おはなしをしようか?

ご来訪ありがとうございます。お話のモデルとして、アイドルさんの名前をお借りしてます。私の妄想と理解した上でご覧ください。

your beautiful dream

2013-05-16 09:11:45 | 東方神起妄想小説
シャッとカーテンを開ける音を聞いて目を開けると、日差しを受けたジェジュンの後ろ姿があった

既に制服に着替えているのを見てユノは慌ててベッドから飛び降りた

「あ、おはよ~ユノ!昨夜はありがとな。部屋変わってくれたんだね。ごめん。」

「あぁ、いいんだ。…じゃなくて、お前まだ寝てなきゃ駄目だ!」

あんなに憔悴しきっていたのに、また無理をして寝込んだら…

「大丈夫だよ。そんな弱くないから。薬も効いたみたいだし!」

クルリと振り向いてガッツポーズをしてみせるが、ユノには何だか無理をしてるようにしか見えない
笑った顔もほんの少し陰っている

「ユノも早く支度しなきゃ駄目だよ?まだ時間あるけどさ。ヒチョルと見回りすんの今日でしょ?」

寮長になるにあたってヒチョルは補佐をユノにさせる事を条件としていた
最終的にヒチョルかユノが寮長になると決まっていたから喜んで引き受けた

朝の点呼や、部屋の見回り
各寮生の簡単な健康チェックなどを始め、やる事はたくさんあるのだが、ヒチョルにかかると、いとも容易く片付いていく

ヒチョルが寮長なのには納得の手腕だと、手伝いながらも感心してばかりいる

「また揚げ足とりの材料にされちゃたまんないでしょ~はい制服。」

昨夜脱ぎ捨てたままだった制服はきちんとハンガーにかけられている
シャツを手に取り、ユノに渡してくれる仕草は慣れたものだ

ジェジュンの世話焼きにも毎度感心しきりなユノだった
…が感心してばかりもいられない
コイツは人のことばかり気にして!

「俺は自分でやるから、お前はこっち!」

差し出されたシャツと一緒に手首を掴み、ベッドに押し返す
ジェジュンは体をよたつかせながら、ポスンとベッドに腰を落とした

「平気だってば!」

真っ赤な唇を尖らせて抗議をしてくる肩を押さえつけ、顔を近付け額で熱を計ってみる
他の野郎にはしてみようとも思わないが、ジェジュンには自然とそうなる

「やっぱり!!」

少し触れただけで熱があるとわかる
無茶してばかりだ

「動けば治る程度だよ…」

シュンと肩をすぼめた顔を見ると白い頬がほんのりと赤みをさしている
熱が高いんだな

嫌がるジェジュンに体温計を渡すと案の定8度を越えている

「休め…」

でも…とまだ言い出すのを手で制して、ヒチョルに連絡をする

「俺、ヒチョルの言った通りだ、泊まって良かったよ…うん…かなり高い…うん…へ?あ~そうなの?じゃあ暫くしたら行くわ。…悪いな…ん、じゃあ。」

ヒチョルの言った通り…って何だよ…と面白くなさそうにジェジュンはブツブツ言いながらも寝る支度を始めた

ボタンを外す仕草をベッドに座って眺めているとジェジュンと目が合う

「ユノ?なにゆっくりしてんだよ…早くしなきゃ。」

「や…ユチョンが見回りしてくれるってさ。あと、1限が自習だから、2限から出る。」

「あ、そうなんだ。」

話ながらも丸っこい指先でボタンを外すのを見ていると、最後のボタンをはずし終えたジェジュンがピタリと止まる

顔をあげると、また唇を尖らせて責めるようにこちらを見ていた

「あんまり見られると着替えにくいんだけど…」

「いいじゃないか、減るもんでもないし。」

「ユノ…エロオヤジみたい…」

何だと!と頭をクシャリと撫でると胸元であっは!と笑ったジェジュンから仄かに石鹸の香りが漂う

あんなに汗かいてたのに、こいつはいつも良い香りがするんだな…

「ユノ?」

「とにかくお前は絶対安静!帰った時寝てなかったらただじゃおかないからな!」

「わかったよ!寝るよ!」

着替え終わるとおとなしく布団に入ったのを見届けて、ユノは朝食をとりに部屋を出た

部屋でとればいいか…
のんびりと食堂へと歩くと、早めに移動する寮生達がユノに挨拶をして通りすぎていく

ジェジュンが風邪をひいたというに、俺はちょっと楽しんでる
久しぶりにゆっくりといられて安心していた
昨夜は弱っている姿に胸が痛んだが、もう少し一緒にいたいと願っていた

さ、メシだ!

足取りも軽く食堂へと歩いていく

早くジェジュンの元に戻りたいと思うと歩調が早くなっていった

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your beautiful dream

2013-05-15 09:18:21 | 東方神起妄想小説
最近の寝不足も手伝い、体力が落ちていた
睡魔が訪れてウトウトするが、体が痛み少し眠ると起きてしまう

何度目かの眠りに入った時に、フワフワとした心地良さに包まれる

あ、今度こそ眠れそうだと頭のすみで考えていた
波をたゆたうような暖かさの中にいた
ジェジュンを悩ます色々な事から解放される
暖かいな
こんな安心したのは久しぶりだ

疲れや痛みが体から抜けていく
心がジンワリと暖まり、何故かジェジュンは泣きたくなった

泣いてもいいよ

どこかで優しい声が聞こえる

眠りの中でジェジュンは思いきり泣いた

泣いてもいいんだ
誰も見ていない

熱い涙が次から次へと流れていき、胸の塊が溶けていく



目を開けると、やっぱり暗い部屋にいた
うっすらと目を開けると、心配そうに自分を見ている顔があった

まだ夢と現の狭間に漂っている自分には、それが誰だかはっきりとせず、だけど無性に触れたくて手を伸ばした

間隔が掴めず、なかなか動けないでいると、そっと手をつかみ引き寄せられた

サラサラな皮膚に触れるとユノはニコリと微笑む

「ユノ…」

ん?と口角をあげた
何だか久しぶりに見た気がする

スッキリとした顎のライン
切れ長の美しい瞳
…唇

ユノだ…

トロトロとまた睡魔が訪れる
夢…なのかな

「ジェジュン…食べられる?」

ベッドの脇にトレイが置かれている

空腹なのかがわからなくて黙ってユノを見ていた

俺は起きてるのか

じゃあ言っちゃ駄目だ

ずっと言いたかった言葉…

夢ならば簡単に口に出せると思った言葉を飲み込んだ

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your beautiful dream

2013-05-02 17:31:13 | 東方神起妄想小説
「ほらよっ王子様これ持ってけ」

食事が終わり、食器を片付けているとヒチョルに盆を渡された
布巾を捲ると握り飯がふたつと、スープが乗っている

ジェジュンのか

普段は、寄ると触るとワーワーやってる二人だけど
実は仲がいいのを知っている
寮長としてだけではなくヒチョルは面倒見がいいのだ

「わかった、ジュンスが持ってった方がいいんじゃないのか?」

同室だし、下手に人数が多くなるよりそっとしといた方がいいのではないだろうか?
ジュンスの姿を探して振り返ろうとした首根っこを掴まれる

「ジュンスはチャンミンの部屋に行った。あいつサッカーしてなきゃゲームだもんな。」

あぁチャンミンのとこか

「チャンミンもゲームに付き合ってやってんのな。意外な組合せっつーか」

チャンミンはユノの幼馴染みで、今年首席で入学した
折り目正しく教師の覚えもいい奴だ
見た目も可愛らしいので、既に名前を知るものも多い

「あいつ割りとオタクだから、どっちかというとジュンスが付き合ってやってるのかも」
サッカー大好きで、気づけば校庭を駆け回ってるジュンスは元気いっぱいで、物静かに見えるチャンミンとは対照的に見えるかもしれない

まぁ、まだ猫かぶってんだけど…
ヒチョルの前じゃまだ緊張してるかもしれないし

「でもアイツって結構毒持ってそうで、面白いよな」

さすが…ヒチョル…するどい
ちょっと似た気質かもしれない
類は友を呼ぶってやつかな

「まぁ、そんなわけで。お前はジェジュンの看病してこい。アイツには一番の薬だろ。許可とってあるから、今日はそこで寝ろ。」

「わかった。」

素直に盆を手に取ると、ヒチョルはニヤニヤしてる

「お前も何だかんだ理由つけてたけど、本当は気になってたんだろ?ヒチョル様に感謝しな?」

「まぁ、具合悪いから気にはなってたけど、お前もだろ?」

「ふーん、ま、いっけど。原因はお前にもあるんだぜ。王子様」

「原因?俺がなんかしたか?」

全く覚えがない
最近仲違いをしたわけでもないし、もし喧嘩したとしても、思い詰めて体調まで壊すなんてことはないだろうに

「は…ジェジュンも浮かばれねぇな…そゆとこがいいのかも知れないけど」

「何だよ。」

ハッキリしないヒチョルに抗議しようと口を開くが、早く行けとひらひらと手を振られて諦めた

埒があかないんだ。こういう時のこいつは

「あと…王子様って何だ?」

「はよ行け…さっきお姫様にはチュー届けてやったからな。寝込み襲うなよ?」

ばかやろ…

さっき不意討ちで唇を奪われた事を思い出す
ヒチョルはそういったからかいかたをする
もう慣れたけど

見た目女っぽいのに中身は豪快な兄貴だ
悪ふざけばっかりしていて、真面目に返すユノはいつも被害にあっている

勿論ジェジュンも

ったく…ジェジュンの様子も聞き損なった
風邪ひいたのだろうか
結構華奢だけど、滅多に体調崩す奴じゃないのにな

談話室では、まだ大勢の寮生でごった返している

反対にひっそりとした廊下を歩きながら
先程のキスをジェジュンがどのように受け取ったのか考えていた

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