



死生観の公式

2006-03-24 | 雑感
原因不明の高熱でダウンした三毛猫の看病を始めて二週間。
熱は下がりましたが食欲は相変わらずまったくなく、注射と点滴の日々です。
手当ての甲斐あって命の危険レベルではなくなりましたが、強気生意気暴れん坊の三毛猫は鳴りをひそめています。


こういう状況になるとなんだか「死生観」という言葉が頭をよぎりますねー。

アメリカインディアンのように、生死に対する明確な答えとそれを導き出す公式が現代人にもあればいいのに。
荒野で動物たちの生死を常に目の当たりにし、死も生も日常にあたりまえに存在していたというアメリカインディアンの死生観…。この、口頭で伝承されてきた教えは今では様々な書物となっていますからわたしたちも気軽に手に取ることができますが、その本当の姿やリアリティは、やはり大荒野で自然や動物たちや自然の厳しさやリスクや恵みの中でしか感じることはできないものでしょう。

諦観や悟りのための死生観ではなく、間違いのない判断をするための指標としてのガイドライン…。
インディアンばりの悟りはいらないし、その境地に至るのは絶対無理だけど、うーん、たとえば医療関係の方とか宗教家の方とかにも、人それぞれに異なった、けれども基本的な死生に対する考え方っていうのがあって、誰かにそれを押し付けることなくこの世の中でちゃんと機能しているセオリーってありますでしょ…その基本線があることに、第三者も安堵させられてることも度々あると思うの。この境地というか、私なりに確固とした自他への死生観が欲しいです。(ごまかしでいいので)

幸い三毛猫は山を越えましたが、もともと細菌性ショックによる下半身不随(と思う)に加え、床を擦って歩くので膀胱炎は常習。今回のトラブルもおそらく緑膿菌(自然界に常駐するごく当たり前の菌。)かなにかによるものだと思うのだけど、そんなわけで赤ちゃんの頃からタリビットとバイトリル(どちらもニューキノロン系の抗生物質)のお世話になってる彼女、多分かなり負担がかかってます。

当然今後何度もシリアスな状況に遭遇すると思うので、現在こうしたケースをマネージするための思考セオリーを模索中…?
(なんてこといっても今に始まったことでもなく、いつも結局結論は出ないので、この課題は常に先延ばし。何とか熱を下げてくれた三毛猫に今回はアリガトウなんですけど…)

猫再度ダウン

2006-03-20 | 雑感
またまた久々のブログ画面‥
年度末に入ってやたらと雑用が入りあちこち飛び回っていたのと、例の三毛猫が高熱を出して入退院を繰り返していたのが重なって、ちょっとてんやわんや状態でした…いまもだけど。


熱は39.5度。
食欲皆無。
血漿に強い着色‥!すわ、黄疸!?
‥と真っ青になったのだけど、いつものT病院での検査結果、TBILは0.8mgでなんとか正常値内。‥でも血漿が強く着色するなんて‥。あまりただごとではないかも…

T先生仰るに、黄変なら黄疸だけどこれはどちらかというと緑変だと…。へ?緑変!?きいたことないでし。

いまだに原因は不明なのだけど、まだ殆どご飯を食べてくれない。抗生物質で熱は少し下がっているけど、原因がわかったわけではないし相変わらず食欲無いので点滴が必要。でも病院では眠ってくれないらしいので、結局毎朝夕送り迎えの日々です。
血液検査はすべてノーマルレンジ。傷もなし。あとは雑菌…?うーんわかんない。X線も異常なし…あとは何が原因なのか…さっぱり…。大好物のかにかまもどきにも後掻きしちゃうのよね。少しでいいから食べてほしいんだけど。

…年度末でやることもいっぱい。お仕事も宿題も溜め込んでます。そんなわけで公私共に忙しくしていますが、少し三毛猫の容態も落ち着いてきたのでちとご報告・・・。

あ、そういえば今朝は一年ぶりくらいに夢をみました。

基礎代謝

2006-03-13 | たべもの
またまた食べ過ぎちゃいました。きょうは友人たちが一足早くホワイトデーのイベントを仕組んでくれて、自由が丘の焼肉やさん、漢江へ。一昨日まで仕事の会食続きで、そうでなくても摂取カロリー過多気味だったけど、さらに駄目押しでございます。…太らない体質とはいえ、…やばいかもっ。


さて、ここでお食事の報告で終ってしまっては「徒然w」ではなくなっちゃうので、きょうは代謝についてのオハナシです。香りの話題もサボり気味でしたので、代謝を助ける精油についても少し触れますね。
人間の体は言うまでもなくカロリーを消費すること、つまり代謝でエネルギーを消費して生命を維持していますが、代謝が悪くなると肥満や抵抗力の減退や倦怠をはじめ様々なトラブルが生じてきます。

代謝の7割は基礎代謝、2割が運動代謝、1割は食事で活性する褐色脂肪細胞の代謝だといいますけど、 基礎代謝を上げるには、まず冷えを解消して体温を上げること、同時に血行を良くすること、エネルギー消費効率の良い筋肉をつけること、 肺活量を増やして心肺機能を高めること、 などがあります。あと、案外脳を駆使している間も、基礎代謝はかなり高まっているようです。

脳を駆使するというのは特に難しいことをするのではなく、単純作業のときでも何かに集中したり感情や判断の状態に起伏があれば活性しています。たとえば車の運転中。何気なくハンドルを握っているだけのようでも、目はしきりにあちこちに視線を移し、脳は目や耳で得た情報を処理するのに忙しくしています。慣れで無意識のようには思えますが、実は神経系はかなりのハードワークを駆使しているのです。判断だけではなくブレーキやアクセルの力の入れ具合を制御し、ステアリングも総合的情報によって脳の緻密な情報処理の結果に基づき、操られているわけですね。
…夏など、助手席に座っていてエアコンが効きすぎて寒いと思っても、運転している人は暑がっているとかっていう経験はありませんか?もしくはその逆とか。あれは運転している人の脳がほかの人の脳より活発にはたらいているからなのですよ。

あと、映画とかゲームですね。ワタシも大好きなラリーシミュレーションのゲームなんて、かなりエネルギー消費しそうです。このあいだも凍えながら駆け込んだバックス・カフェ(スタバじゃなくてオートバックスが六本木でやってるクルマ好きの人のカフェね。朝五時までやってるのでつい入っちゃうのだ)のラリーゲーム、三回延長になって、もう汗だくになっちゃったもん。

さらに映画やお芝居の鑑賞もかなりですね。特にスリル&アクションものなんて、脳味噌はフル回転ですきっと。
推測ですが、基礎代謝のかなりの部分は脳の活性やそれによって起こる身体的な状況(喜怒哀楽などによる興奮)に左右されてるのではないかしら。
つまり、エネルギーの摂取量や物理的運動量というよりも、習慣の中でメリハリなく生活してたり、外的変化が少なかったり、また怠惰な生活をしていると、これも太っちゃう大きな一因じゃないかと思うんですけどねー、どうでしょう。

いつも焦って慌ててパニクっている落ち着きのない日々を送っているワタシはかなり基礎代謝高そうです。体温は…低いんですけど…。

ではここで基礎代謝を上げる方法…

・塩分を控える(むくみますし、いいことありません。基本中の基本!)
・カリウム(むくみをとり、代謝を促進します)やマグネシウムを採る(脂肪の燃焼効率よくなります)

・カフェインを採る(神経が活性しますが採りすぎ注意)

・カプサイシンを採る(唐辛子に含まれてます。たしかにポッポしますよねー)

・青魚を食べる(EPA、DHAで脳味噌活性!)

・運動したあとの良質なプロテイン摂取(なかなかできないけど…)

・グレープフルーツやジュニパーの精油を焚いたり吸引する。
 (グレープフルーツは代謝を促進します。また、お風呂上りのジュニパーは発汗を促進し、利尿を推進するので、代謝が高まります。でも腎臓に疾患のある方には禁忌ですから、ゼラニウムで代用でもいいです。体液の滞留を自然に解消してくれます。

 ※ラベンダーは従来説では代謝が向上すると言われていましたが、昨年10月、阪大の研究グループにより脂肪を蓄積させる効果が発表されました。ダイエット中の方はちょっとパスかもです。

・ハーブティーのチョイスならローズマリー、フェンネルなどがお勧め。


…というわけで久々に香りの話も織り交ぜて。写真上は自由が丘の焼肉やさん、漢江。(おいしかった!)下はついはじけちゃう六本木バックス・カフェ。


事業用借地権

2006-03-08 | おしごと
会食続きです…
お酒が入るとへばってしまうので、またまた更新が滞りがちでした。書きたいことはたくさんあるんですけどねー。
今夜の席は芝のうかい亭。東京タワーの真下の豆腐懐石のお店です。



何とおよそ6000㎡の敷地の中に個室を点在させたお店のレイアウト。山形の、築200年の造り酒屋の樽や資材を使い、飛騨高山の建築家の方が新しい感覚で再構築したというその建築物は、東京タワーを直上に仰ぎ見、芝公園の杜の木々の高さを遮ることなく、公園のたたずまいにしっとりと溶け込んでいました。
古い日本の趣を意識した内外装ですが、ではいつの時代の?と考えると定かではない…ある意味心地よい曖昧さは、きっと計算されつくした演出なのでしょう。
歴史モノっぽい造りではあるんですけど、実はまだ去年の9月14日にオープンしたばかりのあたらしいお店です。

創業者の鵜飼貞男会長(3月1日に会長に就任)率いる、うかいグループは1964年にうかい鳥山を開店、現在9件のうかい亭と、数箇所のリゾート施設を経営しています。

株式会社うかいは先月2月22日に、ジャスダックに公開を果たしたばかり。新興市場への公開というと「ベンチャー」というイメージが強いですが、創業42年の老舗のチョイスでもあるのですね。

さて、この「うかい亭」は、あの芝公園の中にあります。日本電波塔株式会社、そう、あの東京タワーが所有する土地、東京タワーボウルの跡地といえばピンと来られるでしょうか…事業用借地権方式という形態で、この土地が再利用されているのです。

事業用借地権を使った商業施設は、土地の所有者がリース会社と事業用定期借地契約を結んだうえで、リース会社が施設を建てて、その建物と土地を一括して借りる不動産活用の一方式です。所有者側に初期の資金需要が発生するので節税にもなり、また借りてオペレーションする側は「丸ごとリース」ですから初期投資額を大幅に抑えることができますし、その後もオンオフのバランスを適切に保つことが出来るというわけです。

さて、日本電波塔株式会社も株式会社うかいも、かなり歴史のある古い会社ですが、この二社にこの思い切ったスキームを提示し、この大型事業を組み立てたのは、なんとあの東京急行電鉄株式会社でした。
「所有しないでオペレーションする」ことが、土地の有効活用という視点で既にあたりまえになった現在、こだわりのない柔軟な姿勢が土地に新たな息吹を吹き込み、今までになかった事業形態やジョイントベンチャーが次々と実現可能になっています。

資金需要と設備投資は景気のバロメーターと言われますが、こうした提案を実現化するためには、動く金額が大きいだけに、信頼のおけるプレゼンテーターと、幾つかの成功事例を立証する時間が必要でした。事業用借地権の基本スキームは十数年前からあるもので、決して斬新な方式ではありませんが、日本も漸くこれらの条件を地主さん、事業主さんにエビデンスを付して説明できるようになってきたということですね。実施例とその成功例を確認するには、やはり多少の年月はかかるものなのでしょう。この「うかい亭」のスキームも成功を収め、次なる土地活性の事業プランの呼び水になって欲しいものですね。

参考までに、以下はこの「とうふ屋うかい」の概要です。昨年春の東急電鉄のニュースリリースから。写真はうかい亭正門から見た東京タワー。


敷地面積 5,988.77平方メートル(1,811.60坪)
延床面積 2,990.86平方メートル  (904.74坪)
個室数 60室
収容人員 504人
主要用途 飲食店舗
構造・規模 鉄骨造一部木造2階建・平屋11棟
駐車台数 24台
設  計 有限会社桂田設計
施  工 株式会社三恵建設
年間目標 来場者数16万人、 年商16億円
開  業 2005年9月

大人ニート

2006-03-05 | 社会
「大人ニート」が増えてるんだそうです。昨年に比べ25~34歳が増加し、6割を超えたとか。(15才から34才の統計ですから、それ以上の年齢を含めると、さらにかなりの数になるでしょうね。)
NEET(Not in Employment, Education or Training) 
直訳すると
「就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人」。

景気が概ね回復基調にあるらしいので、若手の就職は困難じゃなくなってきたのかも。
一方で昔からニートだった人はニートのままってことかもしれませんね。
日本はその気になれば高齢者でさえなければ、また仕事を選びさえしなければ仕事はすぐに見つかる環境にあるので、これはいかに「非就業」を許容できる(客観的にも経済的にも)社会なのかってことでもあります。
この表現の中には「ひきこもり」も勿論含まれるのですが、引きこもってない人もかなりの割合のようではあります。
私の周りにも、結構お気楽ニートな人は多いですよ。

…でも最近、こうした状況を許容する社会も、ある意味で必要かなと思うようになってきました。
たとえば芸術活動なんて、就職しててはやっていけないこともあるでしょう?中世以降、肖像画を描かない画家の多くが人生の半分以上をニート状態で過ごしたというし、音楽家も然りだと思うし、身近なところでは今ではすっかり国民的俳優のOさん、昔から存じ上げているけど、芽が出るまで十年近く女優Aさんに面倒見てもらってたし、映画監督Nさんもちょっと前まで似たようなものだったし…(この世界はよくある話だけど、そうした時期は今の彼らにはきっと必要だったのです)。芸術がリベラルに育つ環境と就労数値って、反比例してるような気がしますね。

競争社会は厳しさがある反面、こうした人を育成したり、また芸術家ばかりではなく斬新なアイディアに投資をする人も同時に育んでいると思うので、ニートを選択している人たちのポジティブな側面もちゃんと見ていきつつ、現に就労したいけれど仕事につけない人の問題と区別して考えていかなくちゃと思うのです。
昔から日本ではタニマチ、西洋ではパトロン(今は聞こえよくエンジェルと言いますかね…)が豊かな時代ほどニート芸術家を支えてきたのですもの。

就労人口の高い社会…共産体制下などでは、国策アート以外はあまり成長しませんからね。

現在の現実的な問題は「妄想的自己評価」に陥っている人の就職でしょう。自分への評価が高すぎて、なかなか自己の落としどころが見つからない人です。または自意識が強すぎて、理想に合致しない就職先には見向きもしない…。社会生活をしないから謙虚さも培われず、人を尊敬するということも忘れがちになる。かといって現実社会の門はあまりにも厳しいと…

自意識が強いまま大人になってしまうと、実務能力は若手に遅れを取ってくるので、今度はいじけてきちゃうし、かといってそういう人は職業訓練が必要な仕事に就きたくないだろうし、拗ねてかわいげもなくなってくるから援助者(親とかカノジョとか?)も痺れてきちゃうだろうし、これが悪循環化してくるのですね。
変なプライドが先行しているからどこでもいいから就職ってわけにいかないと思うし…。

私も仕事でたまに採用にかかわることもありますが、年齢を重ねた方ほど提示条件への柔軟性がなくなっているのに驚かされます。

厚生労働省発表の05年の数字は次の通り。

ニート
64万人(4年連続64万人台)
内15~24歳は25万人→前年比4万人減
内25~34歳は39万人→全体の6割超

フリーター(定職を持たないがたまに働く人)
201万人(前年比13万人減)
内15~24歳は11万人減
内25~34歳は2万人減→全体の48%

朝日の記事はこちら

写真は一年半前、路上でへたり込んで見事我が家に就職を果たした三毛猫ミッキー。彼女の捨て身の就活?は見習うべきところがあるのでした。
下半身不随じゃ「プライド高い孤高の野良猫」は、ちょっと演じきれないものね。
…いまや我が家で一番威張ってますが…。