ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

加賀美良子さん 「ひと針 ひと針 ことん ことん」第三話

2014-01-08 22:24:19 | ぼくらのありのまま記
第三話 「点 線 面 立体の美学」



目次はこちらから

ドレスは「点 線 面 立体の美学」
なんです。今日もよろしくお願いします。



加賀美
点が集まると線になるでしょ?

たら
はい

加賀美
線が集まると面になるでしょ??


たら
はいはい

加賀美
長方形とか正方形とか。
で、面が集まると立体になるでしょ???
立体が固体になると、彫刻みたいなことじゃん。

たら
はい。動かない。固体になると。

加賀美
でも洋服にはそれに、運動量。
こうやっているときとこうやっているときの
(肘をのばしたり曲げたりしながら)高さが違うじゃん。
その運動量を計算して、数字にして入れていって
動きやすさをつけて、さらに細く見えて、
さらに毎回違う生地だから伸縮性が毎回ちがう
っていうのをやっていると、ゴールがなくて、
その奥の深さがやめられないなって。


たら
ああ、楽しいんですね、そこが。

加賀美
それで、私は毎回仕事でひとりでどっぷりはまって、
「あ!!点 線 面 立体 の 美学 だよな」って思いながら笑

たら
え?点?線、面

加賀美
立体の美学。で、その美学っていうのは自分独自の運動量。
だから誰よりも着心地いい、その人だけの
スペシャルな運動量はオーダーしかつくれないじゃない。


たら
型があって、その人のために崩すんじゃなくて

加賀美
その人に型をつくる。
でもそれが、ぴったりした型じゃなくって
運動量も計算した型だから、だから
「どういう動きが多いですか?」とか「屈伸しますか?」とか


たら
聞きながら作るんですか?

加賀美
そう「ちょっと膝曲げてみて?」とか
「そこちょっときつくしたら血とまるかなー?」とか笑
あのお食事する時、そこ肘まげたらキツい?
あ、じゃあもう1ミリ緩くしてみようか?とか。

たら
そこ1ミリなんですね。

加賀美
そうそう、限りなく、細く魅せたいから。


たら
ああ、なるほど、なるべく細く魅せたいのか!!

加賀美
そうそうそう笑。女性はね。そうそう笑
でもさーご飯食べてて、
手が真っ青になってきたら問題でしょ。ふふふふ。
そういうのがあるじゃない?
あとは美しくっていうのもあって、
もうそこでどっぷりはまっちゃって。
で、もう頭は理数系だから、その数字をはじいて、
ものを計算して、目を閉じて立体を想像して
っていうのがまたハマっちゃう、、、、。

たら
そうぞうどおり、ピタっていったらすげー気持ち良さそうですね

加賀美
気持ちいいの!!でもね、不っ安になるんだけど、
最近は、仮縫い、仮の生地で合わせてみるときに、
いっつもピタっていって、「っうわっ!!」
って自分でグラって、ふふふ、気持ちいいよねー!!


たら
それをもう20歳くらいからやっているんですか?

加賀美
20歳くらいから初めて、
40だからもう20年立体裁断やってる。
でもこれしかやってないから。

たら
いや、、、。それすごいっすね。


加賀美
ぶれずに。


たら
矢沢永吉さんの本に
こどもの時にビートルズきいて
あ、俺ロックンローラーになるって決めたっていうのが
書いてあったんですけど、もう一緒ですよね。
プロフィール、「広島出身。ロックンローラー」だけですもん。

加賀美
はははは。でもぶれてないけど、変化はあるよ。時期。
10代、20代は走り続けてたの。
どうやればいいんだろうってそっちに向かって。
なぜなら、10歳くらいにやりたいことをみつけちゃったから。


たら
じゃあ専門入りたてのころは、
やりたいことができて、
すごい自由に感じたんですか?

加賀美
自由っていうか、とりあえず、がむしゃらに
「どうすれば、その世界に入れるんだ?」
っていうので、ただ、がむしゃらだった。
常に常にどうすればいいんだ?っていう。
で、この学校じゃあ満足できない。
じゃあ日本一に先生のとこいこう。
先生のところに行きました。
そしたら、あとは、
もうじぶんの訓練だよなーって。
思って、訓練するしかない。
で、やりました。で、
何回か過労で救急車で運ばれました。ふふっ。


たら
過労ですか!?


加賀美
そう、そういうこともあり。
同じ姿勢でやりつづけて
肋骨が神経にささって
肋間神経痛で息できなくなったりとか。なんか笑


たら
加賀美さんの話しですごい面白いのが
整体の先生に身体治してもらうと、もうやりずらいんだよな!っていう。

加賀美
そう!もうそのための
職業病の姿勢があるから、
変に治されるとさ、
加減が変わるわけ!!

たら
はあ、ミシンの感じとか?

加賀美
ミシンの感じとか、あと、重いもの持つと、
その後、線がひきづらかったりするから。
スノーボードやめちゃったりとか。
もう目的が決まっているからそれに対して
生活も生き方も全部変えていくのが嫌じゃない。
そうやってがむしゃらにやったきた。じゃない?


たら
はい。

今日はここまで。
読んでくれてありがとうございます。
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arinomamaki@gmail.com

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