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国語の成績を上げるために「天声人語」などのコラムを要約するという学習方法があります。この学習方法はそれなりに効果がありますが、私は次の理由から別の方法をすすめています。
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第一の理由は、新聞のコラム欄の文章は、必ずしも国語力をつけるには向いていないということです。それよりも実際の入試問題の文章の方が、国語の力をつけるにはずっと向いていると思っています。また、文章の質ももちろんそうですが、管理のしやすさという点でも問題集のように一つの冊子になっているものの方が何度もくりかえし使える点も含めて優れています。
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第二は、要約という学習方法は、手間がかかるものだということです。子供自身も、要約のための時間と場所を確保して学習に取り組まなければなりませんが、それ以上にその要約を評価する管理者の手間が非常にかかる点が問題です。原則として、私は学習はできるだけ子供が自力で進めることができるようにプログラミングし、講師や保護者などの管理者は肝心なところだけアドバイスできる形が一番良いと考えています。
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小学生が行う要約という学習の中身は、実際には「よく読んで書き写しをする」というものです。効果があるのは、この「よく読んで」の部分です。つまり、要約をするためには、何度もその文章を読まなければなりません。そして特筆すべきは、書き写しをするときに更にもっとよく読む必要性があることです。本来は要約自体に効果があるのではなく、要約するためによく読むところに効果があるといっても過言ではないのです。
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だとすれば、国語-要約の学習方法のもっと能率的なやり方は、その文章を何度も繰り返し読むことです。この方法ならば、いつでもどこでも手軽にできます。また、音読で読んでいるときに管理者が読み間違いを簡単に直してあげることもできます。ただし、同じ文章を繰り返し読むという方法は、要約のように形として残るものがないので、見ていて張り合いがないように思えるものです。そのため、この繰り返し音読させるという学習方法を、なかなか皆さんが取りたがらないのではないかと考えています。
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しかし、学習の密度と量を考えれば、問題集を繰り返し音読する方が、コラムを要約するという学習方法よりも断然優れていることは否めない事実です。
澪標