フィッシュマンズの音楽は以前から大好きで、
特に「空中キャンプ」は没頭して聴いた時期があるんだけど、
佐藤伸治の遺作となった「宇宙ー日本ー世田谷」をはじめて聴いたときは、
なんだか暗くて聴いてられなくて、
それで、それ以来あまり聴かなくなってしまった。
最近になって、ふと思い立って、
佐藤伸治の歌詞を詩集としてまとめた「Long Season」を読んでいたら、
言葉の輝きにあらためて感動して、
それで、いわゆる世田谷3部作を、
またよく聴くようになったのだ。
佐藤の高音のボーカルに乗って聞こえてくる、
少し物悲しく聞こえる歌詞に対して、
本に印刷された言葉は、
一人で勝手に散歩しているのんきな言葉といった印象もあり、
親しみやすく、音楽で聴くのとはまた違った魅力がある。
歌詞として聞こえてくる言葉と、
紙の上に印刷された言葉の印象が、
ずいぶんと違うのだ。
それぞれが素晴らしいから、素晴らしさが2倍になった。
言葉って面白いな。
そんなことを思いながらフィッシュマンずを聴いている。
詩人としてもミュージシャンとしても、
ずば抜けた才能を持っていた佐藤伸治が、
33歳という若さで亡くなってしまったのは、
ほんとうに惜しい事だったなぁと、
あらためて思う。