マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

こんな夜更けにバナナかよ

2019-01-11 18:48:48 | 映画

今更ですが明けましておめでとうございます(^^;

 

すっかり更新も滞り、たまにしか利用しないこのブログですが、今年もボチボチ気が向いた時のみやっていきますね。

さて大泉洋ちゃん大好きな私。お正月映画に主演していることもあり、有難いことに年末年始のテレビの特番などに大泉さんが宣伝を兼ねてたくさん出演してくれて私としては嬉しい限り。特にTBSさんは、日テレ資本の映画なのにもかかわらず正月のゴールデンタイムを2日間も大泉さんで占領するとか夢のよう。これはいずれ紅白の司会も近いぜ!!

 

その楽しみにしていた映画「こんな夜更けにバナナかよ」見てまいりました。

とても良かったです。

何というかな…私は自分を善良な人間だと思ってはいるんですが、一方で偽善的であるとも思っており…。その理由のひとつに、こういう福祉的なことに全然興味が無いんですよね。子どもなら親戚の子も他人の子も大好きで子どもの面倒ならみたいけど、高齢の方、障碍を持った方の面倒ってみれるかな?自分なら出来ないんじゃないかなと思う。実家に帰省している間も病気がちな母を助けたいとあれこれ頑張ったんだけど、何度も喧嘩してしまいました。まあ仲が良いので結局は簡単に仲直りしちゃうんだけど。本当に腹が立った時はだーれがこんな母親の面倒なんか看るかよ!プンプン!ってなっちゃう。その根底にあるのは、「こっちは色んなこと犠牲にして面倒見てあげているのに、なにさその態度」って感じちゃうってとこなのよ。

障碍を持っている方、病気の方、本当に本当に大変だと思う。私なんてちょっと体調不良になっただけでたちまちネガティブになってしまうヘタレです。とても重い病・重い障碍とか耐えられない。好きでそうなる人はいないし。だからその大変さ、想像もつかないしそういう状況の方、そういう重いものを抱えている方、尊敬します。

でもどこか自分は他人事というか、自分の問題としてあまり考えてこなかった。

自分は幸運なことに健康に恵まれた。そうでない人は行政の、福祉の手を借りてどうか頑張って、ってな感じ。ボランティアもほとんどしたことないです。

自分の中には、何か労働が発生したらそれは対価を支払うべきであり、人の厚意に甘えるのはちょっと違うのではないかという気持ちがあるんですよね。

ちょっと問題は違うけどブラック企業とか、日本型のサービス残業みたいなのも嫌いで、立場の弱い人の厚意に社会が甘えんじゃないよ、と思ってしまう。だからもし他人の手を借りないと生きられない方がいるとして、それは普通に雇用して仕事として賃金を支払えばいいのであって、家族や周囲の人に負担を強いるのも違うよなと思ったりして。

でもこの映画はそういう自分の価値観みたいなものをかなり揺るがせるような作品だった。

この話に出て来る鹿野さんは筋ジスに侵され、命に限りのある方。それこそ他人の力を全面的に借りないと生きられないが、入院暮らしは嫌だと病院を飛び出し自力でボランティアを集め、暮らしている。そんなこと可能なの?と訝ってしまうけど、鹿野さんのなんというかポジティブな人間力に、人が集まってきちゃうんだね。

障碍者をテーマにした作品だとこれまでだとどうしてもお涙頂戴というか、悲劇的で湿っぽくなってしまうけどこの映画は違う。鹿野さんは弁が立つし自分勝手でわがままで自由奔放だ。作品の冒頭ではなんでこの人こんなに傍若無人なの?と思ってしまう。そこに見る人の固定観念とかいろんなものが炙り出されると思うのね。他人の厚意、介助を受ける側ならもう少ししおらしくしなさいよ、というね。

でも映画が進むうちに実に色んなことを考えてしまう。作品中の鹿野さんの言葉にハッとさせられたり。「僕と君たちは対等なんだ」「人に迷惑をかけて生きてもいいんだ」これらはかなりのパワーワードだと思った。何故なら日本人は他人に迷惑をかけないようにと躾けられ生きてきたし、最近のネット事件などみても、世間を騒がせ迷惑をかけたから謝罪しろ、というのがトレンドだもん。でも迷惑かけて生きたっていいじゃないお互い様なんだから、と言われると「うん…」と思っちゃうし、なんか胸のつかえが取れたような気もする。そっか一生懸命生きていれば人に迷惑かけることだってあるよな、大丈夫なんだなとスーっと心がラクになる。なんなら「迷惑」ってそもそもなんだろう、とまで考えてしまう。

 

鹿野さんの生き方をみんなが真似しろとは言わないけど、弱者が切り捨てられようとしている自己責任国家になり下がった最近の日本に一石を投じる作品ではないか。

お互い様なんだからみんなサポートし合って頑張って生きようよ!という熱いメッセージをもらったような気がする。障碍者を聖人扱いせず、デリケートな性の問題なんかもサラリと入れ、リアリティとユーモアを両立させてみせたこの作品、今年度公開された実写邦画の中ではかなり良いほうじゃないかな。大泉さんの熱演も光りました。新たな代表作かなと思う。

 

 



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