今、あなたに与えられている仕事を全力投球でやっていればストレスなど感じるヒマはありません。そこに他人(ひと)によく見られたい、もっと給料を上げてもらいたい、などと欲を出すと、ストレスが溜まってしまいます。ストレスを生むのは、仕事ではなくあなた自身の心なのです。
悪いことを行なうのに意志は必要ありませんが、善いことを行なうには意志が必要です。心を堕落させるのに努力は必要ありませんが、心を向上させるためには努力が必要です。幸せになるために強く決意しなければなりません。
人間、どんなに大きな苦しみや悩みを抱えていても、それをすっかり忘れている時間もたくさんあることも事実です。だから、生きていられるのです。人間の中に住んでいる“心”とは、苦しんだり、悩んだりする一方で、楽しんだり、喜んだりできる不思議な存在なのです。
仕事に失敗してもあなたが失敗者というわけでありません。競争に負けてもあなたが負組みではないのです。仕事に成功や失敗、競争に勝ちや負けがあるのであって、あなた自身は成功でも失敗でもないし、勝ちでも負けでもありません。あなたの心が傷つかない限り、あなたはいつも幸せでいられるのです。
他人(ひと)を喜ばせ、幸せにすることを目的にすれば、どんな仕事でも楽しく、充実したものになるのです。朝、職場に向かうとき、意識をそこに向けるだけで、身体が軽やかになります。
動物でも魚でも昆虫でも生命(いのち)をもっています。だから、人間が食べて、飲んで、遊んで、騒いで、おしゃれするだけの人生では“生命は尊い”などと言えません。自分も他人も幸せにするようなチャンスを与えられたから“生命は尊い”と言えるのです。
絵を描いたり、音楽を奏でたり、踊りを舞うことだけが芸術ではありません。あなたの慈しみの心、優しい言葉、親切な行為がすでに人生の芸術です。だれでも偉大な人生の芸術家になれるのです。
あなたの人生で最も大切なことがらはあなたのすぐ目の前、つまり、“いま、ここ”に起きています。目の前の仕事。目の前の家事。目の前の子育て。目の前の会話。目の前の介護、などなど。“いま、ここ”のあなたのやるべきことに全力を尽くす。そうすれば、あなたの心はいつも元気です。