カプアン通信

平成24年度版 動物行政アンケート結果を読む-1




ALIVEさんが平成9年から実施している「全国動物行政アンケート調査」の
平成24年度版 結果報告書が発売になりました。
「全国動物行政アンケート結果報告書 平成24年度版」は
こちらのページで購入できます。


「全国動物行政アンケート結果報告書」については
拙ブログで、たびたびご紹介してますが、
初耳という方は、ここや、このページを読んでください。

昔は、年度が終って翌年2月に発行してましたが
近年は5月発行となり、今年はさらに遅れて7月発行となりました。
昔は、環境省の発表より早かったのですが
内容の充実とともに遅くなったようです。解説ページが増え
ページ数は昨年79ページだったのが今回は125ページと1.5倍です。

ちなみに平成24年度というのは
平成24年4月1日から平成25年3月31日までのことです。
100を越す自治体からのアンケートを集めてから
データについての確認問合せ、集計、原稿執筆、印刷で
どうしても、1年以上の時間がかかってしまうようです。

「全国動物行政アンケート結果報告書」は
データ内容(アンケート回答)がものすごく細かいです。
実際のアンケート用紙が本書に掲載されてますが、
引取り数、譲渡数、処分数などのデータだけでなく
施設設備の詳細や、譲渡事業の詳細、災害時の救護対策など
A4サイズで10ページもあります。

データの信頼性についてですが

環境省の発表では(平成24年度)
犬の殺処分数 38,447頭
猫の殺処分数 123,400頭
犬猫合計殺処分数 161,847頭

「全国動物行政アンケート結果報告書」の掲載は
犬の殺処分数 39,233頭
猫の殺処分数 131,375頭
犬猫合計殺処分数 170,608頭

と犬については2%ほど、猫については6.5%ほど数値が多く
犬猫合計で5.4%数値がアップしています。

なぜ違いが出るのかわかりませんが、5%は誤差の範囲だと思います。

発行まで、何度も自治体に回答内容を問い合わせるそうなので
もしかしたら、環境省の発表よりこちらの方が
データは正しいかもしれません。



2011年に、ちばわんでこんなポスターを作りました。



千葉県の犬猫の飼い主さんに向けたインパクトのある表現が欲しいと思い、
「全国動物行政アンケート結果報告書」を読むうちに
千葉県の施設が犬猫処分数の合計が、当時国内ワーストだということに気付きました。
「8,556」というのは平成21年度に
自治体施設としての千葉県で殺処分された犬と猫の合計数です。

「全国動物行政アンケート結果報告書」では、このようなランキングは
都道府県別(地域別)しか掲載していません。
このことについては、このポスター制作にあたりALIVEさんと話し合いましたが
施設数が少ない県では1施設に犬猫が集中するため
施設が多い都道府県より数値が高くなり不公平になるということでした。

たとえば茨城県、沖縄県などは県内に1箇所しか施設がありませんが
神奈川県、愛知県などは県内に5箇所、大阪府は府内に6箇所あります。

しかし、ポスターの趣旨を説明し、
千葉県の飼い主さんの啓蒙のために自治体別のデータを使うことを
了承してもらいました。


このとき以降、自治体別のデータを気にしています。
最新版でもチェックしてみました。


平成24年度 犬の殺処分数ワーストランキング(自治体別)

1位 茨城県 3,177頭
2位 沖縄県 2,501頭
3位 熊本県 1,850頭
4位 広島県 1,765頭
5位 香川県 1,654頭
6位 徳島県 1,534頭
7位 鹿児島県 1,430頭
8位 千葉県 1,376頭
9位 福岡県 1,209頭
10位 山口県 1,173頭


平成24年度 猫の殺処分数ワーストランキング(自治体別)

1位 沖縄県 4,103頭
2位 兵庫県 3,955頭
3位 愛媛県 3,393頭
4位 千葉県 3,364頭
5位 大阪市 3,209頭
6位 茨城県 3,197頭
7位 福岡県 3,137頭
8位 三重県 2,978頭
9位 山口県 2,974頭
10位 長崎県 2,899頭


平成24年度 犬猫の殺処分合計数ワーストランキング(自治体別)

1位 沖縄県 6,604頭
2位 茨城県 6,374頭
3位 兵庫県 5,059頭
4位 千葉県 4,740頭
5位 広島県 4,521頭
6位 福岡県 4,346頭
7位 愛媛県 4,423頭
8位 熊本県 4,217頭
9位 山口県 4,147頭
10位 長崎県 4,048頭


この表を見て気付くのは、茨城県と千葉県をのぞけば
犬や猫の殺処分数が多いのは全て西日本です。

東日本は犬猫収容数が西日本より多くないような気がします。
また、西日本は「所有者不明の犬猫」の引取り数が
東日本より多いようです。
犬についていえば、放し飼いが多いのかもしれません。
猫は、犬より暑さに強い(寒さに弱い)とされてますので
西日本のほうが、屋外で住む猫の数が多いのかもしれません。

また、ワースト10にあがる自治体は毎年ほぼ固定しています。
沖縄県、茨城県、千葉県、福岡県など


千葉県についていえば、平成21年度から3年で
「8,556」だった殺処分数はほぼ半減して「4,740」
ランクもワースト1位から4位まで改善されました。
ただし、まだまだ猫の殺処分が多いのでよほど対策を練らないと
簡単にはランクが下がらないと思います。

なお、「全国動物行政アンケート結果報告書 平成24年度版」に掲載されている
都道府県別の犬猫殺処分ワーストランキングは
千葉県は、犬はワースト10位、猫はワースト8位、犬猫合計はワースト8位です。


同書から興味深いデータを発見したのですが
長くなりましたので、次回に続きます。

今回掲載したデータ数値は
地球生物会議発行「全国動物行政アンケート結果報告書 平成24年度版」より
使用させていただきました。
上記「出典」を明記しないでデータを使用することは禁じられております。
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