ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

メモリーツリーその1

2010年03月15日 | 中学受験 合格力随想
理科・社会などの暗記教科の学習に於いて、その子なりのメモリーツリーの作製をお勧めしています。今回は、このメモリーツリーについて3回に分けてお伝えしたいと思います。

脳の中には、たくさんの情報があります。人間は、このたくさんの情報を短期記憶を使って考えています。短期記憶というのは、7つぐらいのものを覚えておく記憶です。例えば、初めて聞く電話番号は、その場でしか復唱することができません。このような記憶が短期記憶です。

短期記憶は短い時間しか覚えておくことができませんが、いくつかの記憶単位を一つのまとまりにすると覚えやすくなります。これをチャンク化と言います。例えば、√5を2,2360679と覚えるのではなく、「フジサンロクニオームナク」と覚えるようなやり方です。一つ一つの数字を覚えるのではなく、数字のグループをひとまとまりとして意味をもたせ覚えるやり方です。

人間は、7つぐらいのこの短期記憶という狭い筒を通して脳の中の多数の情報を見る、という形でものを考えます。したがって、筒が見ているところは思考の材料になりますが、筒が通り過ぎたところやまだ見ていないところは、思考の材料になりません。短期記憶の枠からこぼれ落ちてしまいます。

しかし、メモリーツリーは、とりあえず頭の中にある情報をすべて紙の上に並べることができます。書き上げた材料を眺めると、それは自分の脳の中にある材料を眺めていることと同じです。不足している部分は、調べて書き足していくことも可能です。こうして全体を眺め完成させていく過程で、無駄のない構成ができあがっていきます。

このように思考と表現を分離することで、知識の確認をすることができるのがメモリーツリーの特徴です。更に、これは学習の能率を上げるだけではなく、疑問点を発見し解析していくことで、新しい「知」を創造することにも結びついていきます。


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