おはなしをしようか?

ご来訪ありがとうございます。お話のモデルとして、アイドルさんの名前をお借りしてます。私の妄想と理解した上でご覧ください。

your beautiful dream

2014-10-08 13:05:43 | 東方神起妄想小説
ユノは俺が編入してきた当初から何かと声をかけてくれた。

俺は放り込まれた感が満載だったし、ちょっかいかけてくる奴がいれば暴れてやるつもりだった。

けれど、ユノは明るく皆から心底慕われていて行動を共にする俺は周りから大切に扱われて戸惑った。

挨拶と優しい笑顔
穏やかな会話

暖かい日常

ユノがくれたものは計り知れない。

段々、燻っていた暗い気持ちは少しずつ消えていった。

神様はどこを見ていたんだろう。
こんなろくでもない生活をしていた人間に、幸せを与えてくれた。

自分には過ぎる程の幸福に恐れを抱きながら暮らしてきたけど、やっとわかった。

俺はあいつらを守るために幸せを与えられたんだろう。

ユノ、お前に汚い感情は似合わない。
だから、お前が大切にしてるものは俺も守るよ。

もし、もしもジェジュンに何かがあったら。

ユノは体裁など気にもしないだろう。



けれど、ユノ。

お前がジェジュンを守りたいのと同じでさ、ジェジュンはお前が大切だってこと忘れちゃダメなんだよ。

「…よっ!と、じゃ行くか。」






your beautiful dream

2014-10-07 17:42:27 | 東方神起妄想小説
「まだ痛むか?」

寮長室、所謂ヒチョルが溜まり場にしている部屋でユノはユチョンの足を冷やしていた。

踵が少し赤い。

「テコンドーやってたって本当だったんだな。」

「俺は嘘なんてついたこと無いでしょうよ?public imageが強いんだよねぇ~。ユチョンて男前!ユチョンて格好いい!彼女いっぱいいるんじゃない?じゃあ軽いんじゃん?みたいなさぁ。」

「前半はどーかしらんけど、お前飄々としてるからな。どこまで本当かわからねぇ。」

ふふんと鼻を鳴らして笑うと仕方ないねぇなぁといった風にユノも苦笑いを浮かべた。

「なぁ、ユノ。」

「ん?」

ユチョンが連れ出した事でユノは先ほどの怒りを露にした態度は無くなっている。
このまま穏やかなユノを見ていたいけれど、これだけは言わなければと口を開いた。

「もし、さ。自分の大切な人が傷つけられたらユノはどうする?」

「…今日のことが関係してんのか…?」

スッとしたユノのまなじりがホンノリと怒りを滲ませている。

普段は本当に怒ることはまずない。
副寮長という立場上、指導にあたる時などは怒るというより諌める。

本当の強者は優しいのだろう。

「ユノはさ、俺がこっちに来てからの初めての友達だって思ってる。」

「なんだよ、今更…今はたくさんダチはいるだろ?」

「ま、ね。んでさ知ってるっしょ?」

「何の事だ。」

ほらね、優しい。
こっちに戻った当初俺はどうしようもない奴等とつるんでた。
酒、煙草、女、喧嘩の繰り返し。
見掛けよりも腕があった俺は難癖つける奴等を毎日毎日ボコボコにしていた。

手をつけられない俺を寮がある学校へと編入させたのは、ある意味正解だったのかもしれない。
今となれば。

「俺がここに入る前のこと。めったくたやってやったもん!」

「いいじゃないか、その話は。お前はもう前とは違う。そうだろ?」

寮を纏める関係でヒチョルもユノも俺の過去については教師から聞いているだろうと知っていた。

話の中にも時々出てきたしで、ユチョンに隠すつもりもなかった。

「ふふ…戻りたくもない。思い出したくも…でもさ、思い出さなきゃいけないみたい。」

あの滅茶苦茶に陰鬱な日々を。

悪い奴等は悪いやつと繋がってるはずだから。

「何故?あいつら、またちょっかいかけてきたのか?」

大人しくなったとはいえ、そう遠くに来たわけでもなく、あの頃の奴等とニアミスはあった。

俺も子供じゃないし、それとなく交わして現在に至る。

けど、こっちから突っ込む事になるかもしれないなんて皮肉だ。

「うぅん、俺じゃない。ジェジュンだよ。」

俺の馬鹿馬鹿しい衝動はユノやジェジュンに逢って終息を迎えた。

だけど、まだ渦中にいる人間はどうなんだろう。
俺があのままだったらどうだろう?

きっと、何もかも破壊したくなるはず。
どこから溢れてくるのか増悪というものは。

愛に溢れた日々を送っている人間に検討違いな報復をしかけてくる。

願ってやまないものを手に出来ない苦しみを。
手にしている人間の笑顔を。
ぶち壊したいと思っているのは誰?

ユノの瞳に蒼い焔がユラリと揺らぐ。

ねぇ、ユノ。

大切なジェジュンを傷つけられたら君はどうなる?