すべての山に登れ

日々のできごとと山の思い出

春を待つ金剛山

2017-02-06 16:00:20 | 山登り
2月4日(土)

〈満天の星〉
 5:00、駐車場出発。雪はない。念仏坂から寺谷に入る。登るにつれて、雪が現れてくる。解けずに残っているようだ。第2ベンチを過ぎて、木の階段のところにくると急に視界が広がる。ここはもう何年も前に土砂崩れで杉の人工林が倒れ、大きな被害を受けたところだ。樹木が倒れて登山道も土砂に埋もれたが、ボランティアの人が端材を使って、頑丈な階段をつくってくれたのだ。もちろん、山主さんの了解を得て。 
 斜面には新たに植樹がなされているが、まだ小さく、その分視界が広がるのだ。そんないろいろな人の営みがあって、登ることができている。
 見上げると、冬には珍しい満天の星。「満天の星て言うたら、小さいときからいつも『初夏満天の星』という言葉がう浮かんでくるねん。」「なんで。」「小学校のときに見た習字の手本。中学校かな。いい言葉やなて思ってん。」すると、妻は「私は『イヨマンテ』。」と、今日も底抜けに明るい。

〈氷柱〉
 いつもここだけ凍るという沢を渡る。今日は寒さをあまり感じないが、沢の中の岩につららができている。10センチぐらいのが横に何本も並んでいる。「あ、これは下にくっついて柱になってるよ。」と、妻はライトを当てながら、しばらく観察をする。
 雪は登るにつれて少しずつ増えてきて、登山道全部が覆われるようになる。「アイゼンしたほうがいいかな。」「ロスはあるけど、気をつけて登れば大丈夫。下りはしたほうがいいな。」6:15、頂上に着く。今日も時間がかかった。マイナス3度。かまくらが少しやせたようだ。

〈下山〉
 妻はアイゼンをして下山。「ああ、歩きやすい。アイゼンパワー。」と喜ぶ。私は今日もノーアイゼン。6:25、文殊尾根に入ると、左の奈良側は「かぎろひ」のような日の出前。しかし、12月ごろとはずいぶん違う。鮮やかさがない。右の大阪側は夜明け前。対照的である。そんなことを言い合って下山していると、いつの間にかずいぶん明るくなって、薄赤い色が消えた。日の出が早くなっている。
 第1ベンチの少し上で、大阪の北のほうから来られているKさんご夫婦に会う。「このごろお2人に会わないね、とちょうど話してたところなんです。」と笑顔で挨拶される。笑顔の素敵な方だ。「上は雪がありますよ。」アイゼンを外した妻も負けずに笑顔を振りまく。

〈春を告げるふきのとう〉
 千早赤阪村の農産物販売所に立ち寄る。私が車で待っていると「ふきのとうが あったよ。」と妻が小走りに戻ってくる。おう、もうふきのとうが出てきたのか。今日は立春。春を告げる爽やかな苦みのふきのとう。今夜は天ぷらだ。




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