青空ヒュッテ

登山歴15年目・筋金入りの雨女が青空の下の稜線歩きを求めて今日も山に登ります。

八峰キレット縦走(1日目・後編)

2012-08-21 10:25:56 | 北アルプス

※1日目前編はコチラ

おにぎりでエネルギー補給をしたら鹿島槍南峰を出発
・・・しようと思ったら、とうとう雨がポツポツ降り出したので、
とりあえず様子見でザックカバーだけを装着して、
予定通り12:30に南峰を出発しました。


ここからは急な下りになるのでストックはしまいます。


急峻な岩場にも、可憐な花が咲いていました。チシマギキョウとミネウスユキソウ。


南峰を下りきったところで背後を振り返ると、
ちょうど空身で北峰まで行ってきた登山者が南峰を登っていました。


目の前の北峰。段々ガスが取れていく様を連写しまくりました


そして、北峰の左手には五竜もうっすら見えました


その手前のガスの濃い部分に目を凝らすと、どうやら今宵の宿のキレット小屋が見えました。


南峰と北峰の間の鞍部には巨大な雪渓が。


南峰コレクション


雪渓から少し目線を上げるとガスの切れ間に冷池山荘が見えました。


そして、少し登り返して13:04に吊尾根に到着
予定ではザックをデポして空身で北峰登頂に向かうはずでしたが(コースタイムで往復15分)、
天気が怪しく、最悪雨は我慢するとしてもこんな岩場で雷に打たれたらひとたまりもないので、
北峰はカットしてそのまま水分補給だけして通過します。


ここからは岩場の下りの連続です。


岩場の下りは足元が見えない分難易度が上がりますが、
足場はしっかりしてホールドも効くので、岩場の経験があれば問題なし。
ただ、背が低くて脚が平均より短い母と妹は足場まで届かないので結構難儀していました


あせらずゆっくり、浮石がないか確認しながら岩場を下ります。


途中、切れ落ちた崖を覗きこんで写真を撮影したり。


そしていよいよキレット核心部に到達


ハシゴや鎖が連続します。


バランスを崩すと奈落の底にまっさかさまという感じですが、
鎖や岩にしっかりつかまって進めば問題ありません。
ただ、朝04:00に出発して柏原新道の急登で体力を削られて、
一番最後にこの難所というのは結構ハードで、気力も体力も限界まで使い切る感じでした


そして、よりによってこの核心部で雨が強くなるという始末・・・
濡れた岩場で足を滑らさないよう、集中力を切らさないで進みます。
(幸い雨はすぐ止んだので、レインウェアを着用せずに済みました。)

この時間なのですれ違う人もおらず(先行する登山客1人を核心部手前の広い岩場で追い抜いたのみ)
自分たちのペースで焦らず慎重に(でもゆっくり過ぎると却って危険なのでテンポよく)下りて行きます。


こんな棒きれを渡してあるだけの岩場が何箇所かありました


上の鎖につかまって、足を滑らさないように一歩一歩確実に進みます。
足場をしっかり確保できれば、記念撮影にポーズを取る余裕も生まれます(笑)


これは図鑑で調べても何だかよくわかりませんでした。。。


先ほどの棒きれゾーンから5分も経たずに、ガスの中から急にキレット小屋が現れました

 


最後に梯子を下りて、


坂道を下ったらキレットを無事通過して、


14:31に八峰キレット小屋に無事到着しました
雨の中、この難所をコースタイムより30分近く早く下りてきてしまいました
結構スリリングで興奮するルートだったので、
アドレナリン全開で疲れも吹き飛んで快調ペースになった模様です
因みに扇沢を出発してから約10.5時間。休憩を除くと10時間未満で到達しました。


小屋周辺はガスに包まれたまま。左手に見えるはずの剱岳もおあずけなので、
早々に小屋に入って受付を済ませます。
部屋は2階で個室はなく、大部屋のみですが、
早めに予約を入れて女性三人で泊まることを強調しておいたので、
無事に便宜を図ってもらえました


2階の大部屋は写真左側のとおり。蚕棚式でいくつかの区画に区切られています。
私たちは、階段を登ってすぐ右手の三畳一間のスペースを貸切でした
ドアはないので通路から丸見えですが、空間を自分たちだけで占領できるのと、
この日は宿泊客が少なくて、私たちの区画の2階部分は誰も使わなかったので、
この日一番快適なスペースを確保できたと思います。
因みに写真右下が階段を上った先の踊り場で私たちの区画の目の前です。
右手のドアの先がスタッフ専用の部屋になっていました。

また、1階の入り口を入ってすぐ左手が自炊室、その奥が乾燥室兼靴置き場で、
一番奥がトイレ(男女共用)になっていました。
トイレは全て和式の落とし便所で、木のふたがしてありました。
気になる匂いは、消毒の匂いが強烈で、排泄物の匂いはそれほど感じませんでした

飲料水は食堂で、宿泊客には無料で分けてくれます。
ペットボトルだといろはすが250円くらい、緑茶やポカリが500円で販売されていました。
(五竜山荘や唐松岳頂上山荘も同じ価格設定でした。)

最終日の下山中にすれ違ったオジサンによると、
キレット小屋は約30年前はほんの10畳程度の避難小屋だったのが、
深田百名山効果で人気が出てここまで立派な小屋が建ったのだそうです。
因みにそのオジサンは、前日八方池山荘に泊まって早朝に出発して八方池で御来光を見て、
その日はなんと唐松岳頂上山荘泊まりということでした
ヘナチョコというよりも、その贅沢な時間の使い方が心底うらやましく、
私も年を取ったらそんな贅沢な山行をしたいと思いました


私たちの部屋からの眺め。真下にベンチがあって、視線を上げると正面に剱岳が見えるはずの部屋です。
今日はこの様子じゃ剱の夕焼けは見れそうにありませんね・・・


夕飯の時間まで、外に出ても展望がないし、部屋の中でまったりします。
左手は、画像はちょっとアレですが、今回新規導入したフルーツ缶詰。
ジップロックに入れて凍らせて持ってきました。これが大正解
これからの山行の定番になる予定です(そしてもっと大量に持っていきたい
野菜不足になる山行中は、野菜ジュースも欠かせません。
KAGOMEの野菜生活は季節ごとに色んなフルーツフレーバーの野菜ジュースが出るので、
それを凍らせて持ってくるのが我が家の定番です
写真右下は妹が持ってきた万歩計。この日の歩数は33,959歩

 
夕食は17時からの予定でしたが、準備ができたら早めに集合がかかりました。
大きなテーブルが4つ並んだ食堂で、この日は宿泊客が少なめなので
回数を分けずに全員1回目の夕食にありつけました。
メニューはデミグラスソースをたっぷりかけたハンバーグ
ボリュームたっぷりで、お味も美味しかったです。
さらに、こんな断崖絶壁に建つ山小屋で、
たっぷりの生野菜にありつけるとは思わずビックリ

周囲の話し声を聞いたり、隣り合わせた人の話を聞くと、
どうやら今回小屋に宿泊した殆どの人が五竜から来ていて、
鹿島槍からキレットを下ってきたのは私たち母娘の他に4~5人ほどしかいませんでした。

小屋にはテレビがなく、明日の天気予報が分かりませんでしたが
(さらにラジオの天気予報が始まる前に寝てしまいました
どうも明日は朝から雨らしいという情報が飛び交い、
一応レインウェアを一番上に出して18時過ぎに早々と就寝。

 

2日目・前編に続く

 

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