無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

受信機とPCの連携

2014-07-13 15:58:22 | 受信機・アンテナ
 受信機とパソコンの連携は、今の時代ではすっかり当たり前となっています。メモリーの読み書きやコントロール、受信データの解析など、受信生活を快適にするものです。

 このうち、アルインコDJ-X11のメモリー編集ソフト「DJ-X11 Clone Utility」が、Ver.3.02にアップデートしました。ファームウェアのVer.2.60Jに対応したようです。
 一方、エーオーアールは「ダウンロード」のページを整理。取扱説明書のダウンロードだけとなり、AR5000用の「AREX SYSTEM」や、AR8200/8600シリーズ用の「AOR Workshop」は削除されました。
 「AREX SYSTEM」は、攻めの受信を行うための機能が満載。しかし、WindowsXP以降には非対応でした。「AOR Workshop」は、エーオーアールのイギリス法人AOR UKが制作したコントロールソフトで、メモリーの読み書きも可能です。
 エーオーアール日本語サイトではこれらのソフトは削除されましたが、英語サイトでは「AOR Workshop」がダウンロード可能です。なお、英語サイトではWIndowsXP以降に対応していないとしていますが、少なくともXPでは正常に動作します。

 1000chもの受信機のメモリーをいじるのは、受信機単体では骨が折れる作業です。パソコンを使うことで、簡単にメモリーの書き換えが可能になります。
 受信機を持っている人は、たいていパソコンも持っているはず。まだ連携させていない人は、ぜひとも連携させてみましょう。受信の世界が広がるはずです。

JマークとCタイプ

2014-07-12 00:41:40 | 受信機・アンテナ
 受信機の中には、一部周波数が受信できない歯抜け仕様として売られています。カタログスペックでも、その部分は受信できないことになっているのです。受信機のシリアルナンバーのそばに三角形に囲まれた「J」が書かれており、このマークを「Jマーク」、歯抜け仕様の受信機を「Jマーク付き受信機」と呼びます。

 そもそも、1990年9月に当時の郵政省が「一般向けに製造販売されている受信機は、電気通信事業用の電話の周波数が受信できない構造とすること」という行政指導を業界に行ったのが発端。「自動車電話やコードレスホンなど、有線電気通信のための電波を受信することは、電気通信事業法違反になる」という解釈によるものです。
 つまり、電話回線として使われる電波は、通信の秘密において電波法ではなく電気通信事業法を適用することを意味します。言い換えるなら、「受信したら内緒にしておけ」ではなく、「受信そのものが許されない」ということなのです。

 郵政省が「電気通信事業用の電話の周波数」として指定した「受信規制対象周波数」は、以下の通りとなります。
対象周波数帯(MHz)用途
253~255小電力型コードレスホン子機側
262~266●沿岸船舶電話(新方式)移動局側
271~275●沿岸船舶電話(新方式)基地局側
380~382小電力型コードレスホン親機側
412~415新幹線列車電話移動局側
810~830●コンビニエンスラジオホン基地局側
830~832●空港無線電話移動局側
●航空機公衆電話基地局側
832~834●マリネットホン基地局側
860~885☆自動車電話基地局側
885~887●空港無線電話基地局側
●航空機公衆電話航空機側
887~889●マリネットホン移動局側
915~940☆自動車電話移動局側
940~960●コンビニエンスラジオホン移動局側
 指定されたのが今から24年も前なので、現在では別用途に割り当てられているものが大半です。表のうち、「●」は別用途に割り当てられたもの、「☆」はデジタル化されたものを示します。
 別用途に割り当てられた周波数も、デジタル通信が行われているのが実情。もはや、規制自体が意味をなさなくなっているのです。

 そんな規制も、Jマーク付き受信機でも内部のチップを除去するなどの改造を施せば、規制対象周波数が受信できるようになります。いわゆる「フルカバー化改造」ですが、すでに改造済みで売られている受信機が結構あるのです。
 ショップに行くと、改造済みの受信機には箱に目印がしてあるとのこと。店員に「改造済みをください」と言えば出してくれますが、まれに無改造の受信機を売られることがあります。
 そうなってしまえば、改造するしかありません。多少の技術力があれば、『ラジオライフ』やネットでの改造方法を参考に自分で改造することができます。技術力がない場合は、購入したショップにお願いするか、腕に覚えのある知り合いに頼むことになるでしょう。

 さて、規制対象周波数の412~415MHzには、Cタイプの周波数が含まれています。それだけではなく、各種業務無線も該当するのです。有名どころでは、東京ディズニーランドの414.9000MHzも規制の対象になっています。
 受信機を買ってCタイプを楽しもうと思っても、フルカバー改造を行っていないために周波数が合わせられないという現象が起こってしまいます。412MHzの次が415MHzとなってしまい、414.4250MHzの入換波や414.5500MHzの上り波がスルーされるのです。先に述べたように、改造すればCタイプも全3chフルに受信できるようになります。

 もし、規制対象周波数の見直しが行われたとしても、ほとんどデジタル化した新幹線列車電話のうち、山陽新幹線だけが現在もアナログのまま。それが幸いして、列車無線の一斉指令も山陽新幹線は受信することができます。
 今後もアナログのままなら、見直されても規制の対象になるのは間違いありません。痛し痒しといったところですが、改造という一手間を加えればちゃんと受信できるので安心してください。

ユピテル、広帯域受信機から撤退?

2014-02-16 22:16:43 | 受信機・アンテナ
 アマチュア無線ニュースサイトhamlife.jpによると、アマチュア無線ショップCQオームFacebookを引用する形で、ユピテルが広帯域受信機の現行3機種の製造を終了すると伝えています。現行3機種とはMTV-7500、MTV-5500、HR-500で、後継機種の発表がないことからこのまま広帯域受信機からの撤退を意味しそうです。
 表向きは部品供給を理由としていますが、真相は各種無線のデジタル化で需要減となり、採算が取れなくなっていたのかもしれません。今後は同様の理由で、撤退するメーカーがさらに出てくることも予想されます。撤退まではいかなくても、ラインアップを大幅に整理する可能性もありそうです。

 受信機の選択の幅がなくなってしまうのは、ユーザーにとっては悲しいところ。メーカーとして、ぜひともがんばって欲しいものです。

エーオーアールからAR6000登場

2013-05-14 13:29:14 | 受信機・アンテナ
 エーオーアールから、新型受信機が発売されました。AR6000を名乗るこの受信機は、昨年のハムフェアで出品されていたものです。

 気になるスペックは、9kHz~6GHzの広範囲を受信し、電波型式はSSB、CW、AM、FM、WFMで、FMステレオにも対応。メモリーチャンネルは、50ch×40バンクの計2000chです。
 外観はAR5001Dを踏襲。性能的にも、AR5001Dの発展版といえそうです。

 価格は、オープンプライス。民生用とはいえ、オプションでラック取り付け用パネルを用意していることから、完全に業務用途で販売しているようです。一般人が、おいそれと買えるような代物ではないのかもしれません。

 エーオーアールの受信機は、AR-miniが販売終了となり、AR8200MK3AR8600MK2がいまだにラインナップに並んでいます。そろそろ、一般人でも手が届く価格での新型受信機、特にハンディ受信機も開発してほしいものです。

アルインコからDJ-X81登場

2013-04-08 22:27:44 | 受信機・アンテナ
 アルインコから、新型受信機が発売されることになりました。その名は、DJ-X81です。

 周波数は0.1~1300MHzをカバーしますが、一部周波数はブロックされています。おそらく、受信改造を施せばフルカバーできるのではないでしょうか。
 電波型式はFM/WFM/AM、そしてワンセグの音声を受信可能。地デジ化してから、広帯域受信機でテレビの音声を受信することができませんでした。しかし、DJ-X81でワンセグの音声を聞くことができるのです。
 また、緊急警報放送の信号を受信すると、自動的にFM放送に移行。非常時の備えとして活用できそうです。
 そのほか、DJ-X8の機能をほぼ継承。ただし、録音機能はない模様です。

 発売は、4月末を予定しているとのこと。気になりますね。

AR8200MK3最新ロット対応のインターフェイス登場

2012-09-08 16:14:22 | 受信機・アンテナ
 エーオーアールのハンディ受信機AR8200MK3は、今年3月のロット(シリアルナンバー027181以降)から既報の通りインターフェイスコネクターの形状が変更されています。これまで、変更後のコネクターに対応したケーブルは発売されていませんでした。
 ところが、ようやく新形状に対応したケーブルが発売されたのです。型番をMI8200といい、PCからの制御と受信音声の録音両方を兼ねるインターフェイスとなっています。ちょうど、パソコン接続ケーブルPC8200と録音用I/FケーブルCR8200を合わせた機能といえるでしょう。
 PCの接続には、シリアルポートに代わりUSBを採用。ただし、USBドライバーをダウンロードする必要があるようです。

個人的には、AR8200シリーズの性能を継承する新型受信機の登場を期待します。こう思うエーオーアールファンも多いのではないでしょうか?

DJ-X11のファームウェアがアップデート

2012-06-29 00:25:48 | 受信機・アンテナ
 アルインコの広帯域受信機DJ-X11のファームウェアがアップデートされました。今回のバージョンは2.60Jとなり、バグフィックスのみで新たな機能の追加はありません。バグフィックスの内容は以下の通りです。
  • プログラムスキャンの上限と下限の範囲がバンドをまたいでいる時、セットモードの「バンド移動、する・しない」を「しない」に設定していると指定範囲が正しくスキャンされない点を修正。
  • SUB側チャンネルを移動しようとした時に、表示がアイコンと重なってつぶれるのを修正。
  • フラッシュチューンから戻ったときにスケルチ設定値が変わることがあったのを修正。

  •  アップデートのファイルは、こちらの注意書きを読んでいただき、一番下の「DJ-X11 ファームウエアアップデート」に進むとダウンロードできます。そのページでアップデート方法が詳しく書かれていますが、1か所だけ間違いが‥‥。「DJ-X11アップデートファイルの使用方法」で、「ERW-7を使う方法」が2つあるのです。2つある方のうち後者は、「ERW-8を使う方法」となるべきでしょう。
     なお、アップデート完了後は設定がすべてリセットされてしまいます。元通りの環境を構築するのが面倒なら、クローンユーティリティでいったん設定をバックアップしておいた方がよさそうです。また、メモリーチャンネルは変更されませんが、バンクごとに最後に受信したチャンネルは記憶されません。

     ファームアップの作業自体は、ものの数分で終わってしまいます。最新のファームウェアで、快適な受信ライフを楽しみましょう。

    AR8200MK3のインターフェイスコネクターが変更

    2012-03-25 01:08:16 | 受信機・アンテナ
     エーオーアールのハンディ受信機AR8200MK3。発売されてからかなりの時間が経過しているものの、混変調が少なく外来ノイズを受けにくいといった安定性があるため、現在でもハンディ受信機の最高峰に君臨しています。
     私は、1世代前のAR8200mkⅡを所有。精度が求められる受信を行う場合には、最新機種のDJ-X11よりもAR8200mkⅡを使うほどです。

     さて、エーオーアールではこのたび、AR8200MK3のインターフェイスコネクターの形状を変更したそうです。従来のコネクターが製造中止になってしまったのが原因。そのため、オプションのうちパソコン接続ケーブルPC8200や録音用I/FケーブルCR8200が、新しい製品とは接続できなくなってしまいました。
     新コネクター用のオプションケーブルを発売する予定はあるようですが、時期は未定とのこと。詳細はこちらのPDFをご覧ください。

     どうせなら、新たなフラッグシップにふさわしい最上級ハンディ受信機を開発し、USBで接続できるようにした方がいいのではと思ってしまいます。そういえば、AR8600のフロントパネルが分離できるAR8700はどうなったのでしょう?

    DJ-X11のAGC

    2011-01-03 02:57:02 | 受信機・アンテナ
     アルインコDJ-X11を購入して約8か月、今現在も主用機として活躍中です。そんなDJ-X11ですが、JIS第1水準の漢字に対応したメモリーや一部周波数の2波同時受信といった便利な機能がある反面、カブりに弱いといったデメリットも存在します。
     特に、AMで弱い信号を受信したときに、音声も比例して小さい音声になってしまうのです。発売中の『ラジオライフ』2011年2月号でも、信号の強さを調整するAGC(Automatic Gain Control)回路がエアバンドに最適化されていないと指摘。ただ、実際には中波放送など、AMでの受信全般で同様の現象が起こります。

     これについて、こちらのブログで改善策が披露されました。それによると、DJ-X11はACARSの2波同時受信でもしっかりデコードできるように、AGC回路をカットしているとのこと。アルインコのサービスセンターに相談すれば、送料の負担だけでAGC回路を追加してくれるようです。
     AGC回路の追加でACARSのデコードにどのくらいの影響があるのかわかりませんが、DJ-X11でのACARS受信を考えていない人は検討してみるのも手でしょう。私も、正月休み明けにアルインコに問い合わせしようかとも思っています。

    AR5001Dはまだ?

    2010-12-17 17:49:35 | 受信機・アンテナ
     今年のハムフェアで、その姿を現したエーオーアールの広帯域受信機AR5001D。民生用の受信機の最高峰として君臨したAR5000の後継として、注目が集まっています。
     詳細なスペックなどは、現在発売中の『ラジオライフ』2011年1月号で詳しく触れられているので省略します。ただ、この記事にあった「12月上旬発売予定」が、どうも延びているようです。

     先日も秋葉原を散策しましたが、まだ実機を置いている店はありませんでした。また、エーオーアールのホームページにも記述はありません。
     来週12月23日に行われるラジオライフの東京ペディションでエーオーアールが出展するようなので、ここでの実機は間違いなく展示されることでしょう。来場者から、いつ店頭に並ぶのか質問が殺到しそうです。