今回の記事は、常々感じていたことなんですが
ハルカトミユキがそのパフォーマンスを遺憾なく発揮できるステージというのはどこなんだろう?
という疑問についてです。
誤解がありそうなので先に言っておくと「武道館のステージに立って欲しい」とか「紅白歌合戦で歌うのを見たい」という意味合いの話ではないです。
むしろそういう「いかにもメジャー」な路線を、ハルカトミユキが進むべきであるのかどうか疑問に思うようになりました。
過去にこんなライブレビューが
メジャーデビュー直後の新人バンドに「飛び級」の可能性を感じた夜
http://www.cinra.net/review/20131219_music_harukatomiyuki.php
2013年12月、新代田FEVERでのワンマンライブのレビューです。
これ読み返してて、ふと気になった箇所がありまして。以下抜粋。
>いわゆる大衆的な女性シンガーソングライターとも違うし、コアな音楽ファンが好むインディーバンドとも違う彼女たちの立ち位置というのは、どっちつかずの中途半端なものになってしまう危険性を常にはらんでいる
これはライブレビューですが、ハルカトミユキの立ち位置があやふやなものになりかねない、と予見していたようにも受け取れます。
そして事実、今現在の業界内での立ち位置は、メジャー路線を突っ走るでも、インディーバンドの如く己が道を行くわけでもなく、文字通り「どっちつかずの中途半端」なものになってしまっていると言わざるを得ません。
メジャーアーティストは、タイアップを付けたり、テレビ(音楽番組やバラエティ番組など)に出たりすることで積極的に知名度アップを図ります。
映画「ONE PIECE」新作主題歌はGLIM SPANKY「この声が欲しかった」
http://natalie.mu/music/news/187404
「行列のできる法律相談所」黒木渚オフィシャルブログ
http://lineblog.me/kurokinagisa/archives/1053444677.html
GLIM SPANKYのONE PIECE主題歌は原作者サイドからの要望のようですが、基本こういうのって事務所サイドが積極的に自社アーティストをプッシュし続けているから仕事が回ってくるわけですよね?
このあたりハルカトミユキの事務所も見習ってもらいたいわけですが。
けれども事務所の力不足以外にも(ハルカトミユキがテレビメディアに出られない、タイアップが付かない)要因があるのでは、とも思います。
すなわち、ハルカトミユキのアーティスト性がテレビ局側や映画関係者などの求めるアーティスト像と一致しない、ということが原因かと。(このことについての考察は別の機会に)
メジャー路線を行く上でもう一つ重要なイベントといえば「ロックフェスティバル」(通称フェス)というものがあります。
メジャーレーベルに籍を置く、所謂ロッキンオン系アーティスト、バンドであれば必ずといっていいほど
フェス出演で知名度を上げていって、いずれ武道館、という道筋がついているように見受けられます。
ハルカトミユキも2013年〜2014年にかけてはフェス出演に積極的で
ライジングサン
SWEET LOVE SHOWER
荒吐ロックフェス
ROCK IN JAPAN
COUNTDOWN JAPAN
などのフェスに出ています。
さて、去年2015年末にRadio Crazyで
初めてフェスでのハルカトミユキを観たわけですが、ああいう場って
皆テンション上がりまくってるわけですよ。出演者、オーディエンス、ブースで喋ってるラジオDJ全て。
その中でテンションを「下げる」ライブをするハルカトミユキが必ずしも場にそぐわないのでは?
という疑念を抱いたんです。
(過去記事参照)
『ハルカトミユキ Radio Crazy12/27M-STAGE 4号館』
ハルカトミユキがどんな良いライブをしたところで、終われば別のバンドを観る。
その別のバンドはひたすら「盛り上げる」ライブをしているわけで、ライブ後の余韻に浸ることも出来ず、フェスが終わった頃にはもうハルカトミユキのことは忘れている
という感じでした。
これは僕の所感であり、ここで結論を出せるような簡単な問題提起でないのは重々承知の上ですが
ハルカトミユキのようなアーティストが思う存分羽を伸ばしてベストパフォーマンスを振る舞えるステージとはいかなるものぞ?
という疑問が湧いてきてます。
メジャーアーティストでありながら、ハルカトミユキは
タイアップが付かず、テレビに出られず、フェスにも自分の場所を見出せず(というか今年フェスに出る予定が今のところない)
八方塞がり、というのは言い過ぎでしょうが、相応に活動出来る場が業界全体を見渡しても見当たらない
という見えない現実に直面してしまっているように思います。
かといって安易に「インディーズで活動するべきだ」ともなかなか言えない。
レーベルや事務所の意向に関係なく活動出来る、というメリットはあるものの、その活動範囲はたかが知れているでしょう。
ハルカトミユキという大器、そのポテンシャルの大きさに即した音楽活動のフィールドが求められるはず。
もしくはハルカトミユキの側が今の業界に適応するように「合わせていく」のか?
紆余曲折を経て生み出されることになった2nd Full Albumがその転機となるのでしょうか?