徒然ウォッチング

エリアマネージャー日記。Q.O.L.がテーマです。

日航つれづれ

2006-08-23 | 社会
明日は四国の高瀬というまたまた「小さな町」に行きます。
遁世閑居?しつつも、研究成果に熱き持論を持つ、70才の数学者さんにお会いするのです。
どんな方なんだろ…わきわき。

…大手の航空会社やジェット機利用に飽きて、ここのところ暫く新興エアラインや新幹線のお世話になっていたけれど、やっぱり忙しいときはスピード第一。目的地は香川県の片田舎なのだけど、愛媛県スレスレ。松山空港で降りて、瀬戸内海沿いの道をレンタくんで走る予定です。勿論初めての街です…。
例によってアサイチヒコーキだけど、午後の早い時間には東京に戻るつもりなので珍しく事前にご報告…。

ANAのマイレッジがなくなってきたので今回は10万マイル以上残っている、日航のマイルを消化します。
日本航空…。そもそもは国が1951年に設立した特別会社(1987年に民間運営に移行)でもあった歴史ある航空会社ですが、先月(七月)の12日に、「外資」になっちゃってたって、知ってた~?



…歴史の時計を1970年代にぐるりと戻すと、日本最初の個人による大型M&Aだったかもしれない、糸山英太郎氏による株の買占めで、かなり長い期間同氏がこの会社の筆頭株主でした。この一件は日本人の株式への意識をドラスティックに変え、またジャパニーズドリームの若き体現者として、糸山氏を一躍時の人とさせました…。
時は流れていまや筆頭株主はモルガンスタンレー。発行済み株式の5.78%を取得しています。日本の象徴、鶴に日の丸のヒコーキは、いまや外資ファンドの会社だとは・・・うーむ。(この会社に三越も買われました…苦…以前の記事どうぞ。)
(ちなみに合併前にJASの筆頭株主だった東京急行電鉄が法人では大株主としては二番目。糸山氏も個人ではいまだ筆頭であり、エグゼクティブアドバイザーでもあります。)

心揺らぐのは、外資ファンドの会社になっちゃったからだけではないの。
こころなしかゼロ戦を髣髴させるあの「日の丸のかけら」をイメージした赤い尾翼のペイント(太陽のアーク)も、米国の有名なデザイン会社ランドーアソシエイツによるCIの一環で、日本人または日本のデザイン会社によるものではないのよー。

日本人の反感を買わないようにと、CIに腐心しているかに見えるモルガンスタンレーは、株の大量保有報告書ではこれを一時的な保有であると記載してもいます。むむっ、でも三越買収のときもたしかそんなこと書いてあったわ。緻密に反感を買われないように努力しているのが伺えますね。こうしたローカルの心情にもケアしながら、外資は着々と「日本」を買っている…ふた昔前、ロックフェラービルを買った三菱地所は結局地元ニューヨークっ子の反感をぬぐえずに再度売却したし、最近では阪神をちゃっかり買おうとしただれかさんも、結局は失敗したわけだけど、日本人てこういうところに無頓着なんですね。やっぱり「心理戦」て大切なんだなー・・・。

ついでですが、日本航空は一昨年社名変更もしていて、正式な社名を今は日本航空インターナショナルといいます。
…歴史と伝統を紡いできたこの会社の度重なる不祥事は、こうした変遷による士気の低下というのもあるのでしょうか…。
特に日航ファンという訳ではないのだけれど、この赤く塗られた垂直尾翼が、そこはかとなく寂しいのでありました…



灼熱の長野

2006-08-20 | 雑感
長野に来るのはもう何度目かになるのだけれど、車を使わなかったのは初めて。



用があった場所はここから信越本線で三つ目の今井というところで降りて、そこから2キロほど先の片田舎…なのだけど、恐ろしいことに、その今井駅にはあてにしていたタクシーがなく、タクシー会社の表示も皆無。内陸の炎天下、かなりためらったものの、他に手段がないのでとりあえずその2キロを歩きました。
なにもない駅前に林立するグレーの建物群は、長野オリンピックの選手村だったもので、今は公営の住宅になっている様子。
無機質な色とフォルム。僅かな日陰を求めてその脇を歩いてみたけれど、かなり遠回りになってしまった感じ。
わずか2キロだからタクシーが楽かなと決め込んでいたけれど、駅前なのに表示すらないとは。加えて本日は雲ひとつない大晴天。きっと摂氏35度はかるくあるだろうな。この試練は何かのカルマか?
目的地からの復路は篠ノ井タクシーという地元のタクシー会社を呼んでくれたので助かったけれど、運転手さんに聞くと、あの駅には一日いてもお客さんこないし、日陰もなくて車の中でも暑いので、普段は介護タクシーとしてデポまたは近くのスーパーの駐車場で待機しているのだと…。ふーん、そうなんだ…。

用は思ったより早く終ったので、長野駅周辺で時間をつぶすことに…。でもこの駅前でさえ本当に何もないのでまたまた途方にくれる。
駅の向かいに見えたスタバの緑の看板に引き寄せられて歩道橋を渡ると、手前のビルの本屋さんの店頭で古書展をやっていて、ちょっと立ち読み。中には50年以上も前の本がとても綺麗な状態で手に取ることが出来たりして、興奮。ジャン・コクトーのポトマックが文庫ではなくハードカバーで置いてあったりして、一瞬物欲に走りそうになったけれど、文庫は持っているし、定価を遥か超えたウン万円の価格がついていたし、脳味噌も炎天下にさらされたあとで検討の気力も萎えていたので、何も買わずスタバに移動。やっとコーヒーにありつく。生き返る。

外に出るとレトロなアナウンスとともに黒い車が現れた。目にしたのは子供の頃以来に目撃したかもしれないプロレス興行の宣伝カーだ。再度軽く興奮。



うーん、「歩くこと」はたくさんの発見がありますね。けど、今回ばかりは灼熱地獄にめげました。

写真はレトロな地方都市、JR長野駅。

次なる幹細胞

2006-08-12 | 医療
かねてから注目されていた、京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らのiPS細胞についての研究が米科学誌セル(電子版)に発表されたとか。

従来、ヒトES細胞を再生医学に応用することは倫理上の問題が取りざたされたり、悪性腫瘍への転化が懸念されたりしていたけど、山中教授らの研究による誘導多能性幹細胞(iPS細胞)は、自己の細胞からES細胞に似た多能性と増殖能力を兼ね備え、かつ腫瘍の形成に至らない特殊な幹細胞なんだって!(ゆ・ゆめみたい!)おまけに「その人本人の細胞」なので、当然にして受精卵も未受精卵も使わない。ゆえに生命の大元を傷つけることもない。これはすごぉい。

既にマウス実験では、この細胞(iPS細胞)を皮下に注射すると、ES細胞を注射した場合と同様に、消化管のような構造と、神経組織、軟骨組織が生じたんですって。もう人の体細胞を使った研究に入っているっていうけど、再生と抗加齢医療がますます注目を浴びそうなこの時代ですから、一層期待されちゃいますね。…どこからどこまでが「治療」なのか「メンテナンス」なのか、はたまた「神の手を遮る行為」なのか、その端境は難しいところだけど、「それでどうする」ということよりも、「その気になればソリューションはある(カモシレナイ)」ということに人が繋ぐ期待があるということは、それだけでQOLの向上になるのです。

山中教授の研究はこちら

ところで今は大阪です。例によって旅先ではヒコーキの中でもホテルでも「紙の新聞」が読めるので嬉しいです。じゃ、取ればって?…うーん、東京にいたら読まないのよねぇ…。
写真はホテルを出てレンタカーで難波に向かう道中のヨドバシカメラ。

淀橋という名前は新宿の高層ビル群があったところの昔の地名。昔は淀橋浄水場って言う大きな浄水場があったらしいんだけど、…東京の地名に由来するお店が大阪駅前に進出してるなんて、目の当たりにするとちょっと変な感じでもあります。

けだるい夏?

2006-08-08 | 雑感
ある方に某音楽プロデューサーを紹介するため、自由が丘の「ビジュレイ」に。
味も見た目も美しく、繊細な台湾料理とお茶とお酒、そしてデザートを供してくれるお気に入りの店。(本来はお茶屋さんなのだ。飲めないアタシにはぴったりなんだけど、しかし飲んでしまった…)

今回はホスティングという役割をまじめにこなさなければならなかったので写真は撮れなかったのが残念なんですけど、インテリアも二重丸なんですよ、ここ。自由が丘に行かれることがあったら、是非立ち寄ってあげて欲しいです。
オーナーは、知る人ぞ知る六本木タトゥー東京の黎明期の広報を一手に担ったKくん。
去年渋谷に出した二号店「ビズリ」も好調とのことでご挨拶したかったのですが、本日は出張中でお留守でした。

ところで今夜のように夜ウロウロ出歩いた後でも、ちょっと前まではそのままオフィスに戻るとデスクワークのひとつやふたつ朝までフツーにこなしていたのに、おかしーなー。トシだろーか、うーん。なんかけだるい。

けだるいというよりかったるいのは、やっぱり来たか…の、公安委員会からのお呼び出し。ありがたい講習を受けさせてくれるという…とほほほほ。

きょうは写真がないからこのありがたきお達しでも載せておきますか…ぐすん…。




カンナ

2006-08-06 | 社会
殺伐とした東京の道路わきのあちこちを彩るカンナ。
溜池の交差点に立つと角のトライアングルに植えられた、黄色い花々につい目を奪われます。
日照りと酷暑に耐え、排ガスと埃を浴びて育ったカンナ。痩せた土にもしっかりと根をおろすその姿は可憐でかつ凛々しいのでした。

相当のことにも倒れそうにないのに、冬にはからきし弱くって、一定の寒さが続くと、ある日突然根が死んでしまうんですって。

同じ都会の花でも、桜の散り際は次の季節への予感があるし、美しくそしてドラマチックだけれど、カンナがその一生を終えるときは、希望も段階もなく、薄汚れてて惨め。
でも、直前までの健気は誇り高い武士の最期のよう。

…誰が思いついたのか、都内の道端や中央分離帯にはあちこちにカンナが植栽されています。
灰色のアスファルトの視界を突然遮る場違いの原色が、無機質な都会の道路に仁王立ちしていてぎくりとするのです。



写真は第一京浜国道。
高輪郵便局の前の夜のカンナ。

正しくはメヒコ

2006-08-04 | たべもの
地方にUターンして起業した友達が久々に上京したので、きょうはその世話でアゴ足と宿の手配に奔走しました。
会社の近くのウイークリーマンションを契約してあげて、その至近のメキシコ料理のお店で夕食。またまた今夜も高カロリー。
お店の名前はメヒコリンド。場所はいつもの馴染みのお花屋さんのすぐ近く。

メヒコリンドとは「かわいいメキシコ」という意味なんですって。その名の通りかわいいママさんとマスターが70年代を過ごしたメキシコでの生活をお料理で再現したお店で、赤坂ではかなりの老舗。もう29年もやっているのだそうです。


mexicoのXはhの音、メキシコは正しくは「メヒコ」と発音、メキシコ(Mexico )は英語発音で、首都のメキシコシティーも本来はスペイン語のシウダー・デ・メヒコ(Ciudad de Mexico)と呼ばなければ現地ではわからない人もいるらしい。「メキシコシティー」と思い込んでいた場所が本当は「シウダーデメヒコ」、うーん、えらい違いです。 旅行の時には気をつけましょうね。

メキシコは今も昔もアメリカのゴミ箱と呼ばれている悲しい国です。果物や金鉱資源の豊富な今のカリフォルニア州はもともとメキシコの一部でした。
米国は1800年初頭、カリフォルニア、テキサス、アリゾナ、ニュー・メキシコをメキシコから購入しようとしたのですが、メキシコがこれを拒否したため米墨戦争(1846年-1848年)に発展、戦争の途中1848年にはカリフォルニアで金鉱が発見されたので、米国はますます侵攻の手を緩めず、この翌々年この地はアメリカ合衆国第31番目の州になってしまったのです。

今もカリフォルニア南部のあちこちにはメキシコ時代を思わせる通りの名前が数多く残っており、加州の人口の四分の一はメキシコ系です。)現在メキシコからの人の流入をアメリカはとても毛嫌いしている割には、ポンコツ、鉄くず同然の古いアメ車を廃棄処理せずに貧しいメキシコに売り払って処分するものだから、メキシコシティー周辺の空気汚染はかなり深刻視されており、国際問題になっているというのに、アメリカは中古車の流出をいまだに制限していません。排ガス対策できない国に、黒鉛吹く車押し付けて、どーすんの?
なぜかよぎったのは、昔よく聞いた「アメリカの良識」というフレーズ。うーん、やっぱり欺瞞ね。



さてそんな悲しい歴史を持つメキシコですが、うってかわってここメヒコリンドは明るく楽しいメキシコ料理を供してくれます。胃袋の丈夫な方にはなかなかいいかもしれません。お店は「スローフード」と謳っていますが、たしかにかなりヘビー系なのでお食事のスピードはかなりゆっくりになっちゃいます。(笑)ここのところヘビーなお料理が続いていて胃袋ばて気味の私にはちときつかったか…。

ちょっとだけ自由な時間

2006-08-02 | 雑感
いつもそこにある資料がないということは、不便でありまたちょっと嬉しくもあります。
出張先では「できないこと」と「できること」が明確になり、私は時間の使い方に嬉しい迷いを覚えるのです。

あとまわしになっていた友人たちへのメイル、いつまでたっても読めなかった本、ダウンロードしたままの音楽。…ぐふふ、この貴重な移動の時間、何をしよう。

旧約聖書によると神はアダムとイブの犯した罪の償いとして、すべての人類に対し、男性には労働の苦を、女性には出産の苦を与えたというけれど、私、出産はしたことないからわかんないけど、いわゆる働くことは嫌いではない。(むしろ逆かも。でもそういう人、多いですよね?)まあこの識別そのものもよくわかんないけど、もしかしたら苦痛でなければ労働とは言わないの?それとも苦と思わないことは「労働」とは呼ばないのかな。

苦痛といえば、先週大荷物なのに浜松の片田舎で大雨になった上、キャリーなしの皮のトランクがびしょ濡れ、おまけに重くてへとへとのところに濡らしてはいけない図面を庇って、無理な姿勢で20分歩いたら(タクシーを呼ぶにはわずか1.5kmはあまりにも気が引けた…)全身筋肉痛になってしまった上、帰りに新幹線の指定席がなくて泣きそうに。…でもこれは労働そのものではないな。

…あ、いえいえ、旧約聖書に物言いをつけるなど畏れ多い事はやめておきます…。


昨日は仙台から「はるか」で日帰り。帰りは例によって牛タンのお弁当(グフフ)…だったんだけど、うーん、紐を引いてあっためようとしたまま寝てしまった…(7~8分待たなきゃいけないのよね…)東京に着いたら冷めてました…とほほほほ。

「貴重な時間」を楽しむには、まず"眠らずに始発移動の日帰りコース"という習慣をやめなきゃね。でもでも時間が…モッタイナイんだもん…。