青空ヒュッテ

登山歴15年目・筋金入りの雨女が青空の下の稜線歩きを求めて今日も山に登ります。

八峰キレット縦走(2日目・前編)

2012-08-25 11:04:51 | 北アルプス

※1日目前編はコチラ、後編はコチラ

2012年8月18日(土) 3:30起床

窓の外は満天の星空で、朝から雨という最悪の事態は免れました
ということで、レインウェアはしまって身支度を整えます。
当初は朝食をお弁当にしてもらって早発ちしようというプランもありましたが、
真っ暗闇の中ヘッデンを付けて歩けるようなルートではないし、
事前リサーチでお弁当は鰻丼という情報があったので、
(予約時にウナギが苦手だと伝えたら考慮してもらえるという返事でしたが・・・)
ここは朝食を食べて明るくなってから出発しようということになったので、05:00の朝食を待ちます。
まだ朝食まで結構時間があったので、外に出てみました。


目の前にはようやく尖端まで姿を現した剱岳


剱岳と毛勝三山。


左手が昨日下りてきた鹿島槍方面、右手がこれから向かう五竜方面。
風がなく、暑がりな人ならTシャツ1枚、普通の人でも上に長袖シャツを羽織れば十分な気温でした。


キレット小屋を見ると、3階建てのような窓の配置になっていますが、
2階部分の客室が蚕棚になっているので上2つが2階部分の窓になっています。


部屋からの景色もこのとおり。バッチリ剱ビューです

今日も05:00前に支度が整って集合がかかったので、真っ先に食堂に向かいます


朝食メニューがこちら。鮭の塩焼き、卵焼き、ハム、たくあん、梅干しと味付け海苔。
御飯、みそ汁、お茶は夕飯と同じくお替り自由です。
鰻より絶対こっちの方が美味しい 小屋食にしておいて良かった
と、苦手な梅干し以外は全部平らげました

食べ終えたらすぐに部屋に戻ってザックを回収し、外に出ます。
すると、ある男性に話しかけられました。
腕章を見ると、長野県山岳遭難防止常駐隊員の方でした。
「今日はどちらまでですか?」と出発する登山者全員に声をかけて、
この先のルートの概要、難所の説明等をしてくれます。
五竜方面へ向かう際のアドバイスとしては、
これから鎖や梯子が連続するので気を付けるようにとか、
最後の牛首のあたりは難易度としては五竜近辺やキレットと比べれば落ちるけど、
疲れて体力が落ちた状態で越えることになるから十分注意すること等でした。


ということで、剱の写真を撮っていざ出発


小屋を出て3分ほどで、写真でよく見るスポットに到着。
本当に、ものすごい場所に建ってます


前方には五竜岳もお目見え。


そして、左手には剱


(画像クリックで拡大表示)
剱から五竜までパノラマでどうぞ


そして、妹が撮影した動画もどうぞ


出発して10分ほどで、まずはとても長い梯子の下りが登場。


右手前方の分厚い雲の中からもう少しで太陽が顔を出しそうな太陽。
既に結構な高さまで昇っているので今日は御来光はナシのようです。


眼下には雲海が広がっています。


(画像クリックで拡大表示)
やっぱり見ごたえがあるのは左手の剱方面。


(画像クリックで拡大表示)
山頂がちょっとだけモルゲンロートに染まって、
雨を覚悟していたのにこれは嬉しい誤算です


岩場を越えて行きます。


少し進むたびに撮りたい景色が次々に現れるので、なかなか先に進みません(笑)


立山・剱の美しい山並み


・・・


(画像クリックで拡大表示)
背後を振り返ると、ようやく双耳峰の鹿島槍が。


(画像クリックで拡大表示)
すかさずパノラマ撮影


こう見ると、結構な距離を下ってきました。


でもまだまだ先は長いです。


一歩一歩確実に岩場を下りて行きます。


鹿島槍を振り返ると、私たちとちょうど同じタイミングで出発したキレット越えの男性が。


鎖場を下りたり登ったり。


五竜がきれいに見えてきました。


ひたすら岩場のアップダウンが続きます。
下りは足場が見えないので、やっぱりちょっと難易度が上がります。


平坦な道に差し掛かると、絶好の撮影チャンス

 
でも背後の双耳峰がガスに覆われ・・・


五竜にもガスが押し寄せ・・・。でも流れは早いので、またすぐ顔を出しそうです。


何度もアップダウンを繰り返して・・・


06:59に口ノ沢のコルに到着
コースタイム1時間のところを、撮影その他もろもろでペースを落としてしまい、
なんとキレット小屋から2時間近くもかかってしまいました
でも今日は雨が降る前に唐松岳頂上山荘に到着すればいいので、焦らず慎重に進みます。


この辺でガスが多くなってきましたが、
ふと左手が切れ落ちたポイントで眼下に目をやると・・・


ブロッケンが現れました
今まで2004年の鹿島槍と、2008年の間ノ岳で見たことがありますが、
今回が一番ガスが薄かったのに一番きれいに見えました


というわけでブロッケンセレクション


剱にも段々ガスがかかるようになってきました。


左手の方をスーパーズームしてみると、薬師岳


07:31に北尾根ノ頭に到着 今度はコースタイムどおりになりました。


五竜目指して進みます。山頂に着くころにはガスが晴れていますように・・・


ヒゲの生えたチシマギキョウ。


鎖とハシゴ。


足元が崩れているので要注意なポイント。


岩場の登りは体力勝負。


このポイントでは本日2組目の対向者とすれ違いました。
狭い箇所が続くので団体さんとすれ違ったら大変そうだな~と思いましたが、
幸い殆どすれ違う人もなく、自分たちのペースで快適に歩けました
因みにキレット小屋からの後続は、ご夫婦が1組途中で見え隠れしていましたが、
途中で追いつかれることもなく、背後も気にしないで済んで良かったです。
(一度岩場に取りつくと、なかなか道を譲るタイミングが難しそうなポイントばかりだったので・・・)


五竜手前のポイントまで来ると、ガスの晴れ間に山頂が見えました


なんとか晴れ間が続くうちに山頂に辿り着かなければ、と気合を入れて先に進みます。


剱は残念ながらガスの中。

 
08:50にG5通過。


背後の鹿島槍。辛うじて双耳が見えています。


しつこく剱。


五竜のガスが晴れました 手前の岩が、五竜を守る狛犬のようです。


その狛犬の足元を登って行きます。


左:ウルップソウ、右:タカネヒゴタイ


左上:チシマギキョウとタカネツメクサ、右上:ヒメヨツバシオガマ?、下:タカネマツムシソウ


アップダウンを繰り返し・・・


写真じゃ分かりにくいですが、両側が切れ落ちたような箇所を通過して・・・


最後の登りに取り付きます。この辺で、キレットに向かうパーティー何組かとすれ違います。
お互いに、これまでのルートがどんな感じだったか報告し合います。


背後の鹿島槍。右手にこんな大きな沢があってビックリ。
今までのルートからだと完全に死角になってました。


ウーン、いい眺めだ


この辺の風景が、何だか日本のマチュピチュのような感じに見えました。


軍手を外してザレ場を登り、


09:52にキレットと五竜山荘方面の分岐地点を通過。


山頂まで3分の道のりです。


右手には唐松岳が。(中央の三角)


そして、09:56に標高2,814mの五竜岳山頂に到着
キレット小屋を出発してから5時間近くかかりました(コースタイムは4時間)。


貸切状態の山頂で記念撮影をします
左上の標識は、なんと今年の8月に付けられたばかりでした。

予定では山頂滞在は15分程度で、五竜山荘でお昼ごはんをいただく予定でしたが、
持参した食糧(パン)がたくさん余っていたので、
ガスの晴れ間を待ちながら、山頂でお昼ごはんにすることにしました。


鹿島槍は、片耳が限界でした


一瞬五竜山荘が見えました。こう見ると目と鼻の先です。
コースタイムでは40分の距離。


キレット小屋で購入した、安曇野の水を使った緑茶。まろやかで美味です


たっぷり30分休憩を取って、10:24に下山を開始しました。

 

2日目・後編に続く

 

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